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特別寄稿:進化した5Gコアはどのように日本のコネクティビティ時代をリードするか【ノキアベル研究所】

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著者:ノキアベル研究所 シニア・スタンダーダイゼーション・スペシャリスト 柳橋達也

 2月上旬、ノキアは日本の5G展開において、重要な役割を果たした。国内最大手の通信事業会社1社と協力し、5Gコアスタンドアロン(SA)ネットワークの実証実験を成功した。これにより、5Gサービスの国内における本格的な実現が可能になる。
(参考リンク)ノキア、KDDIと5Gコアのスタンドアロンネットワーク試験を実施

 この実験は、前世代のネットワークアーキテクチャーから完全に独立して行われ、サービスオリエンテッド型アーキテクチャを5GのCプレーンに適用した。これにより、制御機能を完全にクラウドベースの環境に移動し、CSPsは今日のWebサービス通信モデルを活用するためCプレーンを活用したところ、前世代のモバイルネットワークでは不可能であったスケーラビリティ、速度、柔軟性が改善されたことを示している。
 企業と消費者が次世代ネットワークの真価を体験できるようにするため、この実験では主に5GコアSAネットワークの重要性が示された。これにより、高度化モバイルブロードバンド(eMBB)、高度化マシンタイプコミュニケーション(eMTC)、および超高信頼性低遅延接続(URLLC)を利用できるようになる。
 これら重要な3分野は、昨今の自動化技術に支えられた新しい産業に経済が向かう中で5Gサービスを可能する。日本では、自動運転・コネクティッドカーの開発や都市における実装が当面は対象となるだろう。
 ただし、5Gが日本において浸透するためには、複雑化するネットワークを効率的に自動管理できるコアネットワークに進化が必要となる。

新・5Gコアとは

 5Gの変革は、無線アクセステクノロジーが新しくなるだけではない。デジタル変革プロセスに取り組む際、とくに関連企業や消費者に対して、CSPの新しい機会とその課題を生み出す。
 ただし5Gには、コアアーキテクチャの根本的変更が必須となるサービスとネットワークの厳格な要件がある。5Gコアがネットワークの中心となり、マルチアクセステクノロジーのアンカーポイントとして機能するために、固定アクセステクノロジーとワイヤレスアクセステクノロジーの両方でシームレスなサービスエクスペリエンスを提供する必要がある。
 これを実現するために、モバイル通信の技術仕様とプロトコルを開発する第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)は、ワイヤレス、固定、または統合ネットワークでのサービス配信をサポートできる新しい5Gコアアーキテクチャを定義した。この新しいコアへの変更をするということは、Cプレーンの相互作用機能、再利用性、柔軟な接続、および全機能のサービスディスカバリをサポートするクラウド対応のサービスベースアーキテクチャ(SBA)を利用することになる。
 クラウドネイティブの製品とソリューションの開発はSBAへ移行をすることで実現され、これによりアクセステクノロジー全体で多様なサービスを迅速かつコスト効率よく展開できる。日本経済において、これまでに前例のない自動化と生産性の向上をリードするだろう。

日本の自動車業界におけるクラウドネイティブ5Gコアの重要性

 2019年4月、日本政府は国の主要なモバイルネットワーク事業者に5G周波数を割り当てた。周波数は、消費者のモバイルブロードバンドサービスを強化するのみならず、企業、地方自治体、および日本国内のあらゆる団体がLTEおよび5Gテクノロジーを介したネットワークも含む、次世代の産業向けコネクティビティを展開するためにも使用されることが期待されている。
 この次世代ネットワークの実証実験の一つは、自動運転車で行われる予定だ。日本では、昨年政府が改正道路交通法を可決し、新しく運転者の義務や車両の安全基準を設定したため、公道における自動運転がいよいよ現実味を帯びてきた。
 では、5Gはどのように機能するのだろうか。まず、5Gによって車両とクラウドが接続するだけでなく、相互に作用し、また道路設備にも接続することが可能になる。これにより、より運転がしやすいよう流れをスムーズにし、道路を安全に保つことができる。
 一般的にコネクティッドカーと聞いた際に多くの人が最初に思い浮かぶのは、必須インフラが5G無線アクセスネットワーク(RAN)とコネクティッドカー向け車載システムで構成されているということだろう。
 しかし、コネクティッドカーにおいて5Gコアも重要な要素となる。一部のコア機能を、コネクティッドカーの頻繁に変化するトラフィックに対して、必要に応じてコアをスケールできるエッジクラウドに移動するからだ。また、5G RAN、トランスポートネットワーク、5Gコアはデバイスから自動車のクラウド制御アプリケーションに至るまで、完全なエンドツーエンドのスライシングを実現する。
 これは、クラウドネイティブな5Gコアを活用した場合にのみ実現できる。簡単に言えば、コアは、コンテナーにデプロイされた後、APIを通じて公開され、任意のクラウドにデプロイ可能なステートレスマイクロサービスで構成される必要があるということだ。5Gコアをセントラルやエッジ、プライベートクラウドやパブリッククラウドなどどこにでもデプロイし、要求に応じて容易にスケーリングし、さらには簡素化された操作のために自動化できるというクラウドベースの性質があるからだ。
 これがコネクティッドカーに適用されると、分散コアは車両の交通パターンに適合するよう継続的に構成され続け、またセキュリティを向上させ、カスタマイズされたサービスレベルアグリーメントを可能にするためにスライスされる。

新・5Gコアとともに未来に近づく日本

 5Gコアの自動化は、日本が新しい機会を実現するための鍵となる。特に、日本は次の産業フェーズの主導権を握ると期待されている。人々、産業、社会に利益をもたらすだけでなく、通信サービスプロバイダーに新しい収益源をもたらす態勢が整っている。
 現在のレガシーコアネットワークは、独自のハードウェアおよびソフトウェア用に開発された従来のアプローチによって構成・維持されていたため、手動作業が必要だった。したがって、5Gネットワークのビジネスと複雑さをサポートできず、コネクティッドカーなどの日本の主要な新興事業が必要とするパフォーマンスと容量をサポートできずにいた。
 一方で、クラウドネイティブの5Gコアネットワークは、柔軟性、応答性、および適応性に優れており、これらすべてが、5Gにおける世界水準の高性能、超信頼性、および低遅延を実現するために必要となってくる。

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