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ADVA Optical Networking社と販売代理店契約を締結、Oscilloquartzの取り扱い開始【東陽テクニカ】

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 東陽テクニカは、時刻同期関連製品として、仏・Orolia SAグループ配下のSpectracom社のタイムサーバ「SecureSync」や米・Spirent Communications社の高精度時刻同期PTP負荷装置「Spirent TestCenter」を提供してきた。
 東陽テクニカは6月8日、最先端の時刻同期技術を持つ老舗クロック専業ベンダであるスイス・Oscilloquartz社を傘下に収める独・ADVA Optical Networking 社(以下、ADVA Optical)と、日本における販売代理店契約を締結したと発表した。Oscilloquartz製品の取り扱いを開始することで、ラインアップを強化し、時刻同期ソリューションビジネスをさらに加速させていくという。
 その第一弾として、オシレータ内蔵機器の一次標準原器である光励起セシウム発振器「OSA3300」を2018年9月より販売する。

時刻同期マーケット

 時刻同期は個々の機器が持つ絶対あるいは相対時間を同期させることであり、我々の生活や国家の安全に欠かせない技術だ。特に、リアルタイム性を重視する電力や交通などの社会インフラストラクチャーや移動を伴う携帯電話、制御系、防災、軍事防衛、そして昨今話題の自動運転と幅広い分野で、その絶対的基準と精度が不可欠な技術として利用されている。
 この生活・産業活動に不可欠な時刻同期の中でも、特に軍事、金融、放送・通信の分野で、東陽テクニカは長年にわたり安定した校正および検査技術の提供を通じ、時刻同期技術の発展を支えてきた。
 現在、軍事分野では、GPS を用いた時刻同期はジャミングなどによって引き起こされるセキュリティ脆弱性のために、よりセキュアな技術が要求されている。金融分野においては、昨今増加し続ける高速電子取引において、より精度の高い安定したタイムスタンプが必須とされている。ヨーロッパでは2018 年1 月よりMiFIDⅡが施行され、全ての金融取引においてさらに高度な時刻同期の実現が義務付けられた。また、モバイル通信分野では5G の商用開始に向け、通信が途切れないよう時刻が一時たりともズレることを防ぐことが重視されており、基地局と端末間の時刻精度の安定した運用の検討が始まっている。
 東陽テクニカは「今回のADVA Optical との契約締結によってクロック事業の老舗であるOscilloquartz 製品の取り扱いを開始することで、これら3 分野のラインアップを強化し、品質担保からセキュリティ対策までトータルに製品・ソリューションを提供していく」とコメントを出している。

光励起セシウム発振器「OSA3300」

光励起セシウム発振器「OSA3300」

 9月より販売が開始されるOscilloquartz の光励起セシウム発振器「OSA3300」は、オシレータ内蔵機器の校正器として一次標準原器となる。また、ITU-T G.8272.1 ePRTC において、マスタークロックが外れた場合でも最大14 日間(Class A)、高精度の時刻同期を保持できる製品だ。さらに、現在検討段階にあるClass B(最大80 日間)についても策定され次第対応予定だという。特長は次の通り。

  • 従来のセシウム標準器以上の高確度周波数出力
  • 10年間高確度を維持
  • 運用ネットワークに必須の電源冗長構成
  • 確実なタイミング同期保持、GPS 信号のバックアップ運用に最適