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シスコ、ビデオ会議ソリューションの強化に向け、BabbleLabs買収の意向を発表

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最先端のノイズ除去技術により、どこからでも集中して働くことが可能に

 シスコは8月25日 (サンノゼ)、ビデオ会議ソリューションの強化に向け、カリフォルニア州キャンベルに本社を構える株式非公開企業のBabbleLabsを買収する意向を発表した。(抄訳は8月27日に日本法人が発表)

 BabbleLabsは先進的なAI(人工知能)技術を用いて、人間の音声と不要なノイズを識別し、コミュニケーションや会議アプリケーションの品質を向上させる。BabbleLabsが、既存のノイズ制御技術ソリューションより優れている点は次のとおり。

  • 会話とバックグラウンド ノイズを識別
  • リアルタイムでバックグラウンド ノイズを除去
  • 言語に関わらず、音声を強調してコミュニケーションを向上

 未来の働き方にフォーカスしたシスコのグローバル調査によると、従業員の98%が、在宅勤務時のビデオ会議中に気が散ってフラストレーションを感じたことがあると回答したという。ここで挙げられたフラストレーションの上位5つのうち2つが、他の参加者、または自分の側のいずれかにおける、バックグラウンド ノイズに関するものだ。
 シスコはBabbleLabsの買収により、コラボレーション ポートフォリオ全体にネイティブ ノイズ除去機能が追加される。シスコは「当初はBabbleLabsの統合を通じて、どこからでも、Webexへの接続方法(会議室経由またはモバイル デバイス経由)にかかわらず、クラス最高のオーディオ エクスペリエンスをWebex Meetingsユーザに提供することに焦点を絞る。セキュアで優れたユーザ エクスペリエンスを提供する。ノイズの発生源(クライアント側)で100%ノイズを除去するBabbleLabsは、安全でプライベートなコラボレーションに対するシスコの戦略を強化するもの。その際、BabbleLabsはセキュリティ バイ デザインというシスコの文化を支える厳格なデータ ポリシーに対応する」としている。

 シスコ セキュリティおよびアプリケーション事業担当シニア バイス プレジデント兼ゼネラル マネージャーのジーツ・パテル(Jeetu Patel)氏は「すばらしい会議エクスペリエンスは、すばらしい音声から始まる。高い技術を持ったエンジニアで構成されるBabbleLabsチームを迎えられることを、大変喜ばしく思ってる。シスコのお客様はBabbleLabsのテクノロジーによって、さらに重要なイノベーションである余計なノイズの自動除去が可能になり、卓越したWebexによる会議エクスペリエンスを継続的に実現することができる」とコメントを出している。
 BabbleLabs CEO兼共同創設者のクリス・ローウェン(Chris Rowen)氏は「当社は、シスコおよびシスコ コラボレーションチームに加わることを大変楽しみにしている。シスコ チームは、コラボレーションとコミュニケーションの中核である音声に対する当社の情熱を共有している。当社はシスコ コラボレーション プラットフォームによって、数億人のCisco Webexユーザに向け、優れた音声強調テクノロジーを速やかに拡張していく」とコメントを出している。

キー ポイント

  • この買収は、慣習的な取引完了条件に従い、規制当局の承認を得た上で、シスコの2021会計年度第1四半期中に完了する見通し。
  • 買収後、BabbleLabsチームは、ジーツ・パテル(Jeetu Patel)率いるシスコ、セキュリティおよびアプリケーション事業の一部である、シスコ コラボレーショングループに加わる。同グループを統括しているのは、シニア バイス プレジデント兼ゼネラル マネージャーのジャヴェード・カーン(Javed Khan)氏。
  • シスコのコラボレーションソリューションは、Fortune 500企業の95%から支持を得ている。

 BabbleLabsの買収は、シスコの過去3年間にわたるAIテクノロジーと人材への投資に基づくものであり、コラボレーションのインテリジェンス、セキュリティ、有効性、生産性を高めることを目的としているという。シスコは、仕事と会議のあらゆる段階に独自にフォーカスしている。これには、事前に参加者の参照ができる会議前、最適な音声と動画、あらゆるOSに対応するぼかし背景やカスタム背景、アイデアやファイルのタッチレス共有、自動メモ、ライブ文字起こしといった会議中フェーズ、議事録を自動送信する会議後フェーズが含まれる。