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次世代通信技術&ソリューション展「COMNEXT」が6月に開催。光通信、無線通信、IoTのキーパーソンが一堂に会する国際商談展の魅力を探る【RX Japan】

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 今年で24回目の開催を迎えるアジア最大級の次世代 光通信技術の専門展「光通信 World (FOE)」が、次世代通信技術&ソリューション展「COMNEXT」の一角として6月26日~28日の日程で東京ビッグサイトにて開催される。(主催:RX Japan)
 「COMNEXT」は、5G/6G通信技術、5G/6G材料、ローカル5G、エッジAI・IoTソリューション、光通信技術、映像伝送、NEXT STAGE(主催者企画/次世代技術が出展)の7つのWorldで構成される展示会であり、世界中から最新製品や技術、情報を求める来場者が集まる国際商談展となっている。

 今回のインタビューでは、「COMNEXT」事務局から、展示会の概要や見どころについて話を聞いた。
(OPTCOM編集部 柿沼毅郎)

COMNEXT事務局長の土屋勝利氏

OPTCOM:今回の開催規模や新たな試みを教えてください。
土屋事務局長:
出展社数は200社、来場者数は国内外から2万名を予定しています。
 昨年はCOMNEXTとして大きくリニューアルし、次世代の通信技術・ソリューション展という大きな概念のプロモーションに成功したので、今年は光通信や6G、ローカル5Gといった個々の専門性を前面に押し出す形で開催します。
 扱う専門分野は、これまでの流れをベースに最近の注目技術を追加しています。今回の構成は、最新の5G/6G技術から通信システム・基地局設備・ネットワーク機器などが出展する『5G/6G World』、5G/6Gの電子部品向け材料に特化した『5G/6G Material World』、ローカル5Gにまつわる最新技術からソリューションまでが集まる『ローカル5G World』、エッジAI、Wi-Fi6/7、LPWAなどを活用したDXソリューションが出展する『エッジAI・IoT World』、光通信システム、デバイス、ケーブル、配線技術などが出展し、光通信の基礎から最新技術までが集まる『光通信 World(FOE)』、産業用途向けの映像伝送システム・機器、スイッチャー、ケーブルなどが出展する『映像伝送 World』に分けており、各Worldを主体に国内外にプロモーションしています。

――:国際商談展としての反響は如何でしょうか。
土屋事務局長:
マーケットそのものが国際的になっていることもあり、出展社も海外からの来場者を非常に強く求めています。例えばFOEが扱う光通信の市場では、国内データセンタも増設計画が活発ですが、自分達でコンテンツを持っている海外ビッグテックのデータセンタは物量が多いことから、そうしたユーザを日本に呼び込む展示会という位置づけで取り組んでいます。もちろん、国内の来場者層へのプロモーションも注力していますので、そのマーケットに注目している海外企業の出展もあります。
 また、国際的なイベントという観点では、そもそもCOMNEXTとして昨年に大きくリニューアルした理由として、日本にも通信技術・ソリューションの発信基地となるようなイベントを創りたいという想いがありました。光通信を扱うFOEは長年にわたり開催してきたので認知されていましたが、それ以外の分野はそうではありませんでした。例えば、モバイル通信の世界的な展示会と言えばモバイル・ワールド・コングレス(MWC)となってしまいます。そこで、日本の技術をコアにしながら世界を巻き込んでいく展示会を創っていくということでCOMNEXTとしてリニューアルし、方向性を明確にして取り組みを進めています。この方針にご賛同しいただいているCOMNEXTアドバイザリー・コミッティの皆様からのご協力もあり、国際的な最新情報を扱うセミナーも実現しています。

COMNEXTアドバイザリー・コミッティ

――:今回は、どのようなセミナープログラムを組まれたのでしょうか。
土屋事務局長:
基調講演は二つ設けており、一つはNTTの川添副社長にご登壇いただく『新たな価値の創造とグローバルサステナブル社会を支えるNTTへ -IOWN-』です。もう一つは、今年は6G標準化の元年ということで、その最新情報を扱うパネルディスカッション『始動!6G標準化』を予定しており、Nokia、Ericsson、Qualcomm、NECにご参加いただく国際色の強いディスカッションを、モデレーターに東京大学大の中野教授をお迎えして実施します。
 国際色という点では、5G/6Gにおける最適周波数をテーマとした講演を二つ設け、その一つは海外からNokiaのキーパーソンにご登壇いただきます。
 特別講演も二つ設けており、一つは日本のデータセンタ増設計画の展望を扱うパネルディスカッション『環太平洋と日本列島のデジタルインフラを担うデータセンター(DC)の最新動向とビジネスモデル』を実施します。パネリストとして、経産省、総務省、日本アイ・ビー・エム、さくらインターネット、また宮崎県で新しくデータセンタの動きがあることから同県の延岡市長にもご登壇いただき、モデレーターに東京理科大学の若林教授をお迎えします。
 もう一つの特別講演は、通信4社が連携し災害対応の強化と進化について討論を行うパネルディスカッション『災害時に見る通信インフラ復旧への取り組み』を実施します。パネリストとして、総務省、NTT、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルにご登壇いただき、モデレーターに東京大学の森川教授をお迎えします。通信各社は競合関係ではありますが、災害対策ではお互いに協力しながら取り組んでいますので、聴講される方々がその全体像を把握しやすいディスカッションにします。
 光通信技術(FOE)セミナーは11セッションを設けており、800G/1.6T/3.2T光トランシーバ、モダンデータセンタ向けCPO/LPO、AIデータセンタ実現に向けた光ファイバ技術、チップレット技術、AIクラスタにおける光インターコネクト、光電融合デバイス、超広帯域波長多重分割技術、光変調器(薄膜LN/InP/SiPh)、All Photonics Network、マルチオービット光通信といったトピックを取り上げます。
 他にも、COMNEXT全体として、6Gや材料、ローカル5Gをテーマとしたセミナーを設けていますので、公式Webでチェックしていただければと思います。

――:展示もセミナーも、データセンタ関連が増えていますね。
土屋事務局長:
FOEの始まりが通信キャリアビジネスということもあり、それを柱に20年以上にわたり開催している一方で、この10年ほどでデータセンタ市場における光技術の導入が飛躍的に進みましたので、その流れはCOMNEXTでも反映されている状況です。
 こうした市場トレンドが展示会に反映されている理由としては、出展社がデータセンタ向けの商材を増やしていることや、データセンタ関連のセミナー講演者からの人脈の広がりといった、長年の積み重ねが挙げられます。また、当社はCOMNEXTとは別にデータセンタの展示会を主催していますので、そのデータを基に訴求力のあるプロモーションもできました。
COMNEXTは、こうした関連分野のマッチングの場としてもご評価いただいており、例えばCOMNEXTの中では比較的新しい分野であるエッジAIの出展社からは、広く最終ユーザに出会える場とご期待いただいています。
 今年は『自治体・公共week』も同時開催しますので、自治体、データセンタ、光技術、エッジ技術が繋がる場になると、我々も楽しみにしています。

前回の会場風景

――:最後に、来場者へのメッセージをお願いします。
土屋事務局長:
通信技術に関する商談展という明確なコンセプトで長年にわたり開催してきたこともあり、例年、会場では業界のキーパーソンが一同に介して商談や情報交換をされている光景を目にします。来場される皆様には、今年も各ブースでキーパーソンと接することのできる場としてご期待いただければと思います。
 また、三日間の会期の中で、想定以上に見るべき製品・ソリューションと出会えるかと思います。この三日間を効率良くご活用いただけるよう、公式Webで出展製品の詳細な情報や、日本ではコンタクトできる機会が少ない海外からの出展社を事前にチェックしていただければと思います。

COMNEXT公式Webはこちら

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