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シスコ、東京都のデータハイウェイ構想によるスマートポールの実証実験を11月から開始

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双方向デジタルサイネージや5Gアンテナ基地局など先進的機能を搭載

 シスコシステムズ(以下 シスコ)は10月8日、東京都が超高速モバイルインターネット網の構築を推進する「TOKYO Data Highway基本戦略」に位置づけられているスマートポール先行・試行設置の協力事業者に選定され、11月から実証実験を開始することを発表した。

 スマートポールは、5Gアンテナ基地局やWi-Fiを必須機能とし、双方向サイネージや、各種センサ等を搭載した多機能ポールで、 新しい地域サービスに資するインフラとして、活用が期待されている。東京都では、西新宿エリアを重点整備エリアの一つに位置づけ、スマートポールを早期に先行・試行設置し、その課題の把握及び検証を行うことで、都内全域への展開を目指している。
 東京都では、「TOKYO Data Highway」構想のもと、諸外国の主要都市に比する最先端の情報通信網整備が東京でも不可欠との判断から、スマートポールの先行・試行設置を行っている。シスコは「世界各国での多数のスマートシティ参画で得た知見に基づき、これまでにない最先端の5GおよびWi-Fi 6を中心とし、ビジュアルなインターフェースを全面に活用してインタラクティブに情報提供する構想、技術、ソリューションを提案し、9月28日に協力事業者に選定された」としている。

 高速通信インフラにとどまらず、デジタルによる新しい利用者体験や都市運営のあり方を検証し、都民・来街者向けサービスインフラとしての将来像を提起することを目的として実証実験を行う。
 実証実験の主要なポイントは次の通り。

  • 「TOKYO Data Highway」構築に向けたネットワークインフラ構成の検証
  • 双方向の特性を活用した新たな利用者向けサービス提供の可能性の検証
  • 環境センサ、人流センサのデータを都市OSに連携・可視化することによる都市運営のデジタル化の検証
  • 本格展開時における各種データソースやサービスとの統合手法の確立
  • 新サービス導入効果測定の基礎となるデータの収集と可視化
  • 非常事態発生時の対応レスポンス短縮効果の検証
  • 東京都にとって最適なスマートポール開発に向けて、各機能の有用性の検証

 今回、シスコが日本で開発したスマートポールは、日本で初めて5Gと双方向サイネージを組み合わせた総合スマートポールであり、世界でも未だ類を見ない設計となっている。ビデオ会議システムと動画一斉配信機能により、効率的かつ状況に応じたきめ細かい双方向コミュニケーションが可能(コンシェルジェサービス、災害時の現地状況把握・誘導などでの活用を想定) だ。また、シスコ製のネットワークおよびコミュニケーション製品を中心とした機器をあらかじめ組み込み、ソフトウェアの更新によってさまざまな新サービスを実装可能となっている。
 主要な搭載機能は次のとおり。

  • 5Gアンテナ基地局
  • Wi-Fi6アクセスポイント
  • 環境センサ
  • 人流解析カメラ
  • 双方向デジタルサイネージ
  • ビデオ会議システム
  • デジタルメディアプレーヤー(動画一斉配信)
  • 都市OS連携
  • エッジコンピュータ搭載統合型ルータ
  • クラウド管理型スイッチ

シスコは「今後は設置場所の調査、工事を経て11月中に竣工、稼働の予定だ」としている。