NECとMTNが、商用ネットワークでのオープン光トランスポートの実証実験に成功
データセンタ/LAN 無料世界初、Network Operating System分野でのTIP Phoenix Gold Badge認定を獲得
NECは3月27日、NECとアフリカ最大の移動体通信事業者の1つである南アフリカMTN社(以下、MTN) が、NECが開発した光伝送装置向けNetwork Operating System(以下、NEC NOS)を搭載したオープン光トランスポートネットワークの実証実験に成功したと発表した。
本実証は、首都ヨハネスブルグ近郊のセンチュリオン、ジャーミストン、ランドバーグにある3つのデータセンタ間を繋ぐ商用の光ネットワークにおいて行われた。データセンタの顧客のトラフィックを伴う実環境で、NEC NOSを搭載したトランスポンダ間で複数波長を含む400G伝送が実現され、既存システムとの互換性が確認された。これにより商用利用が可能であることが実証された。
本実証内容および、既に運用が開始されているNTTコミュニケーションズの社内網への導入実績が評価され、NEC NOSはTIPが推進する光IPネットワーク領域のオープン化に向けた「Phoenix(フェニックス)」プロジェクトよりGold Badge認定を獲得した。Gold Badge認定は、認定製品が世界各国の主要なネットワークオペレータのニーズを集約したTIPの要件を満たし、商用導入への適合性が有ることを証明するものだ。Network Operating System分野での同認定獲得はNECが世界初となる。

TIP Phoenix Gold Badge認定
これらのことから、NEC NOSはTIPが推進する光IPネットワーク領域でのオープン化に寄与し、オープン化によって実現されるベンダロックインの解消およびイノベーションの加速、サプライチェーンリスクの軽減、セキュアで高品質な通信基盤の構築にも貢献する事が期待される。
NECは「今回の実証成功と認定獲得を足掛かりに、NEC NOSの商用導入を加速し、高品質なオープン光トランスポートネットワークのキャリアグレードでの構築をめざす」としている。
テレコム・インフラ・プロジェクトのエグゼクティブディレクターであるクリスチャン・トイヴォ氏は「テレコム・インフラ・プロジェクト(TIP)は、NEC Network Operating System(NOS)の商用ネットワーク実運用及びTIP要件への高い準拠を確認し、同製品にTIP Gold Badgeを授与することを嬉しく思っている。NEC NOSは、メトロバックホール伝送やデータセンタ間接続において、多様なハードウェアとソフトウェアの選択によるネットワーク構築を可能とし、コスト効率の高い大容量通信やプログラマビリティを提供する。同製品は、NTTコミュニケーションズの社内ネットワークおよび南アフリカのMTNとTeracoでの実ネットワークにおいて、厳格な試験を経ており、高レベルな品質と運用性が認められた。これらの実績は、よりアジャイルなオープンエコシステム構築のために、オープンで相互運用可能なディスアグリゲーションを促進するというTIPのコミットメント実現に貢献すると考えている」とコメントを出している。
NTTコミュニケーションズイノベーションセンターの担当部長である和田 雄一郎氏は「NECと共に光伝送装置向けNetwork Operating Systemソフトウェアの開発に携わり、ネットワークオペレータとしてソフトウェアの社内網への導入・運用を通じて、Gold Badge認定に貢献できたことを大変嬉しく思っている。今後も光IPネットワーク領域の更なるオープン化に向けて、TIPの活動にも貢献していく」としている。
MTNグループのテクノロジー部門 グループ技術担当 トランスポート及びOSSツール担当ゼネラルマネージャーであるロイド・ムファレレ氏は「MTNとして、私たちはこの画期的な技術の実証を実施できたことを誇りに思っている。NEC NOSを搭載したPhoenix 400Gトランスポンダは、信頼性が高くスケーラブルなネットワークソリューションを提供することにおいて重要な役割を担っている。NEC NOSはネットワークオープン化とディスアグリゲーションを加速し、我々の光ネットワークソリューション提供の迅速かつ柔軟な展開を可能にする」とコメントを出している。
NECのネットワークソリューション事業本部 シニアディレクターである佐藤 壮氏は「MTNの実証実験の成功並びに、NECが世界で初めてNetwork Operating System分野でのGold Badgeを獲得したことを大変嬉しく思っている。当社によるこれまでのオープン化の実績と光ネットワーク分野における知見、定常的なTIPとの連携を通した厳格な要件への理解が今回の実証成功とバッジ獲得に繋がったと考えている。TIP及びその活動に参画するネットワークオペレータとの連携は当社にとって重要事項と捉えており、そういった連携を引き続き強化し、光トランスポート市場のオープン化に当社は貢献していく」とコメントを出している。
本研究成果は、NICTの助成事業 (JPJ012368G50311) により得られたものとなる。