光通信、映像伝送ビジネスの実務者向け専門情報サイト

光通信ビジネスの実務者向け専門誌 - オプトコム

有料会員様向けコンテンツ

初のシングルボックス、広帯域ミリ波測定用マルチチャネルソリューションを発表【キーサイト・テクノロジー】

モバイル/無線 無料

最大110 GHzまでの広帯域測定向けに高速コヒーレント解析を低価格で実現、次世代ミリ波通信、衛星通信、レーダーアプリケーションの開発を加速

 キーサイト・テクノロジーは9月27日、初のシングルボックス、広帯域ミリ波測定用マルチチャネルソリューションを発表した。キーサイトのUXRシリーズ オシロスコープに新たに追加された最大110 GHzまでの広帯域測定拡張機能は、リーズナブルな価格で、高速コヒーレント解析を実現し、次世代のミリ波通信、衛星通信、レーダーアプリケーションの開発を加速する。
 販売価格(発表日時点での税抜き参考価格): 広帯域ミリ波測定用マルチチャネルソリューション(広帯域ミリ波拡張オプション付きUXRシリーズ オシロスコープ)は、約4,970万円~。

 近年、ミリ波/RFテクノロジーは周波数を100 GHz以上に押し上げたが、広帯域幅のニーズはすぐに数10 GHzに達すると見込まれている。802.11ay(WiGig)、802.11ad(ギガビット無線)、衛星通信、レーダー、5Gなどで使われるテクノロジーは、すでにミリ波帯の周波数を採用している。従来、この周波数帯を測定するには、複数の測定器と信号劣化を伴うダウンコンバータや、あるいは80~110 GHz帯域を持つ高価な1 mmコネクタ入力のオシロスコープを必要としていた。
 キーサイトの広帯域ミリ波測定機能付きUXRシリーズ オシロスコープでは、最大110 GHzの周波数に対応する動的な広帯域変調解析が可能になり、ユーザに次のメリットを提供する。

  • 高額になりがちなオシロスコープ本体の周波数帯域での価格ではなく、RF計測機器と同様な周波数レンジの価格設定のため、リーズナブルな価格で必要な変調解析帯域幅を選択可能
  • 5 GHzまたは10 GHzの解析帯域幅 を実現するミリ波拡張オプションにより、解析周波数ウィンドウは、UXRオシロ本体のライセンス帯域を越え、本来ハードウェアが持つ最大帯域まで使用可能
  • ハードウェアアクセラレーションDDC (デジタル・ダウン・コンバーター)の搭載により、デシメーションによる数秒間を越える長時間リアルタイム信号キャプチャと、最大100倍の信号処理高速化を実現
  • 解析帯域2 GHz以下で動作するDDCと、ミリ波拡張オプションを組み合わせることで、最大110 GHzでのDDCアクセラレーション解析を実現
  • 5G New Radio(5G NR) FR2試験で、0.6 %以下のEVM (Error Vector Magnitude:エラーベクトル振幅)、802.11ay規格ではEVM1 %を実現する優れた信号品質を実現。測定システムのノイズによる信号劣化が無く、被測定対象物の真のEVM測定が可能

 キーサイト・テクノロジー コミュニケーションソリューショングループのデジタルおよびフォトニクス研究開発部バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーであるBrad Doerrは「キーサイトは、新たなミリ波テクノロジーの広帯域幅測定をサポートする低価格オシロスコープのニーズが高まっていることを認識している。キーサイトのUXRは、ミリ波テクノロジーと高度なアプリケーションに特化した初めてのオシロスコープで、マルチ入力マルチ出力(MIMO)など最大4チャネル同時測定を従来の25 GHzオシロスコープ価格帯で実現する」とコメントを出している。