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NTTぷららがエッジルータCisco NCS 5500シリーズを導入【シスコ】

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急増するISPのネットワークトラフィックに対応し、省電力、省スペース、大容量化を実現

 シスコシステムズ(以下、シスコ)は5月24日、NTTぷららが、ISP用ネットワークのエッジルータとしてNetwork Convergence System 5500シリーズ「Cisco NCS 5504」を導入したと発表した。

 Cisco NCS 5500シリーズの NCS 5504は、低消費電力で優れた冗長性を備え、ネットワーク需要に応じて柔軟かつ効率的に拡張できる省スペースなモジュラ型ルータ製品。高密度の100Gbpsのイーサネットポートを備え、将来的にラインカード・ファブリックカードをアップグレードすることで最大で38.4Tbps(全二重)の大容量に対応し、400Gbpsのイーサネットポートをサポートすることも可能だ。

 NTTぷららは、インターネット接続サービスを一般ユーザや法人向けに提供している。近年、動画利用の増加等で同サービス用ネットワークにはトラフィック増大への対応が求められていたが、2020年初頭からのコロナ禍による全国規模でのリモートワークやオンライン授業等の実施によってこの傾向が拡大した。従来にない膨大なトラフィックに対応し、加入者にはこれまでどおりの快適な利用環境を提供することが、ISPとして喫緊の課題となっていた。
 この課題に対応するため、ネットワーク、とりわけ大量のアクセスを集約するエッジでの早急な拡張が必要となった。また、データセンタについても大型機器がスペースと消費電力を圧迫していたことから、拡張性における改善への対応も並行して求められていた。
 これらを解決する方策として、アクセス網を収容するエッジルータにシスコのNCS5504が導入された。この導入により、大容量のアグリゲーション機能を提供しながら、省電力、省スペースをも実現するという相反する2つの課題を同時にクリアする。
拡張にあたっては、トラフィック増加を見込んだ拡張可能な構成で、かつ消費電力や設置スペースの省力化に大きく貢献でき、さらに、ネットワークの導入や運用負荷を最小限に抑えられることが評価され今回の採用に至ったという。
NTTぷららは「今後さらにトラフィックが拡大した際に、筐体を変更することなく、より高密度の100Gbpsポートを備えるラインカードを追加し需要に柔軟に対応できることも期待している」という。

 NTTぷらら 技術本部 ネットワーク管理部の藤原淳氏は「弊社のインターネット接続サービスでは、近年ますます増大するトラフィックへの対応を、より効果的かつ効率的に行うことが課題となっていた。Cisco NCS 5504は、アクセス網のアグリゲーションの広帯域化でこれを実現し、また、ネットワークの導入や運用の負荷を軽減してくれる。今後もシスコ様との連携により、お客様に快適なインターネット環境を継続的にお届けできるよう努めていく」とコメントを出している。