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富士通ネットワークコミュニケーションズ、ONAPに参画し光ネットワークサービスのエンド・ツー・エンドにおける運用管理の自動化を実現

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 Fujitsu Network Communications(以下、FNC)は6月19日、Linux Foundation NetworkingのONAP(Open Networking Automation Platform)プロジェクトにおいて、Orangeをはじめとしたグローバル大手の通信・サービス事業者とともに、複数の地域ネットワークなどからなる複雑な光ネットワークサービスのエンド・ツー・エンドでの運用管理の自動化(以下、MDONS:Multi-Domain Optical Network Services)を実現し、オープンソースソフトウェアであるONAP Frankfurt Release(以下、フランクフルト)にて公開した。

 MDONSは、光伝送機器の仮想化と標準化をするOpen ROADMや、光ネットワークの柔軟な制御インターフェースを提供するONF(Open Networking Foundation)、事業者間のサービス連携に向けたネットワークの相互接続を目指すMEF(Metro Ethernet Forum)など、他のコミュニティによる標準化インターフェースやオープンソフトウエアを積極的に活用し取り込むことで、異なるベンタの装置コントローラ間や、異なる地域ネットワークや技術レイヤ間の相互接続を可能にする。そして、プロビジョニングやサービスアクティベーションなどの運用自動化の実現を加速させる。
 FNCは「富士通と共同で、事業者をまたがる光ネットワーク内におけるエンド・ツー・エンドでのサービス運用管理の自動化のオープンソースを設計・実装し、事業者のサービス向上に貢献していく」との考えを示している。
 富士通グループは、5G時代の無線、有線ネットワークの垣根を越えた高度なネットワークの運用やライフサイクルマネジメントの自動化を推進し、今後もパートナー企業とともに、スピードと効率を追求したオープンソースを前提としたネットワークづくりを牽引していくという。

 FNC, Head of Technology Business Unit, Rod Naphan氏は「我々のお客様である通信・サービス事業者は、これまで自社で保有する複数ネットワークの相互接続において、手動による回線設定や複雑な手続きなどを必要としていた。今後は、ONAPのオープンソースとそのAPI標準仕様を用いることで、様々なネットワークや技術によって繋がる光ネットワークサービスの自動設定や管理が可能となり、より一層迅速なサービスの提供と運用コストの低減を図ることができる」とコメントを出している。

 Orange, Network Automation Project Manager, Olivier Augizeau氏は「ネットワークの自動化は、強力なビジネス要件だ。我々は、オープンソースのコラボレーションこそが、この複雑な要件に応える最良の方法だと考えている。ONAPプラットフォームの最新リリースであるフランクフルトは、通信キャリアをまたがる光ネットワークの接続サービスを改善する道を切り開くものであると考えている」とコメントを出している。

 Linux Foundation, General Manager, Networking, Edge & IoT, Arpit Joshipura氏は「ONAPのコミュニティメンバーによって開発された最新リリースのフランクフルトが、新しいユースケース、拡張、ビジネスへの適用を可能とし、ONAPプラットフォームの発展をより加速していくことを非常にうれしく思っている。光ネットワークの幅広い専門知識を保有する、Linux Foundationのメンバーである富士通がMDONSを企画し、実装したことは、ONAPのフレームワークを強化するチーム全体にとって非常に重要なことだ」とコメントを出している。