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シスコが、AI 時代のセキュアインフラストラクチャを提供

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 シスコは6月10日、企業が AI 時代に適応し、変革できるよう支援する新たなイノベーションを発表した。(本抄訳は、6月26日に日本法人より提供)

 企業は安全な AI 導入を加速し、AI に対する投資から価値を引き出さなければならないというプレッシャーにさらされている。組織がこのような機会に応えるため、シスコは将来のデータセンタやワークプレイスのあり方を継続的に再考している。
 シスコのプレジデント 兼 最高プロダクト責任者であるジーツ・パテル(Jeetu Patel)氏は「シスコは、AI 時代に重要なインフラ、つまり世界をつなぎ、グローバル経済を支える AI に最適化された安全なネットワークと体験を提供している。組織がワークフローの自動化や複雑な問題の解決をめざして、エージェンティック AI の導入を進める中で、イノベーションはこれまでになく拡大している。シスコは企業のインフラストラクチャ運用を支援してきた豊富な実績があり、現在、当社はそれを礎として次世代の AI を支える力を築いている」とコメントを出している。

 Ford Motorの最高情報セキュリティ責任者であるPatrick Milligan氏は「当社では設計から開発、製造、カスタマーサポートまで、Ford事業全体でエージェント型 AI を活用している。洗練された AI 機能を大規模に構築、展開、管理する中で、シスコのネットワーキングおよびセキュリティソリューションはテクノロジー インフラストラクチャ全体で重要な役割を担っている」とコメントを出している。

 2025年6月にサンディエゴで開催されたCisco Live において、シスコはエージェンティック AI への移行を支援する幅広い新製品や機能強化を発表した。
 主な内容は以下の通り。

AI 時代の職場環境:インテリジェントな職場環境を構築するためには、増大するトラフィックに対応し、常時接続を保証し、堅牢なセキュリティを備えた最新のネットワーク インフラストラクチャを整備する必要がある。同時に、組織はこれまで以上にスマートかつ効果的に働ける環境を社員に提供しなければならない。このような要件に対応するため、シスコはキャンパス、ブランチ、産業ネットワークを支える新たなデバイス、AI 駆動のユニファイドマネジメントを発表した。これにより、組織が受動的なワークフローから、自律的で積極的なネットワーク管理を実現できる。さらに、シスコの AI 搭載 Room Vision PTZ カメラは会議をよりシネマティックな体験に変革する。Webex Suite 用 Cisco AI Assistant の Jira Workflow Automation は効率化を図り、Webex AI Agent は業界別向テンプレートで顧客のセルフサービスを簡素化する。

AgenticOps による、AI 時代の運用の簡素化:シスコは、IT 担当者に簡素化と自動化を提供する複数の AI 駆動ソリューションを発表した。ネットワーク運用とセキュリティ運用担当者間のリアルタイムコラボレーションを実現する業界初の生成AIユーザインターフェイスであるCisco AI Canvas 、Cisco スイート全体を会話形式で操作できるCisco AI Assistant が含まれる。新機能の中核となるのは、シスコの Deep Network Model だ。これはCisco U.の学習教材や Certified Internetwork Expert(CCIE)の教材など、シスコの豊富な知識ベースによりトレーニングされたドメイン固有の大規模言語モデル(LLM) だ。その結果、ネットワークを理解し、IT 担当者の効率的な作業を支援する AI が実現する。

AI 時代のデータセンタ:シスコは、ネットワーク帯域幅、遅延、電力効率を重視し、エージェンティック AI を支援するデータセンタ向けのコンピュートおよびネットワークリューションの継続的なイノベーションを発表した。またシスコは、 AI ソリューションの導入を通じてパワーグリッドを強化するため、EPRI Open Power AI Consortiumに加盟した。さらに、サービスプロバイダが新たな AI サービスを提供し収益化できるよう支援する新機能を投入した。

AI 時代のセキュリティ:アプリケーションの増加、分散化された機動的なワークフォース、高度化する AI 駆動の脅威の中で、堅牢なセキュリティの重要性がこれまでになく高まっている。シスコは Hybrid Mesh Firewall および Universal Zero Trust Network Access(ZTNA)製品の各ソリューションにおいてイノベーションを発表し、最高 クラスのコストパフォーマンスを提供する 6100 シリーズと 200 シリーズの 新ファイアウォール2製品を発表した。また、Cisco Security Cloud の新機能を発表し、顧客がエージェンティック AI のセキュリティ課題に対応できるよう支援する。

デジタルレジリエンスを中核に:Splunk Observability Cloud や Splunk AppDynamics の機能強化、シスコと Splunk のソリューション間のさらなる統合などの様々な AI イノベーションにより、ネットワークの健全性とパフォーマンスの可視性をさらに高めるよう支援する。主なアップデートとして、Splunk Observability、Cisco ThousandEye Assurance、Cisco Enterprise Networks の間で双方向の統合を実現し、よりレジリエントでインサイト駆動型のデジタル運用が可能になる。

AI 時代のユニファイドマネジメント:シスコは、シスコのネットワーキング、セキュリティ、オブザーバビリティポートフォリオ全体をカバーする新しいユニファイド マネジメント プラットフォーム Cisco Cloud Control をプレビューした。Cisco Cloud Control は、Cisco AI Canvas や Cisco AI Assistant などの AI ネイティブツールによる一貫性のある体験を提供する。これにより、IT 担当者は複数製品にまたがるワークフローを実行し、問題をいち早く特定して解決し、容易にインフラストラクチャを管理することができる。