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NICTより光無線通信向け「可搬用小型光アンテナ」受注【東陽テクニカ】

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安全・安心な新たな無線通信環境の実現を目指した研究開発を支援

「可搬用小型光アンテナ」イメージ

 東陽テクニカは11月9日、 NICTより、ドイツのDiGOS(ディーゴス)社製「可搬用小型光アンテナ」を10月に受注したことを発表した。

 このアンテナシステムは、NICT ネットワーク研究所ワイヤレス ネットワーク研究センター宇宙通信システム研究室でレーザ光を用いた光無線通信の研究開発のための光地 上局テストベッド(試験用環境)として設置される予定だという。

背景と概要
 5Gの実用化、IoTの普及が進み、人々の生活や医療、交通など、 社会における様々な分野で情報通信技術の発展が期待される中、通信基地局がない海上や電波が届かない山間部、災害非常時においても安全・安心に無線通信を利用できることが求められている。
 NICT ネットワーク研究所ワイヤレスネットワーク研究センター宇宙通信 システム研究室では、このような課題を解決するために、光衛星通信や 光無線通信技術を活用し、無線通信のサポートと、宇宙と地上を統合したネットワークの実現を目指して研究開発を行っている。
 この光無線通信に関する研究開発において、様々な通信ケースや衛星量子暗号通信技術の実証事業に向けて、光無線通信の通信機会を確保するために光地上局テストベッド(試験用環境)を構築する計画が進められており、東陽テクニカが提案した「可搬用小型光アンテナ」のシステムがこのテストベッドに採用された。
 東陽テクニカは国内において、地上から衛星までの距離をレーザ光で測定する衛星レーザ測距(SLR, Satellite Laser Ranging)システムの販売実績があり、今回のアンテナは SLR の小型製品「miniSLR」を光通信向けに転用したシステムになる。

 東陽テクニカは、SDGs優先課題の一つに「技術革新と産業発展への貢献」を掲げている。同社は「Society5.0が描くような、人々の暮らしをより快適にし、あらゆる社会課題を解決する社会を実現するためには、通信技術の革新が不可欠だ。今後も、光無線通信向けソリューションの提供などを通して、技術革新と産業発展を支え続ける」との考えを示している。