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つくばフォーラム2017Preview【横河計測(旧社名:横河メータ&インスツルメンツ)】

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 横河メータ&インスツルメンツは今年10月1日、横河計測へと社名を変更した。同社は100年余りにわたり培ってきた高精度計測技術の研究開発に注力しており、今回の社名変更はその一環となる。
 同社の注目製品であるOTDR「AQ7280」は、マルチタッチ対応の8.4型の大型LCDや、多心ファイバ測定と測定データを判りやすく心線番号テーブルとして管理する機能を備えている。無線LAN機能付のSDカードを使用することで、スマートフォンやタブレットの3G/LTE回線を利用したデータ転送も可能であり、測定者と診断者が離れていてもスムーズに作業を進めることができる。Android端末やiOS端末からOTDR波形やPDFレポートなどのファイル操作ができる機能も備わっている。モジュールを豊富にラインアップしている点も業界で高い評価を得ている。
 同社は一過性の通信障害を補足するシステムとして、この「AQ7280」 を使った簡易監視機能(スケジュール測定)と、瞬断監視を提案している。どちらの機能も低頻度で発生する再現性のない一過性の通信障害を補足するという目的は同じだが、補足したい通信障害の特性の違いから、それぞれ測定/検出手段が異なるという。

様々な一過性の通信障害の原因を特定

一過性の通信障害の原因を特定するOTDR機能

「AQ7280」筐体

 山中や河川沿いなど厳しい外部環境に敷設された光通信ネットワークでは、自然現象による一過性の通信障害が不規則に起こることがある。たとえば、クロージャに溜まった水は、冬の夜に気温の降下によって凍結し光ファイバの接続部を圧迫することで接続損失を増大させ通信障害を引き起こす。日が昇り気温が上昇すると、氷が溶け接続損失が元にもどり、同時に通信障害も自動的に復旧することがあるので、障害復旧後のOTDR測定では障害の原因調査ができないという課題がある。
 横河計測ではその対策として、「AQ7280」の簡易監視オプション(/MNT)のスケジュール機能を提案している。これは設定した周期で自動的にOTDR測定を行い、測定結果を自動保存する機能で、OTDR単体で簡易的な監視システムを実現できる。オフィスからのリモートコントロール操作により、OTDRに保存された測定データを手元のパソコンへ転送することも可能だ。

100msの瞬断を検出

 同社は「光ネットワークの一過性の通信障害には、凍結や落ち葉などが原因で損失変化がゆっくりと起こるケースだけでなく、自動車の走行振動や風によるファイバの揺れなどが原因の短時間で収束する瞬断と呼ばれるものもある」と指摘する。一般的な光線路監視システムや前述の「AQ7280」スケジュール機能などでは、長距離線路の波形取得を可能にするためOTDR は平均化測定を行う。そのため測定間隔は1分以上必要になり、1分以下で復旧してしまうような瞬断は取りこぼしてしまうという。
 その対策として同社が提案しているのが、光ファイバ瞬断監視ソフトウェア「AQ7940」だ。これは「AQ7280」のリアルタイム測定機能を利用したPC用ソフトウェアで、OTDR測定データの指定した区間のレベルを監視し、設定閾値を超える変動を検出する。同社は「AQ7940をインストールしたPCとAQ7280を、USBまたはEthernetでリモート接続することで、AQ7280では波形処理を行わずOTDR測定データをPCに転送し続ける。AQ7940ソフトウェアは、送られてきたデータが設定された監視範囲の閾値を超えていないかをリアルタイムで監視し続ける仕組みだ。PC側のみで波形処理を行うことでAQ7280の処理速度を上げ、100msの瞬断の検出を実現している」と説明している。100msの瞬断を検出できる性能であれば、コネクタの誤挿抜やファイバを誤って圧迫してしまうというような、施工時のヒューマンエラーによる瞬断にも対応できるだろう。

瞬断測定のイメージ

特集目次

小林所長インタビュー
展示会概要
展示会場の見どころ
「テーパーダイア鉄蓋」を開発【NTT】

出展社ピックアップ

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横河計測(旧社名:横河メータ&インスツルメンツ)