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産業用ネットワークと商用ネットワーク用「ケーブル+ネットワーク・テスター」2機種に、ピング・テスト等の機能追加【フルーク・ネットワークス】

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ケーブル+ネットワーク・テスターにピング・テスト機能を追加。

 テクトロニクス&フルーク (以下、フルーク・ネットワークス) は3月31日、「LinkIQケーブル+ネットワーク・テスター Ver.1.1 拡張版 (以下、「LinkIQ Ver.1.1 拡張版」) と、産業用イーサネット・ネットワークの障害の主な原因を特定できる「LinkIQ-IE 産業用ケーブル+ネットワーク・テスター Ver.1.1 拡張版」(以下、「LinkIQ-IE Ver.1.1 拡張版」) の、新製品 2 機種を4月5日より提供開始すると発表した。

 「LinkIQ Ver.1.1 拡張版」の価格は327,800円~ (税込)。「LinkIQ-IE Ver.1.1 拡張版」は LinkIQ に「MS-IE 産業用イーサネット・アダプター・セット」が付属し、価格は388,300 円 ~ (税込)となる。
 フルーク・ネットワークスは「初年度における売上目標として計1,000台をめざす」としている。

現場技術者や産業用ネットワーク・企業ネットワークの要望に応えた、新機能や使い勝手を実現
 フルーク・ネットワークスは「一般に障害のほとんどはケーブル回りの物理層で発生するが、ケーブルに問題がないと判った場合には、スイッチに正しく接続されているか、接続先のスイッチのポートのVLAN 設定が正しいのか、設計通りの速度で接続されているか、あるいは PoE 接続であれば、PSE (給電機器) が PD (受電機器) 側に必要な電力を提供できるのかを検証する必要がある」と指摘する。

 ほとんどのトラブルは、従来の「LinkIQ」、「LinkIQ-IE」が備えたケーブル試験やネットワーク試験機能でカバーできていたが、ケーブルも問題なく、スイッチの設定も正しいことが確認できた場合、それ以上の診断は現場では不可能だった。フルーク・ネットワークスは「そのような場合には現場作業者はネットワーク管理者あるいはネットワーク技術者に支援を仰ぐか、外部のネットワーク保守・管理業者に緊急のトラブル対応を依頼しなければならなかった。そのため、問題発生後の診断着手から解決に至るまでの時間もより長くかかることとなり、企業全体に対する金銭的、時間的な損失も増大してしまう」と説明する。

 そこで、今回発表された「LinkIQ Ver.1.1 拡張版」、「LinkIQ-IE Ver.1.1 拡張版」では、ピング・テスト機能が追加されたことにより、それぞれの「ケーブル+ネットワーク・テスター」が、接続されたスイッチを超えた先の TCP/IP ネットワークのネットワーク障害のトラブルシューティングが可能になった。
 このピング・テスト機能を活用することで、通信経路のどの機器までが通信できているのかの診断ができる他、DHCPサーバやDNSサーバ、あるいはルータが正しく動作しているかどうかの死活試験や、ルータ前後の通信の疎通性も試験することが可能になった。さらにピング・リクエストに対する応答時間であるラウンド・トリップ時間を知ることで、トラヒックの輻輳状況の判断も可能になる。
 このように、現場のネットワーク・エンジニアが対処できる範囲がTCP/IPネットワークの障害診断まで広がることで、これまで障害原因を究明できないために、上位のネットワーク・エンジニアや管理者、あるいは、外部の保守業者に頼らざるを得なかった問題も、現場で迅速な解決ができるようになる。さらに、「LinkWare PC ケーブル・テスト管理ソフトウェア」の文書化機能を活用することで、これらの問題の発生時に正確で速やかな上位技術者との情報のシェアが可能となった。

「LinkIQ Ver.1.1 拡張版」、「LinkIQ-IE Ver.1.1 拡張版」の新機能

  • マルチベンダPoE機器の相互運用性を保証するイーサネット・アライアンスPoE 認証を取得
  • 最寄りの接続スイッチ情報 (スイッチ名、IP アドレス、ポート番号、MACアドレス、VLAN) の確認
  • IP設定とピング (Ping)テストによるTCP/IPネットワークの疎通試験:主要なネットワーク・デバイスへの接続性と応答時間を、画面にワンタッチするだけで確認ができる。LinkIQ は、IPv4またはv6のピング・テストを実行するように設定でき、ユーザが選択したターゲット・デバイスへの4回のピング・テスト結果の応答時間を表示する。テスト結果には、DNSサーバとDHCPサーバ、およびゲートウェイ (ルータ) が表示される。また、LinkIQは最も近いスイッチのIPアドレスを表示する。LinkWare PCの新バージョンでは、テスト・レポートにこの情報が含まれている。
  • ゲートウェイとDNSサーバの応答性と可用性の確認
  • 2ペア・ケーブルのテスト (産業用ネットワーク用「LinkIQ-IE Ver. 1.1 拡張版」):産業環境で広く使用されている2ペア・ケーブルに対して、最大100Mbpsのケーブル性能テストを指定できる。
  • 多言語サポート (日本語対応):「LinkIQ Ver.1.1 拡張版」、「LinkIQ-IE Ver.1.1 拡張版」のユーザ・インタフェースが 12 の言語に対応し、日本語にも対応している。
  • レポート作成機能の向上:業界で事実上の標準として使用されているレポート作成ソリューションである「LinkWare PC ケーブル・テスト管理ソフトウェア」の新バージョンも用意されている。拡張されたネットワーク・テストを含むレポートが提供され、ユーザは試験結果をその場で保存後、PCへダウンロードできるため、試験結果の速やかな情報共有ができる。

産業用イーサネットでの配線やネットワーク問題を迅速に解決

 現在、産業用イーサネットがファクトリー・オートメーションの有力な技術になるにつれて、そのメンテナンスとサポートは非常に重要になってきており、ネットワークをトラブルシューティングするための使いやすいツールのニーズも急速に高まってきた。
 「LinkIQ-IE Ver.1.1 拡張版」は、産業用イーサネット・ネットワークの障害のほとんどを占めるケーブルの性能問題およびネットワーク機器の設定問題のトラブルシューティング用に設計された産業用ケーブル+ネットワーク・テスターだ。
 付属の「MS-IE 産業用イーサネット・アダプター・セット」により Ethernet/IP、PROFINET、EtherCAT、CC-Link その他 産業用イーサネット・プロトコルで使用される RJ45、M12X、M12D、M8D コネクタで成端されたケーブルの誤配線やスプリット・ペア (対分割) を特定し、10BASE-T~10GBASE-Tのケーブル帯域幅を検証する。
 ケーブルがスイッチ・ポートに接続されている場合は、「LinkIQ」はスイッチの名前に加えて、ポート名、速度、全二重/半二重を表示する。PoEがアドバタイズされている場合は、クラスと電力 (最大90Wまたはクラス8) が表示され、その後スイッチに負荷をかけて実際に電力が供給できることを確認する。

産業用途に有効な新機能

  • 最大ケーブル接続速度を認識 (最大10Gbps)
  • スイッチ・ネゴシエーションと PoE実負荷試験を使用したPoEデバイスの設置とトラブルシューティング
  • 接続されたスイッチ情報 (スイッチ名、ポート番号、VLAN) の識別
  • 「LinkWare PC ケーブル・テスト管理ソフトウェア」を使用したテスト結果の文書化:フルーク・ネットワークスの 「LinkWare PCケーブル・テスト管理ソフトウェア」を使用して簡潔な合否テスト・レポートを提供し、PoE対応スイッチを含むスイッチの性能検証結果の共有が可能。

ケーブル他端の状態や接続機器に基づいて、1回のボタン操作で自動的に適切な測定結果を提供できる。他端がオープン (開放) のケーブルの場合、ケーブルの長さとワイヤの組み合わせを表示し、ケーブルが付属のリモートIDで終端されている場合、テスト結果は、ケーブルがサポートできる最大データ・レート(最大10Gbps)を示す。