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清水建設、A10のクラウドプロキシソリューションによりクラウドサービスのトラフィック負荷を軽減

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約1千か所・4万台のクラウドサービスの活用を支え、既存プロキシの負荷を45%軽減

 A10ネットワークス(以下、A10)は5月13日、清水建設がクラウドサービスの利用増加によるトラフィック軽減のために、A10のセキュリティプラットフォーム「A10 Thunder CFW」のクラウドプロキシソリューションを組み込んだ富士通の「FUJITSU Cloud Serviceセキュアゲートウェイサービス」を導入したことを発表した。

導入背景

 清水建設は、スーパーゼネコンの一角を担う総合建設会社として、国内外で建設・土木事業を展開しており、建設事業の枠を超えて新たな価値を創造するスマートイノベーションカンパニーを目指して、事業構造や技術、人材のイノベーションを推進している。そのイノベーション推進の一環として、多様な人材が活躍できる働き方改革に取り組んでおり、Office 365の全社展開をはじめとしたクラウドサービスの活用を活発化させている。
 同社がクラウドサービスの利用が増加していく中で生まれた課題が、社内ネットワークのひっ迫だ。セッション数の高いクラウドサービスの利用により社内トラフィックが急増し、既存プロキシの許容量を超え、日々の業務に悪影響を与える可能性がありました。今後もクラウドサービスによる変革が続くことを見据えて、同社が解決策として注目したのは、既存プロキシを補完し、クラウドサービスのトラフィックのみをインターネットに迂回させるクラウドプロキシソリューション。
 同社は、セキュリティプラットフォーム「A10 Thunder CFW」のクラウドプロキシソリューションを「クラウド通信オフロード」機能として組み込んだ、富士通の「FUJITSU Cloud Service セキュアゲートウェイサービス」の導入を決定した。同機能が、今後活用が見込まれるさまざまなクラウドサービスに対応できる点や、本プロジェクトの導入・運用を支援する富士通ネットワークソリューションズ(以下、FNETS)とA10が、豊富な実績とサポート力を有している点が決め手となり、採用に至ったという。

導入効果

 A10 Thunder CFW は、クラウドプロキシソリューションを含む、クラウドサービス事業者や企業に必要となるネットワーク・セキュリティ機能を統合したセキュリティプラットフォームだ。A10のクラウドプロキシソリューションは、2014年に日本市場でいちはやく展開され、トラフィックの振り分け/制御機能により、国内企業のトラフィック最適化と快適で安全なクラウドサービスの利用を実現してきた実績を有している。
 A10 Thunder CFWは、富士通をはじめとするクラウドサービス事業者のサービス基盤にも組み込まれ、FNETSの開発したOffice 365のURL更新対応を自動化するDLIST Manager Cloudのように、特定サービスに対応したり、運用を効率化したりするパートナーサービスも提供されている。
 清水建設は、富士通とFNETS、A10 の支援により、FUJITSU Cloud Service セキュアゲートウェイサービスの設計から検証、導入までを4カ月で完了している。現在、本社および支店、施行現場の事務所など、約1千か所からのインターネット通信を同ゲートウェイサービスに集約した上で、10を超えるクラウドサービスのトラフィックをインターネットへと迂回させている。既存プロキシの負荷は45%軽減され、タブレットやスマートフォンも含む約4万台のデバイスによる快適な業務を、A10のクラウドプロキシソリューションが支えている。
 同社は、導入前にトラフィックを最適化したことでOffice 365もスムーズに全社展開でき、ビジネス戦略に合わせたクラウドサービスの活用増加に対応できるネットワーク基盤を構築したとしている。

今後の展開

 今後、清水建設は、個人アカウントでのクラウドサービスへのアクセスを制限するために、ゲートウェイサービスでテナントごとにトラフィックを制御するなど、クラウドサービスを安全に利用できる環境づくりも進める予定だという。