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スマートファクトリーにおける伝送インフラ(1)

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 製造業の現場では、業務効率化のためのIoT/CPS導入が検討されており、その配線は100Mbps~1Gbpsのメタル中心であるが、長距離伝送、耐ノイズ性の特長をもつ光伝送のニーズも増えている。また、マシンビジョンにおけるCMOSセンサの実用化が進んでいることから、高速インターフェースとしても光伝送が必要とされている。

 ドイツ連邦政府が推進する「インダストリー4.0」や米国の大手企業が推進する「インダストリアルインターネットコンソーシアム(IIC)」など、世界的にスマートファクトリー化が加速している中、2016年は日本のコンソーシアムが彼らとの提携を強固にした年でもあった。また直近のニュースでは、12月7日に日清食品が575億円を投じたスマートファクトリーを国内で建設すると発表し、50%以上の省人化を実現するとしている。

 今回の特集では、製造業におけるネットワークの現状と、各ベンダが推す光伝送製品について纏めた。

スマートファクトリー市場の背景

 ドイツの「インダストリー4.0」によりスマートファクトリーが注目され、KUKAによるロボットを通じた工場自動化や、トルンプによるレーザ加工機のネットワーク化など、ドイツ企業より提示されるスマートファクトリー関連技術は、労働人口の減少や、安価な人件費を有する国との競争に苦戦する先進工業国の光明となった。
 このKUKAを中国の美的集団(MIDEA)が買収したのが2016年。製造立国として品質面の向上を見せる中国だが、人件費が高騰していることもあり「世界の工場」は東南アジアや南米に移行している。例えば光通信の部材を見ても、北米のデータセンタ向け製品の製造は中国から南米に移行していることから、身近な出来事として実感できる。そうした中で中国企業がスマートファクトリー化を優先順位の高い投資対象に位置づけ、行動に移したことは、製造現場におけるIoT導入の加速を周囲に意識させた。

IoTの推進団体

 スマートファクトリーでは、IoTや人工知能(AI)・ロボットで工場を管理する。これはフロア・工場全体の生産体制のみならず、世界に点在する工場を繋いでの管理も含まれている。IoTの規格・標準として提案されているモデルが世界で乱立している状況を改善すべく、ISOやIECは国際標準化を議論する委員会を2015年に立ち上げている。各国は世界的なIoT通信規格のデファクトスタンダードをつくることにより、自国主導の規格に基づいたプラットフォームを輸出、あるいは地産地消するビジネスで国際競争力を上げることができる。各国が議論の主導権を狙う中、日本はどのように動いているのか。
 「 Industrial Value Chain Initiative(IVI)」や「ロボット革命イニシアティブ協議会(RRI)」といった新たなコンソーシアムが2015年に日本で発足している。そして2016年3月には日独首脳がIoT分野における両国の連携協力に関して基本合意している。また、日本電気工業会(JEMA)は2016年5月にIoTによる製造業の変革に関する提言書「製造業2030」を発表している。

JEMAの「製造業2030」に掲載されているスマートマニュファクチャリングに関連する団体(※同委員会と関連のある団体を中心に記載)の相関図。11団体の中で、JEMAとRRIが海外の団体と関係している。

JEMAの「製造業2030」に掲載されているスマートマニュファクチャリングに関連する団体(※同委員会と関連のある団体を中心に記載)の相関図。11団体の中で、JEMAとRRIが海外の団体と関係している。

 しかしながら、2015年4月にドイツのIoT推進団体「Plattform Industrie 4.0」が、アメリカのIoT推進団体「Industrial Internet Consortium」と既に相互協力の推進で合意していることからも、日本がIoT分野の国際標準化や技術開発で2国よりも出遅れてしまったことは否めない。また、中国では2015年に製造業の更なる高度化を目指す「中国製造2025」計画を発表しており、前述のKUKA買収のようにアグレッシブに動いている。
 直近の話題としては、日本発のオープンモーションネットワークMECHATROLINKをグローバルに普及させる為に設立された「MECHATROLINK協会(MMA)」が2016年12月20日、中国国家標準(Guojia Biaozhun規格通称:GB規格)の推奨国家標準(GB/T18473-2016)に採択され、2016年11月1日より施行が開始されたと発表している。

特集目次

スマートファクトリー市場の背景
Industry4.0に対するフィールドネットワーク
スマートファクトリーに役立つ伝送製品【アバールデータ】
スマートファクトリーに役立つ伝送製品【七星科学開発センター】
スマートファクトリーに役立つ伝送製品【スタック】