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テレダイン・レクロイとアンリツが協業し、PCI Express Gen4試験システムを構築

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 アンリツとテレダイン・レクロイ・ジャパンは9月20日、PCI Express 4.0 (PCIe Gen4)の試験自動化ソリューションを提供するために協業することを発表した。アンリツのシグナル クオリティ アナライザ-R MP1900A BERTとテレダイン・レクロイのデジタル・オシロスコープ LabMaster10Zi-AおよびQPHY-PCIe-Tx-Rxソフトウェアを統合した試験システムにより、PCI Express 4.0 (PCIe Gen4)の電気的特性試験や物理層のプロトコル解析、送信機・受信機およびリンク・イコライゼーションの試験を自動で行えるオールインワン・ソリューションを提供し、高速IC、デバイス、ネットワークの開発効率化に貢献する。
 また、この試験システムは次世代PCIe Gen5への拡張性も備え、開発設備投資コストの低減にも寄与する。

背景

 スマートフォンやモバイル端末によるデータ通信量の増加に伴い、データセンタ内のネットワークインターフェースは200G/400Gイーサネットに、通信機器バスインターフェースはPCI Express Gen4 (16 Gbps)に高速化されようとしている。さらに高速化したPCI Express Gen5 (32 Gbps)の検討が開始され、高速化への容易な拡張性、シグナルインテグリティ確保のための設計検証時間短縮、投資コスト低減は重要な課題となっている。

テストソリューション概要

テストソリューションの構成イメージ

 アンリツ/テレダイン・レクロイのソリューションは、簡単に32 Gbpsまで拡張することができるので、PCI Express 5.0 (PCIe Gen5)の要求仕様に適応したエンドツーエンドソリューションをいち早く構築することができる。このソリューションにより、Complianceテスト項目のTransmitter Test、Receiver Jitter Tolerance Test、Tx/Rx Link Equalization Testの自動測定が可能になる。

  • 容易な拡張性:PCI Express 1.0 (2.5 Gbps)から5.0 (32 Gbps)までソフトウェアで拡張可能
  • 設計検証時間の短縮:イベントトリガによる解析機能や高速キャリブレーションアルゴリズムを備えたAutomation softにより波形校正、検証時間の短縮が可能
  • 投資コスト低減:同一のハードウェアでPCI Express 5.0へ拡張でき投資コスト低減が可能

シグナル クオリティ アナライザ-R MP1900Aの特徴

 シグナル クオリティ アナライザ-R MP1900Aは 32.1 GbpsまでのBit rateをカバーする高速BERTであり、高精度のリンク・トレーニング/イコライゼーションとリンク・トレーニング・ステータス・ステート・マシーン(LTSSM)解析を実施することができる。同機は、10タップのエンファシス付きパルスパターンジェネレータ、クロックリカバリ付き高感度エラーデテクタ、12 dBのコンテイニュアス・タイム・リニア・イコライザ(CTLE)およびPCI Expressの受信機試験で必要なリンク・ネゴシエーション機能を実装している。MP1900Aは残留ジッタ115 fs rmsの業界最高レベルの高品質波形により、信頼性の高いジッタとノイズのトレランス試験のサポートに加え、イーサネットに要求されるPAM信号発生、受信機能を有している。1台で200G/400GイーサネットとPCI Express評価に対応可能であり投資コストを従来に比べ、約50%低減を可能する。

デジタル・オシロスコープ LabMaster10Zi-Aの特徴

 デジタル・オシロスコープ LabMaster10Zi-Aは、PCIe Gen4の送信機試験と受信機試験の校正に必要とされる25 GHzの帯域を持ち、次期シリアル規格である32 Gbpsや、さらに高速の規格に対応するために帯域アップグレードが可能だ。LabMaster10Zi-Aと近日発表されるQPHY-PCIe4-Tx-Rxソフトウェア・オプションは、PCIe Gen4の送信機、受信機、リンク・イコライゼーション試験で必要な試験をアンリツのMP1900Aと連動させて自動的に実施することができ、設計検証期間の短縮に貢献する。PCI Expressインターフェースのデバッグは実装されたアイパターン解析、ジッタ解析およびプロトコル情報を波形の上と表形式で表示するPCI Expressデコード機能を活用することで、直感的かつ簡便に行うことができる。

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