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ECOC でMPO製品とCS CONNECTORに反響【扇港産業】

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 扇港産業は現在、MPO製品とCS CONNECTORに注力しており、これらの製品は国内外の展示会でも注目を集めている。扇港産業 東京本社営業部 光グループ 課長の西口雄貴氏は「CS CONNECTORは新規のお客様含めて引き合いが増えている状況だ。ECOCでも2社のトランシーバメーカーがQSFP-DDのライブデモを行っており、非常にインパクトがあった。そうした中、弊社ブースでもCS CONNECTORの反響は大きかった」としており、「ECOCでは全体的にMPOが注目されていた。以前のヨーロッパでは多芯はあまり使われないイメージが有ったが、データセンタ需要を中心に多芯が広がっているように感じる」と話している。
 今回は西口氏より、ECOCでの反響や、今後の展望を聞いた。

DCや海外FTTHで注目の高まる「CS CONNECTOR」

 「CS CONNECTOR」はLC二心コネクタの後継として開発されたBeyond 100G向けの次世代コネクタ。QSFP-DDとOSFPの2x100Gと2×200Gアプリケーションを想定しており、両MSAにて議論を進め、両仕様での採用が決定している。LC二心コネクタと比べて36%の小型化を実現している点が特徴だ。西口氏は「QSFP-DDは9月にほぼ最終版のスペックがリリースされており、次世代トランシーバ規格の中では先行してパブリックにしている」と話す。QSFP-DDはバックワードコンパチビリティの点で運営上のメリットがある。ハイパースケールデータセンタを構築している複数のベンダがQSFP-DDを採用する方針を公言しており、注目の高まっている規格だ。西口氏は「前述のライブデモは、CWDM4ベースの100×2の200Gのモジュールだった。量産化にはまだ時間が必要だと思うが、既にライブができるレベルまで作り込まれていたのは我々の想定よりも早く、エンドユーザからの需要を感じる」と話している。
 また、データセンタ以外でも「CS CONNECTOR」の引き合いがあったという。西口氏は「ヨーロッパのFTTHでPoint to Pointの中継局舎で使う光コネクタの小型化という点で、ご評価頂いた。光コネクタの実装に関して約40%の省スペース化を実現できるので、土地代の低減に直結するコストメリットは大きい。日本や北米のPON方式では適用できない使い方なので、ECOCでの大きな成果だった」と話している。

CS CONNECTOR

基板上における光コネクティビリティ

 同社は基板上における多芯光のコネクティビリティにも注力しており、西口氏は「基板上にミニマムなサイズで接続ができるコネクティビティの開発案件を複数頂いている」と話している。
 機器の高速化が進む中、産業機器などではプラガブルタイプトランシーバのような接続を採用しないケースがあり、光の融着接続が増えている。西口氏は「基板上におけるコネクティビリティのメリットは、融着と比べて作業工程が少なく、コストを低減できる点だ。はんだ付けもネジ固定も対応できる。ECOCでご紹介したところ、大変ご好評頂いた」と説明している。

高付加価値MPO製品の拡充

 「LOF-MPO」は、シングルモードファイバにコリメータを加工し、大きな平行光を用いる事で幅広い用途に対応できるMPOコネクタ。レンズコネクタは対塵性能や着脱の安定性に優れていることから、清掃が難しい機器の背面や、挿抜回数の多いシーンでの需要が高い。シングルモードのMPOでの実用化は同社が業界に先駆けて発表しており、今年の注目トピックとなっている。西口氏は「弊社ではこの製品をはじめ、MPOの次世代製品の開発に注力している。ECOCでも次世代製品の需要を感じた」と話している。

LOF-MPO

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