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アイビーシーとAPRESIA Systems、製品連携によりバーストトラフィックを詳細に把握可能

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テレメトリーで収集したデータを容易にグラフ化

 APRESIA Systemsとアイビーシー (以下、IBC)は6月5日、IBCが開発・販売するシステム情報管理ソフトウェア「System Answer G3」とAPRESIA Systemsが開発した高度パケット監視制御機能である「バーストレコーダー」の連携を開始したと発表した。
 ネットワークやサーバなどのICTインフラを管理する担当者は、ネットワーク上で短期間に大量の通信が発生するバーストトラフィックの把握や分析に課題を抱えていることが往々にしてある。従来の監視手法であるSNMPでは取得データの粒度が粗いため詳細が把握できない、Syslogを確認しようにもログが膨大で工数が大幅に掛かる、さまざまな監視項目と突き合わせて分析するため高度なスキルが求められるなど、バーストトラフィックの原因究明は一筋縄ではいかない。一方、トラフィック解析専門ツールでは収集データが大量となるため、分析を行うには多大な工数とノウハウが必要となる。
 そこで、ICTシステムの性能監視に長年取り組んできた専門ベンダであるIBCと、ネットワーク機器メーカーのAPRESIA Systemsが手を組むことになった。IBCの「System Answer G3」が他の機器からの情報を受け取って監視対象とすることができるPush監視機能を開発したことに伴い、APRESIA Systemsも「バーストレコーダー」のヒストグラム(度数分布図)情報を「System Answer G3」が受け取れる形式に変換してAPI連携するスクリプトを開発した。
 その結果、SNMP経由で性能情報を収集していた「System Answer G3」に、バーストトラフィックに関する詳細情報をテレメトリー(遠隔情報収集)形式で取り込むことができるようになった。これにより、「System Answer G3」で総合的に一元管理ができるため、イーサネットスイッチの「Apresia」に別途ログインして「バーストレコーダー」の情報を参照する必要が無い。1製品でまとめて管理や分析が行えることは、管理者の方の負荷を大きく軽減する。
 「バーストレコーダー」は計測したトラフィックヒストグラム情報(測定周期ごとに中継したトラフィック量のカウント情報)を数値情報として保有しており、グラフ表示する機能は持ち合わせていない。しかし、「System Answer G3」と連携することでグラフ化が可能となり、バーストの発生傾向を時系列で視覚的に把握することができる。
 また、従来では統計情報を出力するために「バーストレコーダー」を停止する必要があり、その間のデータを収集できなかったが、任意の周期で統計情報を出力する機能を実装したことで、継続的に収集データを連携することが可能となり、統計情報の取得漏れを回避できるようになった。
 「バーストレコーダー」は125マイクロから10ミリ秒という詳細な単位時間でトラフィックを分析し、128個の帯域幅(bps)のヒストグラム情報にカウント情報を保持する。バーストトラフィック発生時の原因調査には詳細な情報は有効だが、平常時に管理を行うには情報量が多くなり現状を把握しにくいこともある。そこで、管理者の方が通常の運用で管理しやすいよう、任意に指定したグラフ数に分割および合算したうえで「System Answer G3」に取り込む機能を実装した。
 なお、APRESIA Systemsの高度パケット監視制御機能には「バーストレコーダー」以外にも、マッチングをするための「Advanced-ACL」と、トラフィック解析をするための「Traffic-Analyzer」があるため、将来的には、これらの情報を「System Answer G3」に取り込むことも視野に入れている。高度パケット監視制御機能のすべてが「System Answer G3」と連携することにより、バーストトラフィックの有無だけでなく、発生プロトコルの特定や、発生源・宛先の特定といったより深いバーストトラフィックの調査や分析まで可能になる。

「System Answer G3」と「バーストレコーダー」の連携イメージ