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ノキア、NTT、アンリツが、エラスティック・ネットワーキングの省エネ性能について世界初の検証に成功

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 ノキアは2月20日(エスポー)、ノキア、NTTおよびアンリツが、モバイルネットワークにおけるエネルギー使用量の削減に向けたエラスティック・ネットワークの有効性を実証する PoC(概念実証)に世界で初めて成功したことを発表した。

 エラスティック・ネットワークは、IOWN Global Forumの下で開発された。エラスティック・ネットワークを導入すると、夜間などネットワークトラフィックの負荷が低下したときに、分散処理ユニットの稼働個数を減らし、トラフィックを電波塔から他の分散処理ユニットにリダイレクトして、 ユニットの利用効率を上げることで、エネルギーコストを削減できる。この機能により、使用率の低い無線機器および光機器を休止状態にすることで、ネットワークの総電力使用量を削減しながら、予期しないバーストトラフィックなどに対しては、必要に応じて休止状態のネットワークリソースを再びオンに切り替えることができる。人口密度の高い都市部では、エンドユーザのネットワークのパフォーマンスが低下することはない。この技術により、NTTをはじめとする通信事業者は、エネルギー消費を削減しながら、AIの普及による通信量の増加に対応することができる。

 PoCの実施には、モバイルバックホール向けの 1830 Time-sensitive Packet Switch(TPS)や 1830 Photonic Service Switch(PSS)などのノキアの高性能光通信ソリューションが使用された。

 ノキアのバイスプレジデント 兼 オプティカルネットワーク部門ゼネラルマネジャーであるジェームズ・ワット氏は「ノキアは、エネルギー効率を高め、お客様のカーボンフットプリントを大幅に減らすために、製品 ポートフォリオ全体で消費電力を削減することを、優先的に取り組む課題としている。今回成功を収めたPoCにより、ノキアの光通信製品の優れた信頼性とレジリエンスがあらためて明らかになった。ノキアは、性能に影響をおよぼすことなくワイヤレスネットワークの消費電力をさらに最適化するために、IOWN GFや他の業界の企業と協業し、革新を続けていく」とコメントを出している。

 アンリツの取締役 常務執行役員 通信計測カンパニープレジデントである島武志氏は「アンリツは、エネルギー効率という産業界の重要な課題への取り組みに努め、IOWN GFの業界初のPoCに貢献できたことを誇りに思っている」とコメントを出している。