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光データ中継衛星搭載の光通信機器チェックアウトにおける光地上局との捕捉・追尾成功【JAXA、NICT】

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 JAXAとNICTは2月17日、2020年11月29日に種子島宇宙センターからH-IIAロケット43号機で打ち上げた光データ中継衛星に搭載している光衛星間通信システム(LUCAS)の光通信機器と光地上局との間で相互の捕捉・追尾に成功したと発表した。

 JAXAは、LUCASについて、軌道上の機器の動作確認等のためのチェックアウト作業を実施している。このチェックアウト作業の一環として、2021年1月27日からNICTの光地上局と衛星上のLUCASとを対向させた試験を開始し、光データ中継衛星との距離が約40,000km離れている同光地上局との間での相互の捕捉・追尾を成功させ、双方向の光リンクが成立したことを確認した。
 
 同試験は、光地上局を今後の光データ中継衛星の実際の通信相手方となる「だいち3号(ALOS-3)」等の低軌道衛星側の光通信機器と見なし、光データ中継衛星と光地上局との間で信号を相互に捕捉し、通信回線維持のために必要な追尾動作を正常に実施できることの確認を目的として実施したもの。
 これが順調に行えたことで、LUCASの最重要技術要素である「約40,000km離れたところから直径約0.5kmの範囲にある通信相手を捕捉・追尾する機能/性能」が、宇宙空間において計画通りに性能を発揮していることが確認できた。

JAXAは、LUCAS(NICTの光地上局に搭載される地上チェックアウト装置を含む)の開発、軌道上運用、及び技術評価を担当。
NICTは、光通信に関する専門的知見の提供、光地上局設備の提供・操作、および追尾性能評価に関する大気の影響等の分析を担当。