光通信、映像伝送ビジネスの実務者向け専門情報サイト

光通信ビジネスの実務者向け専門誌 - オプトコム

有料会員様向けコンテンツ

通信・放送Week2017開催直前Interview

期間限定無料公開 有料

 アジア最大級の光通信展示会である「第17光通信技術展~FOE2017~」が、4月5日~ 7日で東京ビッグサイトにて開催される。FOEは今年から「通信・放送Week」の一角として開催され、新たに誕生する「第1映像伝送EXPO~VCOM2017~」と共に、次世代の通信・放送インフラに必要な製品を網羅する日本初の専門展として大きく生まれ変わる。
 光通信システム、モジュール、デバイス、測定器、そして次世代ネットワーク関連製品が一堂に集まる展示会として業界に貢献してきたFOE。その来場者層は、従来の通信キャリアやデータセンタ事業者に加え、ここ数年では放送局やCATV事業者といった映像分野、更にはクラウド、IoT、FA、監視カメラ網と、光通信の用途の広がりと共に裾野を広げてきた。
 そうした来場者層、展示品目の広がりから映像伝送の専門展を立ち上げたところ、光通信というカテゴライズでは展示の難しかった放送関連機器・技術も増え、今回の通信・放送Weekの出展社数は前回のFOEに比べて2倍の規模に急成長したという。また、併設の専門技術セミナーでは新たに「通信・放送Week 特別基調講演」を加え、通信と放送の融合に関する最新の情報が解説される。

 今回のインタビューでは、主催者であるリード エグジビションジャパン 通信・放送Week事務局長の土屋勝利氏、同営業責任者の高澤充氏から今年の見所について話を聞いた。

出展社数が急増

左:通信・放送Week事務局長の土屋勝利氏  右:通信・放送Week事務局の高澤充氏

左:通信・放送Week事務局長の土屋勝利氏  右:通信・放送Week事務局の高澤充氏

OPTCOM:前回の実績と今年の状況を教えてください

土屋事務局長: 前回の出展社数を光通信技術展(通称:FOE)のみで見ると122社で、そのうち海外が43社となります。そして今回から映像伝送の専門展「映像伝送EXPO
(通称:VCOM)」を新たに立ち上げ「通信・放送Week 2017」という形で開催するのですが、FOEとVCOM両展を合わせた出展社数は前年比で約2倍となる230社となっています。
 併設展も合わせた出展社数は1,540社となりますので、前回よりも320社ほど増えます。会場のビッグサイトは2016年10月に7館と8館が増設されましたので、今回はその全てを使った、例年より大規模な開催となります。

高澤氏:本展の傾向として商社や代理店による海外メーカー製品の展示もありますので、それも含めると展示全体の約半分が海外製品という状況でした。
 その中でFOEはアジア最大級の光通信の専門展ということで、出展社から「ビジネスとして欠かせない展示会になっている」「実際に商談できるので、営業活動の上で非常に重要な場となっている」というお声を数多く頂いています。そして来場者からは「システムからデバイス、計測器、ネットワーク関連機器を一堂に見ることのできる場としては日本最大規模なので、非常に見応えのある展示会だ」「併催のセミナーは最新トレンドが聴ける場として利用している」といったご感想を頂いています。

――:出展社数が急激に増えていますね。

高澤氏:光通信の専門展であるFOEを引き続き開催しながら、映像伝送を加えて通信放送として大きく生まれ変わるというのが、今年の大きなテーマです。以前からFOEでは4K・8K伝送の光製品の展示がありましたが、光通信だけで区切ってしまうと網羅できない映像関連製品もありました。例えば放送に近いマルチスイッチャ、エンコーダ、デコーダといった製品が新たに展示されますので、光製品と一緒に見ることが出来ます。また、ドローンなどの無線機とモバイル通信インフラを使ったリアルタイムの映像伝送という展示など、今までにない新しい製品や技術を見ることができる点が、今年の大きな特長の一つとなっています。

土屋事務局長:映像伝送の専門展が加わるということで、数年ぶりにFOEへ出展される企業もあります。例えば古河電工は、光関連の商材だけでなくCATV向けの商材も豊富にラインナップしていることから、今回ご出展されます。また、光ファイバ自体が映像関係に使われますので、海外メーカーのローゼンダールネクストロムといったケーブルの製造に関する商材をお持ちの企業が数年ぶりにご出展されるというケースもあります。こうした例もあり、映像伝送の分野とFOEの相乗効果は非常に高いと感じています。FOEに出展して映像伝送の製品も展示する、またVCOMに光通信の部隊と一緒に出展するという企業も多くいらっしゃいますので、ご来場の際はFOEとVCOMの両方をご覧頂くと見逃すことが無いと思います。

高澤氏:海外パビリオンでは、従来からのドイツ、中国、台湾、そして今年は新たに欧州パビリオンが加わります。これはEUが立ち上げた通信技術を持った中小企業を輸出するプロジェクトでFOEが選ばれたことによるものです。ドイツパビリオンとは別に、EUから13社が日本で初出展します。
 また、技能オリンピックの予選として毎年開催している配線技術フォーラムですが、今年はワールドツアーに参加している海外の団体も参加する予定ですので、我々も例年以上に楽しみにしています。

通信と放送を網羅した特別基調講演を追加

――:併設の専門技術セミナーでも映像分野が増えるのでしょうか。

高澤氏:通信・放送Weekということで、従来のFOE基調講演、専門技術セミナーの他、「通信・放送の高度化に向けた取組み」をテーマとした特別基調講演を追加し、通信と放送を如何に融合していくかについて3名のキーマンにご講演いただきます。
 通信と放送の融合が進むにつれ、メーカー同士のビジネスの融合が重要になってきます。その中で、国の政策や法律を今後どのようにしていくのか関心が高まっています。そこで今回は最初に、総務省 総合通信基盤局 局長の富永昌彦氏から「2020年代に向けた情報通信政策について」をテーマに解説して頂きます。
 続いては日本放送協会 放送技術研究所 所長の黒田徹氏から「2020年へ、その先へ、放送サービスの高度化に向けた取り組み」をテーマに解説して頂きます。放送事業者側の講演として、NHKは東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年に最高水準の放送・サービスを実現するために、技術的にも伝送方式に関しても様々な取り組みをされています。講演では8Kスーパーハイビジョンを中心に、放送サービスの高度化に向けた研究開発を紹介して頂きます。黒田所長は本展に対し「日本でこういうイベントはあったほうが良い」と、今回の講演を快諾いただきました。我々もこのトピックの注目度は高いと感じています。
 3つ目の講演ではNTTぷらら 代表取締役社長の板東浩二氏より「映像配信サービスにおけるNTTぷららの今後の事業戦略」をテーマに解説して頂きます。ネット環境を使った映像配信サービスというのは、通信・放送の両分野から非常に注目が高まっています。日本最大手のNTTぷららは300万加入という大台を突破し、更に伸びていますので、今回はその事業戦略について語っていただきます。日本で最初に商用サービスを開始したひかりTV 4Kサービスへの取り組みをはじめ、スマートフォン向けの映像配信、コンテンツ制作を含めた他事業者との協業、さらにはクラウドゲーム・音楽配信・映像コミュニケーション等、テレビを中心としたマルチサービス、マルチデバイスについて触れて頂きます。

土屋事務局長:通信業界を扱うFOEの基調講演でも例年1,000名を収容できるホールが満席になってしまいます。今回の特別基調講演では通信業界だけでなく放送業界も対象になりますので、早期に満席となることが予想されます。ぜひ早めにお申込み頂ければと思います。

――:FOE基調講演や技術セミナーも従来通り開催されるのですね。

高澤氏:はい。今年は従来のセミナー数に特別基調講演を加えたため、より多くの講演からお選び頂けます。
 今年のFOE基調講演はモバイル5G、データセンタ、IoTにおける光ネットワークをテーマとしました。昨年の基調講演でお話のあったGoogleのデータセンタが示すように、データセンタにおける光伝送の需要は増えています。今年もその流れを引き受けて、Facebookの本国でネットワーク関係の技術を見ているKatharine Schmidtke氏をスピーカーとしてお招きしました。モバイル5Gに関してはNTTドコモの井上常務、IoTに関しては三菱電機の大久保副社長から最新トレンドを解説して頂きます。
 通常のFOE技術セミナーの方でも最新トレンドも聴ける場ということで、データセンタ、モバイル5G、アクセス、シリコンフォトニクスを扱います。また、既設のファイバを使った映像のIP配信の注目が高まっていることから、映像配信市場の急成長ということで、Netflix、ドコモ、NTTの戦略や技術の最新動向を語って頂きます。Netflixは昨年までコンテンツホルダーとしてブランディングしていましたが、現在アメリカではネットワーク部分を強力にアピールしており、今後は日本でも…ということで、ご講演頂くことになりました。

同時開催展とのシナジー効果

――:併設展を合わせると計1,540社の出展とのことでしたが、それぞれの展示会に繋がりはあるのでしょうか。

高澤氏:Photonixはもともと光技術として一緒に開催していた展示会ですので関連性は高いです。そして今回、映像伝送のVCOMが入ることにより映像ディスプレイを扱うファインテック ジャパン~液晶・有機EL・センサ 技術展~との関連性も高まりますので、放送事業者、テレビメーカーなど関連の来場者が多数行き来されると思います。

土屋事務局長:また、VCOMには自治体・セキュリティ関係の皆様からご来場お問合わせも増えております。今までと異なる来場層となりますので、展示会の来場者数だけでなく、ブースの集客数も一気に変わるのではないかと予想しています。

会期の3日間を効率的に

――:来場者へのメッセージをお願いします。

高澤氏:今年から出展社の検索サイトをリニューアルしました。製品写真が出て、どういう特徴があるのか視覚的にすぐ判るようになっています。出展社軸で検索することもできれば、タブを切り替えると製品ごとに見ることもできます。
 検索範囲も併設展を含めた1,540社、9,000製品を一回で検索できますので、事前に見たい製品、導入したい製品を見つけて頂き、来場前に直接、出展社にお問い合わせ頂くことで、会期の3日間を効率的に活用して頂けます。

土屋事務局長:以前から社員研修や業界団体のツアーなど、団体で来場を希望されることが多くあり、今年から団体来場登録を始めました。団体の入場がスムーズに進むよう事務局で事前に準備しますので、代表の方が皆さんに招待券を配るといった従来の手間が無くなります。また団体来場特典として、FOE基調講演(¥25,000)を無料でご提供致しますので、是非ご利用頂ければと思います。(団体来場のご詳細はこちら。申込締切:3/22)

通信・放送Week2017特集目次

通信・放送Week2017開催直前Interview
通信・放送Week2017出展予定製品【速報】