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光アクティブデバイスの評価時間を従来機の1/2以下に短縮した光スペクトラムアナライザ MS9740Bを販売開始【アンリツ】

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次世代5Gモバイルやクラウドサービスで使われる、光アクティブデバイスの生産性向上に貢献

MS9740B

 アンリツは4月11日、光通信システムで用いられる光アクティブデバイスの出力特性を評価できる光スペクトラムアナライザの新製品MS9740Bを開発し、販売を開始した。
 この光スペクトラムアナライザ MS9740Bは、従来機MS9740Aの機能・性能(測定感度)・筐体サイズを継承し、更なる生産効率向上を図るために、ユーザの使用頻度が高い受光帯域幅における測定処理時間を1/2以下に短縮した。
 この機能改善により、一度に大量製造される各種光アクティブデバイスの検査時間を大幅に短縮できるため、製造現場の測定効率改善、生産性の向上に繋がる。
 対象市場は光デバイス、光モジュールメーカー。用途は光アクティブデバイス/光パッシブデバイスの製造、研究・開発。

開発の背景

 次世代5Gモバイル通信やクラウド通信サービスの普及により、データ通信トラフィックのさらなる増大が予想されている。これにともない、ネットワークの大容量化が急速に進んでおり、使用される光モジュールも10G、100G、400Gとビットレートが高速化するとともに、使用される数も増えている。そのため、生産の拡大は急務であり、測定時間の短縮が課題となっていた。
 アンリツは従来から光モジュール用測定器として光スペクトラムアナライザ MS9740Aを提供しており、今回、受光帯域幅における測定処理時間の短縮を実現し、MS9740Aの1/2以下で評価できるMS9740Bを開発した。

製品概要

 光スペクトラムアナライザ MS9740Bは、広ダイナミックレンジ、高分解能、高速掃引を実現したベンチトップ型光スペクトラムアナライザ。波長範囲、600nm~1750nm、マルチモードファイバ入力に対応し、850nm帯のVCSELの製造・評価に最適だ。
 MS9740Bは、従来機MS9740Aの機能・性能を継承しつつ、高速化による測定感度の悪化という問題を克服し測定処理時間1/2以下を達成した。
 また、光デバイス評価に必要な光アクティブデバイス(LD-Module、DFB-LD、FP-LD、LED、WDM、Optical Amplifier(NF and Gain))の測定メニューを維持しているため、製造工程での評価基準となる光の中心波長やレベル、OSNR、スペクトラム幅などを一括測定し、その解析結果を一画面で表示できる。

 主な特長は次の通り。

光アクティブデバイスの生産ラインでユーザが最も使用する受光帯域幅において、広ダイナミックレンジと高速測定を同時に実現
・45dB以上のSMSR測定
・測定処理時間*最速0.35秒(30nmの波長掃引)

さまざまな製造環境に適応した従来機の基本機能・性能を継承
・あらゆる光アクティブデバイス評価に対応した広い波長帯域(600nm~1750nm)
・LDモジュール、WDM測定など、9つのアプリケーションメニュー
*Fastモード掃引時。波長掃引、解析、リモートサーバへのデータ転送までの一連の時間