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5G NR信号帯域幅とキャリアアグリゲーションで、チップセット、デバイス、基地局の性能検証を実現【キーサイト・テクノロジー合同会社】

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 キーサイト・テクノロジー合同会社は5月22日、業界初となる5G New Radio (以下、5G NR)対応のPROPSIM 5Gチャネル・エミュレーション・ソリューション を発表した。キーサイトのPROPSIM 5Gチャネル・エミュレーション・ソリューションにより、チップセット、デバイス、ネットワーク設備メーカーは、ラボにおいて実際の無線状況でエミュレーションを実行し、最新の4Gおよび5G基地局や携帯デバイスのエンドツーエンドシステム性能の特性を評価することができる。
 5G NRを展開するには、最大20 Gbpsものデータ転送速度を達成する高度なテクノロジーが必要になる。信号帯域幅の拡張、ミリ波周波数、ハイブリッドビームフォーミングによるMassive MIMOのテクノロジーを用いることで、無線伝搬チャネルをより効果的に利用し、より高速なデータレートを実現する。そのため設計者は、実際の複雑な3D フェージングと干渉チャネル条件下において、マルチモードデバイスと基地局のエンドツーエンドの性能検証を行う必要がある。
 こうした要求に対応するため、キーサイトのPROPSIM 5Gチャネル・エミュレーション・ソリューションは、全ての5G NR信号帯域幅、キャリアアグリゲーション(CA)方式に対応し、Massive MIMOチャネル・エミュレーション・テスト用に最多のフェージングチャネルを提供する。このソリューションにより、ユーザが規定する3D空間シナリオや動作のダイナミックモデリングのための最先端チャネルモデリングツールが統合される。サブ6 GHzおよびミリ波周波数にわたって有線接続と無線(Over-The-Air:OTA)両方のテストを実行できる。
 同社Wireless Device and Operators Segmentのバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーであるKailash Narayanan氏は「PROPSIM F64チャネルエミュレーターの販売開始により、キーサイトは5G NR対応のチャネル・エミュレーション・ソリューション製品を全5G NR信号帯域幅とキャリアアグリゲーション方式にわたって提供する、最初の企業になった。新しい5Gチャネル・エミュレーション・ソリューションは、現実的かつ再現可能なエンドツーエンド性能テストをラボで行えるようになり、5Gの展開に必要なネットワークを実際にエミュレーションすることができる」とコメントを出している。
 5G向けPROPSIMは、キーサイトのエンドツーエンド・ネットワーク・エミュレーション製品群と完全に統合され、研究開発から設計検証、製造に至るまで、デバイスのワークフロー全体に対応する。これによりユーザは、5G NRデバイスのプロトコルレイヤ・無線周波数(RF)性能の検証ができるようになり、5G フェージングチャネル条件下でのビーム管理、データスループット、安定性のための主要性能インジケータへのアクセスも獲得できる。
 2017年12月には、キーサイトは業界で初めて5G NR対応ネットワーク・エミュレーション・ソリューションの販売を開始している。モバイルエコシステム全体にとって共通のスクリプトエンジンを備えるインタラクティブな5Gスタックとツール群という、この有益なソリューションにより、部門間でのワークフローの分断をなくし、コスト効率の高いテストを実現している。

PROPSIM 5Gチャネル・エミュレーション・ソリューション によるエミュレーション。