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東京都三鷹市に新たなデータセンタを建設

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 NTTデータは8月25日、東京都三鷹市に「三鷹第二データセンター(仮称)」の建設を開始したと発表した。今回建設する「三鷹第二データセンター」は、延床面積約38,000m2、最大約5,600ラックの収容が可能となる国内最大級の規模となる。また、免震構造や非常用発電機による72時間連続運転などBCPへの対応力を強化するとともに、電力高負荷対応や高いセキュリティレベルの採用、自然エネルギーの利用など、最新鋭の設備を有するデータセンタとなる。竣工は2018年2月の予定。

背景

 近年、クラウドコンピューティング市場の活況や企業における基幹システムのアウトソーシングニーズを受け、システムの「自社所有」から「外部サービス活用」への流れを背景に、データセンタ市場は堅調に拡大している。また、ビッグデータ分析やIoT化の進展により、ユーザのIT活用シーンは今後一層高まることが予想されており、重要かつ大量のデータを格納する堅牢で信頼性の高いデータセンタへのニーズが高まっている。
 さらに、昨今のデータセンタは、免震をはじめとした大規模自然災害に耐えうる建物としての設備に加え、電力高負荷対応や高いセキュリティレベルなどがユーザから求められている。
 NTTデータではこうした状況を受け、ユーザへ信頼性の高いトータルなITサービス提供を持続的に実施するため、「三鷹第二データセンター」の建設に着手することとなった。

「三鷹第二データセンター」の完成イメージ

「三鷹第二データセンター」の完成イメージ

概要

 「三鷹第二データセンター」は、地上4階建て、床面積約38,000m2、最大でサーバラックを5,600ラック収容する国内最大級の規模を誇るデータセンタ専用建物。
 今回のデータセンタの建設地である東京都三鷹市は、都心部からのアクセスの良さに加え、水害、地震等の災害リスクが極めて少ない地域に位置している。

特長

国内最大級の規模を誇り、BCP対応した強固なインフラを備えたデータセンタ

  • 最大5,600ラック収容、最大受電容量4万kVAの国内最大級のデータセンタ専用建物。
  • 大地震(震度6強~7)に耐えうる免震構造、非常用発電機による72時間連続運転によりディザスタリカバリ(災害時の復旧)・BCP(事業継続計画)への対応力を強化している。
  • 外部環境からの影響を受けにくい通信回線専用の地下トンネル(とう道)を利用し、地震をはじめとする災害から通信ケーブルを守る。

高度化する市場ニーズに応えるための最新鋭のデータセンタ

  • 日本データセンター協会(JDCC)が策定した、データセンタの品質を評価する規格によって定められているデータセンターファシリティスタンダードでは、J-Tier3以上となっており、J-Tier4へ拡張可能。
  • サーバ室と冷却室を2層構造とした冷却システムを採用し冷却効率を向上させるとともに床耐荷重1.5t/m2にすることによりサーバの高集積(1ラック当り最大20kVA)を実現する。
  • 24時間365日の警備員による有人監視、ICカードおよび生体認証による入退室管理を行う。また、ゾーン単位でセキュリティレベルを強化できるため、ユーザのセキュリティ要件にも柔軟に対応できる。(FISCに準拠、ISO27001認証予定)
  • 自然エネルギー(春・秋・冬季の外気)を活用した外気冷却方式を採用し、サーバ類を冷却するための空調設備の稼働時間を短縮するとともに、壁吹き出し空調方式を採用し、全国でもトップクラスの電力使用効率(Power Usage Effectiveness:PUE)1.3以下(年間平均)を実現する。
  • サーバ室以外の共用廊下等においても自然換気、サーバ排熱利用、昼光利用によりゼロエネルギー化を目指す。

将来の技術革新にも対応し、長期にわたり最新のファシリティを提供し続けるデータセンタ

  • 今後発生が見込まれる、サーバ等IT機器類および空調や電力設備などファシリティ系の技術革新への対応に向け、高い受電容量を準備するとともに将来の設備更改・拡張を見込んだ設計を採用している。これにより大規模な改修を必要とせずに、常に最新のデータセンタファシリティを提供可能となる。また、運用中のサーバに大きな影響なく設備更改・拡張を実現できるため、ユーザは長期にわたり「三鷹第二データセンター」を利用することができる。
  • NTTデータは、公共系、金融系、法人系のミッションクリティカルなシステムの構築運用実績を多数有しており、これに伴うデータセンタファシリティの構築・運用実績も豊富だ。これらのノウハウは「三鷹第二データセンター」の設計に生かされている。