NECは6月15日、ボーダフォンが英国に構築する世界最大級の商用Open RANにおいて、Massive MIMOアンテナを搭載した5G RUを提供するパートナーに選定されたと発表した。
　ボーダフォンは英国の2,500箇所に基地局を設置してOpen RANを展開することを計画しており、パートナー企業と共同で今年から英国南西部の農村地域およびウェールズの大部分の地域における4Gと5Gのカバーエリアの拡大に注力し、その後に都市部への展開に取り組む予定だ。

　NECは「今後、O-RANフロントホールインタフェース仕様に準拠した5G用のRUを提供する。NECは最新技術の導入に加え、日本での商用Open RANへの基地局提供の実績や、英国のOpen RAN 事業開発拠点(Center of Excellence)を通じて得られた経験を活かし、ボーダフォンのOpen RAN構築を支援する」との考えを示している。
ボーダフォンのCTOであるJohan Wibergh氏は「Open RANはイノベーションを加速させ、サプライチェーンの多様性を高めるために不可欠です。ボーダフォンはNECのような戦略的パートナーと共に、よりコスト効率やエネルギー効率の高い、セキュリティに優れたユーザにもメリットのある先進的なネットワークの構築に注力していく」とコメントを出している。

　NECのコーポレート・エグゼクティブである奥屋滋氏は「この戦略的かつ非常に重要なプロジェクトにおいて、ボーダフォンに協力できることは大変光栄だ。イノベーションを促進し、英国のデジタル経済を推進するOpen RAN構築の加速に貢献できることを楽しみにしている」とコメントを出している。

　NECはOpen RANのエコシステムを活用したニュートラルホストソリューションを検証するNeutrORANプロジェクトにも積極的に参加している。これは英国政府が主導するプログラムでサプライチェーンの多様化を進める取り組みのひとつとなる。