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東陽テクニカがカナダiBwave Solutions社と総代理店契約を締結。無線LAN環境構築支援ツール「iBwave Wi-Fi」「iBwave Wi-Fi Mobile」を販売開始

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 東陽テクニカは8月24日、屋内に基地局やアンテナを設置する分散アンテナシステム設計構築支援のマーケットリーダーである、カナダiBwave Solutions, Inc.(本社:カナダ モントリオール、以下 iBwave社)と国内総代理店契約を締結したと発表した。
 今回は、日本において需要が拡大している無線LAN環境の効率的なデザイン手法を提供する、無線LAN環境構築支援ツール「iBwave Wi-Fi」および「iBwave Wi-Fi Mobile」を2016年9月1日より販売する。販売開始に伴い、3つのキャンペーン「新製品販売開始特別キャンペーン」「お手持ちのサーベイツールからの乗り換えキャンペーン」「新製品販売開始無償キャンペーン・セミナー」の実施を予定しているという。
 
 2016年に全世界で30億ユニットのWi-Fi製品が出荷され、累計の出荷実績は150億を突破するとWi-Fi Alliance® は見込んでおり、Wi-Fi業界の成長は今後も続くとみられている。
 国内の状況として、2020年の東京五輪に向けた「おもてなし」環境としてWi-Fiの環境整備が急務となっており、官民挙げての取り組みが始まっている。五輪での実績として、2012年のロンドン五輪ではWi-Fiスポットはロンドン全域で約50万箇所整備され、さらに今年のリオ五輪では、ロンドン五輪の約5.5倍のWi-Fiスポット整備が予測されており、東京五輪でも相当数のWi-Fiスポットが整備されると見込まれている。
 また、東日本大震災では、無線LAN機能を搭載したスマートフォンやタブレット端末の普及に伴い、被災地の復旧支援活動や避難所などにおいて無線LANが有効な通信手段として機能したことが高く評価された。
 しかし、このように需要が拡大し重要性が増す一方のWi-Fiが利用できる無線周波数には限りがあるため、効率的な利用には適切な周波数の割り当てと無線LANアクセスポイントの整理が必須だ。また、学校や病院などの公共施設や、スタジアムやコンベンションセンター、オフィスビルなど大勢人が集まる大規模施設では膨大な数のアクセスポイントが必要となり、これら一つ一つを適切に設置する必要がある。従来は、アクセスポイントの仮設置を行った後、サーベイツールを用いて電波の強さを測定、最適な状態になるまで繰り返し調整を行う方法が主流で、設置するアクセスポイントが多くなるとトライアンドエラーに要する工数が膨大になり、適切に無線LANを構築することが困難になる。
 今回販売する、「iBwave Wi-Fi」および「iBwave Wi-Fi Mobile」は、公共施設や大規模施設、公共交通機関などにおける無線LAN環境を効率よく構築するための支援ツールだ。ツール上に施設の精密な3次元あるいは2次元モデルを作成し、壁・窓・床など実際の材質に基づいた電波の減衰率と設置するアクセスポイントの出力やアンテナの特徴を考慮して、アクセスポイントの最適な設置場所ならびに電波の強さ・広がりを正確に予測する。これにより現地でのトライアンドエラーを最小限に抑え、工数・人件費削減に貢献する。加えて、ケーブルやイーサネットスイッチなどの有線ネットワーク機器も考慮した設計を行うことができ、システム全体の設計を支援、最適な調達を行い想定外の出費を防ぐ。また、電波強度の実測も可能で、設計モデル上に記録することができる。さらに、作成されたデータを閲覧する無償のビューワーと、データの受け渡し・管理が容易に行えるクラウドサービス「iBwave Cloud」により、関係者すべてが必要な情報を簡単・効率的に共有することができる。

PC版 無線LAN環境構築支援ツール

PC版 無線LAN環境構築支援ツール

モバイル版 無線LAN環境構築支援ツール

モバイル版 無線LAN環境構築支援ツール

主な特長

無線LAN環境構築支援ツール「iBwave Wi-Fi」(PC版)

 標準価格は[永続ライセンス] ¥868,000(税別)。販売目標は年間100ライセンス。

  • 壁などの材質や高さを考慮に入れた3次元の精密な施設のモデリング
  • 最適なアクセスポイント設置場所の自動判断と、予測される電波強度分布の表示
  • アクセスポイントに加え、ケーブルやルーターなどのネットワーク機器も考慮したネットワーク全体のデザイン
  • アクティブサーベイおよびパッシブサーベイによる電波強度などの測定

無線LAN環境構築支援ツール「iBwave Wi-Fi Mobile」(Mobile版)

 標準価格は[1年間使用ライセンス] ¥271,000(税別)。販売目標は年間100ライセンス。

  • 施設およびフロアのプランを2次元で作成
  • 最適なアクセスポイント設置場所の自動判断と、予測される電波強度分布の表示
  • 画像・映像・音声によるメモをフロアプランの図面上に保存可能
  • アクティブサーベイおよびパッシブサーベイによる電波強度などの測定

iBwave社について

 iBwave社は、屋内におけるモバイル通信の品質を向上させるために、ビルなどの施設内に基地局やアンテナを設置する、いわゆる分散アンテナシステム (Distributed Antenna Systems)の設計構築支援ツールを提案している。病院などの公共施設、スタジアム、ショッピングモール、コンベンションセンター、ホテル、オフィスビルといった大規模施設内のDAS設計構築に、iBwave社の製品は世界中で幅広く用いられている。無線LANマーケットでの同様のニーズを満たすため、2015年より無線LAN構築支援ツールの取り扱いも始めた。
 ロンドンオリンピックやリオデジャネイロオリンピック、さらにはパリの地下鉄の駅などのアクセスポイントの設置にiBwave社のソリューションが用いられている。