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つくばフォーラム2026開催記念「NTT AS研 小松所長インタビュー」【3:無線通信技術】

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無線通信技術

マルチ無線プロアクティブ制御技術「Cradio ®」

通信断が許容されないリアルタイムアプリケーションの拡大に対し、Cradio ®による無線アクセスの更なる高品質化が役立つ。

 Cradio ®は、無線アクセスネットワークの高品質化に寄与している技術。複数の技術を組み合わせたソリューションであり、ネットワーク運用データや外部システムとの連携、多次元要素を考慮した無線設計自動導出、無線センシングによるリアルタイム環境把握、広域の品質予測・マルチ無線制御の協調により、環境・需要変化時にも高品質アクセスを維持する。
 小松所長は「これらのデータを入力することで、無線がどのように伝搬しているかを把握し、品質を予測し、設計・制御をワンストップで提供できるので、基地局の設置やパラメータの割り当てを最適化できる。この総合的な技術により、公衆セルラー、Wi-Fi、ローカル5G、IoT無線といった複数の無線アクセスを高度に組み合わせることもできるので、遠隔運転や自動運転、スマートファクトリー、建設現場のDXなど先進的な取り組みの実現を支える」と説明している。
 Cradio ®の強みは次の通り。

モバイル通信品質向上に直結する機能群:モバイル運用データの分析。混雑度を考慮した品質予測。地域事情を考慮した設計制御。

リアルタイムな環境変化の把握・センシング:無線センシングによる障害物・人流把握。いち早くトラブル把握する無線モニタリング。

場所ごとの特性を加味した精緻な無線品質予測:複数の無線方式の同時予測が可能。自動運転向け、無線品質の広範囲予測が可能。

Cradio ®のユースケース例。自動運転のような、絶対に途切れてはいけない無線アクセスが広範囲で必要な場合でも、Cradio ®ならば様々な無線区間を移動しても途切れない最適な通信を提供できる。

ミリ波分散MIMO技術のフィールド実証およびvRAN活用の取り組み

ミリ波分散MIMOのイメージ。

 5GA/6Gにおける高速・大容量無線アクセス実現のために有効なミリ波の移動体活用には、ミリ波分散MIMOが有望視されている。小松所長は「周波数が高いミリ波は指向性が強いため、従来のように一つのアンテナで周辺をカバーするのではなく、複数のアンテナを設置することで、遮蔽のある環境でも通信品質の安定化や大容量化を実現できる。昨年度は分散アンテナ切り替えによる通信品質安定を実証し、今年度は信号多重による高速・大容量化を実証している」とし、「今後は、vRANを活用することでベースバンド処理をソフトウェア化し、分散MIMO技術の早期実装によるミリ波の活用領域の拡大をめざす」と説明している。

ミリ波分散MIMOのためのビームサーチ技術。アンテナ数に比例して増加するサーチ時間を1アンテナと同等に抑えつつ、通信品質安定化と大容量化を実現する。

低軌道衛星MIMO/IoT軌道上実証実験

低軌道衛星MIMO/IoT軌道上実証実験のイメージ。

 NTTは、衛星通信の地上・衛星・端末間の大容量化ニーズを受け、大容量衛星MIMO/IoT多端末収容実現をめざしている。JAXAとの共同実験が進められており、 「小型実証衛星4号機(RAISE-4)」による軌道上実証に参画、2025年12月14日の衛星の打ち上げを受け、2026年2月よりRAISE-4での定常運用を開始している。
 NTT技術のポイントは、時間周波数非同期MIMO干渉補償技術により、MIMO伝送の遠隔無線地上局利用を可能とし、大容量化を実現する。また、IoTマルチプロトコル一括受信技術によりIoT信号を衛星で一括波形保存し、地上で復調することで複数方式受信を実現する。
 小松所長は「本技術では、衛星から最大3つの異なる信号を同一周波数で送信し、遠隔に配置された無線地上局で受信し、基地局に集約後、干渉補償処理により信号を分離する。これにより、フィーダリンク20Gbps、IoT端末100万台収容の大規模衛星センシングサービスの実現をめざす」とし、「約1年の実証実験を経て、チャネル予測・分離精度安定化の技術確立を検討する。既に2×2 MIMO実験において、受信コンスタレーションの収束を確認した。この低軌道衛星によるMIMO伝送は、世界初の実証成功となる」と説明している。

衛星大容量化に向けたMIMO通信における干渉補償。

ブロックチェーンを用いた無線アクセス共用技術によるWi-Fi提供

 トラフィックの増加が進む中、無線設備・リソースの増強が求められている。小松所長は「市中のWi-Fi APは増えているものの、今後も増やし続けるのは難しい。そこで、個人や法人が占有している既存のAPを共用することで効率化する研究を進めており、ここで課題となる安全な共用と高品質化に関する技術に取り組んでいる」と話す。
 この技術では、ブロックチェーンの特徴である本人性の確認や相互検証の機構、耐改ざん性を活かして、APの共用における安全を確保する。また、ブロックチェーン上の情報からAPごとの品質に合わせ、自律分散的に端末収容を最適化し、通信品質を向上できる。
 小松所長は「様々な所有者のAPの共用を促進することで、社会全体での無線設備のコスト低減や省エネ化を達成する。今回、つくばフォーラム会場のWi-Fiにも本技術を適用するので、スタンプラリー等のイベントを通じてご来場の皆様に体感していただける」と説明している。

ブロックチェーンを用いた無線アクセス共用技術と市中技術の比較。

移動体無線を大容量化するWiGig

WiGigを用いた移動体無線の利用イメージ。

 60GHz帯無線LANであるWiGigは、大容量かつ小型で免許不要という優れた運用性が注目されており、産業DX、モビリティ高度化の遠隔センシング、遠隔操縦等のニーズに対応する大容量無線として期待されている。
 小松所長は「60GHz帯は指向性が強いので、無人搬送台車などの移動端末側のランダムな動きに追従しきれずに通信断が発生するという課題がある。そこで、移動端末側に複数の無線部を備え、それぞれが適切な基地局と接続するという選択制御により、通信断を回避した安定伝送を実現する技術に取り組んでいる」とし、「この技術により、工場自動化、自動運転、施工遠隔化、移動体バックホール等、多様な移動体環境で高周波数帯無線の可用性向上をめざす。こうした低コスト大容量無線で高精細映像伝送やセンサデータリアルタイム伝送を実現することで、産業DX推進やモビリティ高度化に貢献していく」と説明している。

移動体端末に複数のWiGig無線部を備えることで、方向転換などによる通信断を回避する。また、基地局を複数設置することで、工場内など遮蔽物の多い場所でも活用できる。

特集目次

NTT AS研 小松所長インタビュー

1:ミッション・研究開発の方向性

2:光通信技術

3:無線通信技術

4:オペレーション技術

5:インフラ設備(通信インフラ)

6:インフラ設備(社会インフラ)

出展社Preview(50音順)

NEC

エクシオグループ

住友電工グループ

日本コムシス

横河計測

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