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NECとベライゾンが光ファイバセンシングの共同実証実験を実施、実用化に向け大きく前進

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既設の通信用ファイバネットワークを利用し交通情報を取得

 NECとベライゾンは10月8日、地中に敷設された既設の通信用光ファイバをセンサとして活用する共同実証実験を米国で行い道路の路面状態、混雑状況、車両の種類などの情報を検知することに成功したと発表した。

 同実験には、道路の混雑状況、車両の走行方向やスピード、加速・減速などを測定する交通モニタリングのため、AIを活用したソフトを搭載するNEC製の光ファイバセンサが使用された。
 従来こうした情報を収集するためには、センシング目的のファイバをあらかじめ設定された間隔で、新たに地表近くに埋設する必要がありった。
 一方で、今回NECとベライゾンで開発した技術では、センシング目的で新規に敷設されたのではない、既設の通信用光ファイバを活用して同様なデータを得ることができる。この新しい技術により、橋やトンネルなどのインフラ劣化の効率的な検知による地方自治体の対応力向上や、銃の発砲に対する初動対応の支援など、公的機能を支援するソリューションを強化することができる。
 ベライゾンは既に米国で数10万マイルの通信用ファイバを敷設しており、同センシングシステムを米国全国に拡大できる潜在的な可能性を持っている。今後さらに毎月1,400マイルのファイバを敷設予定であり、ベライゾンが自治体のデータ収集を支援することができる地域は広範に広がる。

実証実験の技術面の概要

 同実験は全て、既存のWDM通信チャネルと、同センシングシステムを共存させ、かつデータ通信容量への影響を最小限に抑えながら実施された。今回の実験では、業界で初めて、実際に商用通信に利用されているネットワークを用いて、36.8Tbpsの通信と同ファイバセンシングの共存利用に成功した。(※実験結果はベライゾンとNECが共同でOFC2019で報告している)
 同システムでは道路の交通状況を自動的に全線モニタリング(DITI:Distributed Intelligent Traffic Informatics )するためにConvolutional Neural Networks 、Support Vector MachineなどのAIツールを使用した。
 同システムは、光ファイバケーブルに接続した統合探査装置を用いて後方散乱光の特性を評価し、光ファイバケーブル区間のファイバにおける静的歪み、振動などの動的歪み、音響および温度を算出することができる。これにより従来のセンサでは得ることのできなかった幅広い実用的なデータに変換することができる。
 このNECの独自技術により、ベライゾンは既存の通信用ネットワークを使い、価値ある新しいデータを創出し、多様な環境を自動的に分析することが可能になる。
 ベライゾン 技術企画・開発担当上級副社長のアダム・ケープ氏は「この実証実験は、スマートシティの構築と管理を担う人々に大きな飛躍をもたらす技術の重要なマイルストーンだ。本センシング技術においては道路の舗装を剥がす必要がないため、ベライゾンの既存の光ファイバネットワークをそのままセンシングに活用することができるようになる」とコメントを出している。
 NEC 執行役員常務の河村厚男氏は「NECは光ファイバ技術の分野で強力なリーダーシップを発揮している。ベライゾンとの共同研究で得られた成果は、スマートシティの事業機会、特に道路の保全や交通情報の活用などによるセーファーシティソリューションへ大きな進展をもたらす。この最新のソリューションが光ファイバネットワークに新しい価値を与えると確信している」とコメントを出している。

実験結果の例