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COSMOS、Intel、Airspanが、エンド・ツー・エンドの5G/NextG展開シナリオでOCUDUのテストと評価を実施

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 ラトガース大学/WINLABがコロンビア大学およびニューヨーク大学と共同で主導する、米国国立科学財団PAWR(先進無線研究プラットフォーム)のクラウド強化型オープンソフトウェア定義モバイル無線テストベッドCOSMOS(Cloud Enhanced Open Software Defined Mobile Wireless Testbed)は8月20日(米テキサス州プラノ)、IntelおよびAirspan Networksとの協業を開始し、エンド・ツー・エンドのオープンソース5G展開環境においてOCUDU(オープンソースCU/DU)ソフトウェアスタックの統合、テスト、評価を実施し、NextGへの道を切り拓くと発表した。

 この取り組みは、Linux FoundationがホストするOCUDUエコシステム財団が開発する、商用展開、研究、イノベーション向けのオープンソース5G以降のソフトウェアスタックであるOCUDUと、Aether SD-Coreオープンソース5Gコア、および商用O-RAN無線ユニット(O-RU)を組み合わせたものとなる。この連携において、COSMOSは都市規模のテストベッド、統合サイト、および実験支援を提供する。Aether/SD-Coreの主要貢献企業であるIntelは、パートナー企業と協力して、OCUDUとAether/SD-Core、およびAirspan O-RUとのテスト統合を行う。Airspanは、n78バンドのTDDユニットとn1バンドのFDDユニットを含む、自社のO-RAN無線ユニットの統合を支援する。さらに、AirspanはORAN DASとオープンソースRANベースのネットワーク管理プラットフォームも提供・サポートし、包括的なテストおよび評価アプローチを実現する。

 この取り組みは、OCUDUエコシステム財団が産業界と学術界にまたがる組織間で調整する、OCUDUを様々なユースケースとネットワーク運用条件下でテストおよび評価するための大規模イニシアチブの一環となる。

 プロジェクトの初期段階では、Aether/SD-CoreとOCUDUの統合、そしてAirspan O-RUを統合スタックに組み込むことに重点を置く。チームは、エンド・ツー・エンドのシステム安定性を検証する。これには、UEのアタッチとデータフローの一貫性、マルチUE運用、障害検出と報告、48~72時間の連続運用、スループット、レイテンシ、パケット損失のベースラインKPI、そしてCOSMOS/WINLABのPOETテストベッド(NTIAのNOFO1助成金による資金援助を受けて構築)を用いたエネルギー測定が含まれる。後の段階では、SMO/RICの統合、テレメトリと管理、セキュアなコンピューティング プラットフォーム、スケーラビリティとセキュリティの評価、模範的なxApps/rApps、そしてゼロタッチ運用が追加される。この統合ソリューションは、3GPP規格に準拠し、6G/NextGへと進化する5G+プラットフォームとして位置づけられる。

OCUDUについて
 OCUDUエコシステム財団は、Linux Foundationが主催する共同プログラムであり、オープンで安全かつ相互運用可能なオープンソースRAN実装の加速化に取り組んでいる。財団は、リファレンスアーキテクチャ、適合性ツール、導入プレイブック、コミュニティCIおよび相互運用性ラボなどを通じて業界を支援し、イノベーションを実運用可能な展開へと導く。ベンダーニュートラルなコラボレーションモデルを通じて、OCUDUは業界、研究機関、公共部門の参加者を結集し、オープンなCU/DUソフトウェアおよび関連資産の構築と検証を行い、5Gおよび初期6Gネットワークイノベーションにおいて、より移植性、再現性、コスト効率に優れたアプローチを実現する。

COSMOS、Intel、Airspanの選定理由
 COSMOSは、屋内・屋外を問わず高度な無線実験を行うためのプラットフォームであり、FCCイノベーションゾーンとO-RANオープンテスト・統合センター(OTIC)を擁し、約4,000名の登録実験者コミュニティを擁している。そのため、COSMOSは、一般的な実験室環境では再現できない条件下でOCUDUを検証するのに最適な環境と言える。

 Intelは、シリコンとプラットフォーム、オープンネットワークソフトウェアに関する深い専門知識を有し、Aether/SD-Coreの主要貢献企業だ。SD-Core 5G+モバイルコアは、既に複数の通信事業者でフィールドトライアルを実施しており、インドのIOS-MCNイニシアチブのベースラインコアとして、また複数の商用プライベート5G展開プロジェクトにも採用されている。

 Airspan Networksは、O-RAN無線ユニットの製品群と、OCUDUベースのスタックへの統合に関する実践的なサポートを提供する。より広範な連携において、Airspanは、SD-CoreおよびOCUDUと事前統合された、セキュアで堅牢なエッジコンピューティング プラットフォームとSMO/管理ソリューションを提供することで、防衛、プライベート5G、および国際的なエコシステムにおける機会に対応する、ワンクリックで展開可能なエンド・ツー・エンドのプライベート5Gソリューションを実現する立場にある。

 この取り組みの成果は、今後数週間でチームが計画を進めるにつれて、詳細とともに公開される予定だ。

編集部備考

「オープンRAN」は相互接続の実証から、実用化を見据えた段階へ

 今回の発表で注目したいのは、OCUDUというオープンソースのCU/DUソフトウェアを単体で評価するのではなく、Intelのコンピューティング基盤やAirspanの無線アクセス機器などと組み合わせ、エンド・ツー・エンドの5G/NextG環境で検証しようとしている点だ。COSMOSは、研究者や企業が実際の無線環境に近い形で新しいネットワーク技術を試験できる大規模な実験基盤であり、今回の取り組みは、オープンなネットワーク部品を組み合わせたシステムを実環境に近い条件で評価する場として位置付けられる。

 これまでオープンRANを巡る議論では、異なるベンダの装置を接続できる「相互運用性」が大きなテーマとなってきた。従来、一体型の製品として提供されることが多かったRANを、RU、DU、CU、サーバ、ソフトウェアなどに分解し、それぞれを異なるプレイヤーから調達できることがオープンRANの大きな特徴だからだ。しかし、実際の通信ネットワークでは、単にインターフェイスが規格上接続できるだけでは十分ではない。性能、安定性、運用性、ハードウェア アクセラレーションとの連携などを含め、複数の構成要素を一つのシステムとして成立させる必要がある。
 その意味で、今回の取り組みは「接続できるか」から「組み合わせたネットワークをどこまで実用的に動かせるか」へ、オープンRANの検証段階が進みつつあることを示すものといえる。さらにOCUDUは、5G/6G向けのオープンソース基盤として、実験室での利用にとどまらず本番ネットワークへの展開をめざしている。

 もちろん、今回の実証だけで商用ネットワークへの導入が現実になったと見るのは早い。しかし、オープンなソフトウェアと汎用コンピューティング基盤、通信機器を組み合わせて実際のネットワークを構築・検証する取り組みが積み重なることで、オープンRANは「既存RANを分解するための概念」から、複数の技術を組み合わせて新しいRANを構築するための実用的な選択肢へと、少しずつ位置付けを変えていくのではないだろうか。

通信インフラは「完成品」から「エコシステム」へ

 今回の取り組みをさらに大きな視点から見ると、注目すべきなのは、通信インフラを構成するプレイヤーの役割そのものが変わり始めていることだ。今回、ネットワークの実験基盤を提供するCOSMOS、コンピューティングやアクセラレーション技術を持つIntel、無線アクセス機器を手掛けるAirspan、そしてオープンソースのCU/DUであるOCUDUが、それぞれ異なる専門性を持ち寄っている。しかもOCUDUにはIntelを含む複数の企業・組織が参加し、オープンソースを軸としたエコシステムの形成が進んでいる。

 これは、通信インフラの作り方が変わる可能性を示している。従来のモバイルネットワークでは、通信事業者が限られた大手ベンダからネットワーク設備を調達し、そのベンダがハードウェアからソフトウェアまで広範囲を統合して提供する構造が中心だった。それに対してオープンRANでは、無線機、CU/DU、汎用サーバ、アクセラレーター、クラウド基盤、運用ソフトウェアなどを、それぞれ異なる企業が担い、それらを組み合わせて一つのネットワークを構築することが可能になる。
 もちろん、この構造は単純に「一社による垂直統合がなくなる」という話ではない。むしろ重要なのは、統合を担うプレイヤーと、特定領域に高度な専門性を持つプレイヤーが、それぞれ異なる役割を担いながら共存できるようになることだろう。通信事業者にとっても、すべてを自社で開発する必要はなく、用途や地域、求める性能に応じて最適な技術を組み合わせる余地が広がる。

 そして、この変化は5Gから6Gへ進むほど重要になる可能性がある。AI-native RAN、エッジコンピューティング、クラウドネイティブ化など、今後のネットワークは通信だけで完結せず、コンピューティングやAI、ソフトウェアとの境界がさらに曖昧になっていくからだ。OCUDU自身も、従来のCU/DU機能を超えてAI-native RANに関わる機能へ領域を広げようとしている。
 そう考えると、今回の取り組みが示しているのは、「オープンRANの一実証」では留まらない。通信インフラそのものが、特定企業の完成品を導入するものから、複数の企業や研究機関がそれぞれの専門性を持ち寄り、組み合わせながら進化させるエコシステムへ変わっていく可能性を示唆している。5G/6G時代の競争は、個々のネットワーク機器の性能だけでなく、こうしたエコシステムをどれだけ広げ、そこから新しいネットワーク機能やサービスを生み出せるかへも、軸足を移していくのではないだろうか。

オープンソースRANの「イノベーション速度」

 オープンRANを巡る議論では、従来から「ベンダーロックインの回避」や「通信設備のコスト低減」が大きなメリットとして語られてきた。しかし、今回のOCUDUを巡る取り組みから見えてくるのは、オープンソースの価値が必ずしもコストだけにあるわけではないということだ。むしろ重要なのは、ネットワーク技術そのものを、より速く試し、組み替え、新しい機能へ発展させられる環境をつくることにあるのではないだろうか。

 従来の通信ネットワークでは、新しい機能を試すためにも、特定ベンダの装置や専用ハードウェアを用意し、既存ネットワークとの接続性を確認するなど、多くの準備が必要だった。これに対して、オープンソースのCU/DUを活用できれば、研究者や企業は既存のソフトウェア資産をベースに、自らコードを変更したり、新しいアルゴリズムを組み込んだりしながらネットワーク機能を検証できる。今回、COSMOSという実験環境上でOCUDUを利用し、Intelのコンピューティング基盤やAirspanの無線機器と組み合わせてエンド・ツー・エンドで評価することも、こうした開発サイクルを実際のネットワーク環境に近づける取り組みと見ることができる。

 ここで重要なのは、オープンソースによって「安く基地局を作れる」ということだけではない。通信ネットワークを、ソフトウェア開発に近い感覚で継続的に改良できるようになることこそ、大きな意味を持つ。新しい技術を一度導入して終わるのではなく、実験、評価、修正、再実装というサイクルを短期間で回せれば、ネットワークそのものの進化速度を高められるからだ。
 この意味では、オープンソースのRANは「装置のオープン化」だけではなく、通信インフラのイノベーションモデルを変える可能性を持っている。特に6Gに向けては、AI-native RAN、エッジコンピューティング、クラウドネイティブ技術など、通信以外の技術との融合がさらに進むとみられる。その際、特定ベンダが完成品として提供するネットワークだけでなく、様々な企業や研究機関がソフトウェアを起点に新しい機能を試せる環境が存在することは大きな意味を持つ。
 もちろん、オープンソース化すれば自動的に開発コストや導入コストが下がるわけではなく、複数の構成要素を統合するための検証や運用負荷が増える可能性もある。それでも、コスト削減だけでは測れない「技術を試して実用化するまでの時間」を短縮できることは、AIによって技術進化のスピードそのものが加速する時代において、極めて重要な価値になるだろう。

 今回のOCUDUの取り組みは、オープンRANが「安価なRANを実現するための仕組み」から、通信ネットワークそのものをより速く進化させるための開発基盤へと役割を広げていく可能性を示す一例といえる。

(OPTCOM編集部)