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世界初の双方向300GHzテラヘルツ伝送に成功

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Beyond5G/6Gネットワークの構築に向けて

早稲田大学理工学術院の川西哲也教授の研究グループは6月29日、世界初の300GHz帯双方向リアルタイム伝送実験に成功したと発表した。
これは、千葉工業大学、岐阜大学、日本電気、高速近接無線技術研究組合と、欧州の7研究機関(下記)との共同によるものだという

  • ブラウンシュヴァイク工科大学(ドイツ)
  • フラウンホーファー応用固体物理研究所(ドイツ)
  • シュツットガルト大学(ドイツ)
  • ドイツテレコム(ドイツ・チェコ)
  • リール大学(フランス)
  • Siklu Communications(イスラエル)
  • VIVID Components(イギリス)

図1:ブラウンシュヴァイク工科大学構内のOker TowerとITセンター(距離160m)を結ぶ無線装置。提供:ブラウンシュヴァイク工科大学Thomas Kürner教授

研究の背景
 移動通信システムの基地局を接続するためのネットワーク(バックホール・フロントホール)において、従来システムでは光ファイバが用いられることが一般的だが、将来の移動通信ネットワークであるBeyond5G /6Gシステムでは莫大な数の基地局が必要となるため、その一部を高速テラヘルツ無線が担うことが期待されている。今回の研究成果はBeyond5G/6Gネットワークへのテラヘルツ通信の適用可能性を示すものとなる。

研究成果
 ドイツ・ブラウンシュヴァイク工科大学構内にて300GHz帯双方向リアルタイム伝送実験(伝送距離160m)を実施した(図1、2参照)。双方向通信で実際のネットワークに接続可能な無線伝送装置の動作実証はこの帯域では世界初だ。
今回開発した無線伝送装置は8.64GHzx2の帯域幅を用いて、伝送速度20Gb/sx2(双方向)に対応している。帯域幅の拡張により、さらなる高速化も可能だ。また、通信規格IEEE802.15.3に準拠した信号形式での伝送実験にも成功しており、世界初の実証例となる。同規格は日欧連携で策定を主導したもので、バックホール・フロントホールへの適用可能性を示唆している。

研究プロジェクトについて
 同研究成果は欧州委員会のHorizon2020、およびNICTの委託研究「大容量アプリケーション向けテラヘルツエンドトゥーエンド無線システムの開発(ThoR: TeraHertz end-to-end wireless systems supporting ultra high data Rate applications)」(研究期間:2018年7月1日から2022年6月30日まで)の一環として実施したもの。6月29・30日開催のThoRプロジェクトの最終ワークショップにて、上記実験のデモンストレーションおよび研究成果の紹介をするという。

今後の展開
 早稲田大学、千葉工業大学、岐阜大学は ThoRプロジェクトの成果をベースとして日欧連携をさらに発展させ、テラヘルツ通信を用いたネットワーク実現を目指したNICTの委託研究「欧州との連携による300GHzテラヘルツネットワークの研究開発」を昨年度から実施している。長期にわたり屋外で動作させることが可能な小型のテラヘルツ無線伝送装置を開発。さらに、複数のテラヘルツ無線伝送装置を連携させ、悪天候時にもおいても安定的な高速データ伝送を可能とする技術を開発するという。

各機関の主な役割
早稲田大学:研究の統括、ミリ波・テラヘルツ変換部の開発、悪天候時の性能解析
千葉工業大学:テラヘルツアンテナ・伝搬の評価
岐阜大学:伝送実験の統括、アンテナ評価
日本電気:ユースケース検討、テラヘルツ増幅器開発、悪天候時の性能解析
高速近接無線技術研究組合:ミリ波帯(60GHz帯IEEE802規格準拠)モジュール開発
ブラウンシュヴァイク工科大学:研究の統括、伝送シミュレーション、伝送実験
フラウンホーファー応用固体物理研究所:300GHz帯半導体デバイス製作
シュツットガルト大学:300GHz帯半導体デバイス設計、伝送実験
ドイツテレコム:システム構成検討、伝送実験
リール大学:光による基準信号発生、伝送システム構築
Siklu Communications:ミリ波帯(70/80GHz帯)モジュール開発
VIVID Components:研究管理、広報

図2:ブラウンシュヴァイク工科大学構内建物屋上に設置された世界初の実データ伝送可能な双方向テラヘルツ無線装置。提供:ブラウンシュヴァイク工科大学Thomas Kürner教授

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