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海で広帯域通信機能を実証【ジョンホプキンス大学】

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 メリーランド州ローレル、ジョンホプキンス大学応用物理学研究所(APL)のエンジニアチームは、二隻の動く船の間で広帯域自由空間光(FSO)通信システムの実証に成功した。これにより海洋環境でFSO技術の運用有用性が証明された。

 同技術を開発したチームの技術主任、Juan Juarezによると、移動中、海の船上、しかも岸に近い困難な環境で10Gbpsまでの大容量光通信能力の実施に成功したのはAPLが初めてである。

 「われわれは、海軍の船で全ての現行RF通信能力よりも数桁高帯域を、また以前の海洋アプリケーションよりも長距離で実証した」とJuarezは話している。「これは2000ユーザが同時にHDビデオを光リンクで見ることに匹敵する」。

 研究所は、2017年にTrident Warrior Exerciseで最新のコンパクトなフォームファクタシステムを実証した。これは毎年の行事であり、水兵が最新の海軍戦システムのイノベーションを試用し、そうしたシステムのフィードバックを海軍中佐や開発者に上げることになっている。

 海軍の船は一般にはRFシステムを使って通信することになっているが、海軍は、技術的、運用的あるいは環境的理由で無線伝送が利用できない場合の代替通信手段も探している。「海軍のプラットフォームは、戦術的な利点と状況認識を維持しながら、RFの減少あるいは放射コントロール状況で効果的に運用する必要性がますます強くなってきている」Juarezは指摘している。

 FSO通信システムは、ワイヤレス伝送を利用して、光データ信号を高ビットレート送信する。従来のRFスペクトル以外で安全な高データレートを提供することで、RFやマイクロ波通信に対して魅力的な補助的通信機能になる。

 Juarezによると、商用FSOシステムは存在するが、一般には防衛ニーズを満たしていないという。「特にシステムモビリティ、リンク範囲、データレートだ。とは言え、チラツキの多い地上環境、特に水に近い環境では動作するが、陸上防衛アプリケーション向けに造られたFSO実証システムは、大きすぎ、モビリティがかけており、データレート、伝送距離が海軍プラットフォーでは実用的ではない」

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