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ソフトバンク、ネットワーク運用の最適化を図る次世代モバイルIPコアネットワークプラットフォームでシスコと連携

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新サービス提供にも迅速かつ柔軟に対応可能なプラットフォームを構築

Cisco Network Convergence System 5500 シリーズ

 シスコシステムズ(以下、シスコ)は8月1日、ソフトバンクの次世代モバイルIPコアネットワークのプラットフォームとして、高密度な100GEルーティングを実現したCisco NCS 5500 (Network Convergence System 5500)シリーズ、ネットワーク運用の最適化を図るセグメント ルーティング技術が採用されたことを発表した。
 世界のモバイルデータ トラフィックの動向について調査したCisco Mobile VNIの予測では、2016年から2021年までの5年間で、世界のモバイルデータ トラフィックは1.4ゼタバイトに達し、7倍に拡大すると予測している。その背景には、モバイルユーザ、スマートフォン、IoTの急増、ネットワーク速度の向上やモバイル ビデオ消費の拡大といった状況が見受けられる。さらに、2020年を目途に5Gインフラの大規模な導入が始まると予測している。
 ソフトバンクを始めモバイル事業者は5Gネットワークによって実現する画期的な通信速度と低遅延性や高信頼性、多様な接続性により、拡大する加入者の要求に応えるだけでなく、モバイル、家庭、法人向け市場を通じて新たなサービスを提供することが求められている。

将来的なモバイルトラフィック増加への対応

 ソフトバンクは、年間50%増と予測されるモバイルトラフィックの容量需要に対し、モバイル経由のインターネット トラフィックを収容する既存設備の刷新、増強を検討していた。
 今回、既存網で使用していたコアルータを100 GE 576ポートの収容が可能となるCisco NCS 5500シリーズに刷新し、これにより同社のIoTやモバイルビデオといった新サービス展開に必要とされる、今後の帯域需要を支える次世代モバイルIPコアネットワークの構築が可能となる。

多様化するネットワーク運用の負担軽減を実現

 市場から求められるサービスの多様化に伴い、ネットワーク構成とトラフィックのパターンも複雑化を遂げている。収束時間の長期化、またネットワークのシンプル化や運用の効率化も今回のネットワーク施策の一つに挙げられていた。
 今回ソフトバンクは日本国内で初となる、シスコが提唱するセグメントルーティング技術の導入を決定し、ネットワーク運用のシンプル化を可能とする同技術により、モバイルIPコアネットワークの最適化を実現する。

市場へのさらなる信頼性、冗長性の高いサービスの提供に向けて

 市場競争性を維持する上で、サービスの継続性は不可欠といえます。万が一起こり得る障害時に向けて、いかに障害復旧時間を短縮し、サービスの高信頼性を担保する機能増強も、今回の大容量に対応する次世代モバイルIPコアネットワークのプラットフォームに求められていた。
 この要件に向けてソフトバンクは、セグメントルーティング技術とTI-LFAを採用し、障害復旧時間の短縮を図りながら、さらなる信頼性と冗長性の向上を行う。これによって同社は消費者・法人ユーザに、より高信頼性のモバイルネットワークと、より優れたカスタマー体験を提供することが可能となる。
 ソフトバンクは、今後のトラフィック需要に低運用コストで対応するコアネットワークを構築することで、迅速、柔軟な高信頼性のサービス展開を可能にし、市場競争力の強化を図るという。

コメント

 ソフトバンク 常務執行役員の牧園啓市氏は「ソフトバンクは、常にサービス品質向上への取り組みを図ると同時に、コストを削減しながらネットワークの信頼性と機敏性を高めることに注力している。シスコの先進的なネットワーク技術とサポートによって、今後の帯域需要に応える次世代モバイルIPコアネットワークのプラットフォームを構築することができた。今後も引き続きシスコより、日本市場を牽引するサービス提供に向けた支援と協業を期待している」とコメントを出している。
 シスコ サービスプロバイダー事業担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのイベット・カヌーフ(Yvette Kanouff)氏は「Cisco NCS 5516、セグメント ルーティング技術といったシスコの画期的なクラウドスケール・ネットワーク技術により、ソフトバンクは今後のモバイルトラフィック増加に必要とされる帯域容量を有した、高信頼性の次世代モバイルIPコアネットワークを、最適化された低コスト運用下で構築し、5G・IoT時代の新たな業界水準となるモバイル体験とサービスを市場に提供することができる」とコメントを出している。

セグメントルーティング技術とは

 ネットワークの複雑化と、ネットワークを流れるトラフィック パターンが多様化する環境下で、サービスプロバイダーが収益性を高めるには、顧客に高付加価値なネットワーク サービスを提供し、きめ細かなトラフィック制御が求められている。このような課題に対しシスコが提唱しているが、運用コストを増加せずに多様なサービスの提供を可能とする技術であるセグメント ルーティングだ。この技術はネットワークをセグメントで表現し、パケット ヘッダにセグメント情報を付加することで、LDP や RSVP を使用せず、IGP で直接セグメント ID の配布を可能とさせる。ラベル配布プロトコルも不要となるため、ネットワーク運用のシンプル化・最適化を実現する。