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NEC、モバイルエッジコンピューティング向け基盤を開発

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サービスや状況に合わせて通信を自動で管理・制御

 NECは10月20日、次世代無線インフラのアーキテクチャの1つである「モバイルエッジコンピューティング(MEC:Mobile Edge Computing)」にも利用可能な、ネットワークを自動で管理・制御可能な基盤「IoT(Internet of Things)サービスイネーブラ」を開発したと発表した。
 本基盤は、IoTサービスで利用するセンサやカメラなどからの情報や、ネットワーク状況などをもとに、IoTサービスのネットワークリソースを自動で管理・制御する。例えば、低遅延な通信が求められる自動運転サービスと、数時間に一度の通信が求められる自動販売機の在庫管理サービスが同じネットワーク上で利用されている場合、自動運転サービスに多くのネットワークリソースを自動で割り当てる。この基盤を利用することで、ネットワークの効率的な運用を可能とし、低遅延や高速通信が必要なサービスの実現と共に、ネットワークの運用コストや設備投資の効率化に貢献する。

背景

 昨今、スマートフォンやIoTの普及により、ネットワークを利用したサービスは多様化・高度化しており、映像監視や自動運転などが実現され始めています。これらのトラフィック特性が異なるサービスを一つのネットワークで実現するためには、データ処理を高速化し、有限のネットワークリソースを各サービスに適切に割り当てる必要がある。
 MECは、データの処理機能の一部をクラウドではなく、モバイルネットワーク内に置くことで、通信距離を削減し、データ処理を高速化する。一方、サービスが要求するネットワークの性能やトラフィック特性・状況などに合わせた、適切なネットワーク制御、ネットワークリソースの割り当ては、MECだけでは実現できない。トラフィック特性・状況などに合わせてネットワークの適切な制御が可能な本基盤を導入することで、トラフィック特性が異なるサービスを一つのネットワークで実現可能になる。

特長

デバイスの情報やネットワークの状況をリアルタイムに管理
 サービスに利用するアプリケーションとのインターフェースや、3GPPで規定されたネットワークとのインターフェース、OneM2Mで規定されたセンサやカメラなどとのインターフェースを搭載している。このため、IoTサービスに利用されるセンサやカメラなどが取得した情報と、モバイルネットワークのトラフィックの特性・状況を、どちらもリアルタイムに把握・分析することが可能だ。

把握・分析した情報をもとに、ネットワークを自動制御
 各IoTサービスが求めるネットワーク性能や、センサやカメラなどが取得した情報やネットワークのトラフィックの特性・状況の分析結果をもとに、各サービスに適した、ネットワークリソースの割り当てや、ネットワークの設定変更などを自動で行う。例えば、低遅延なネットワークが求められる自動運転サービスと、数時間に一度の通信が求められる自動販売機の在庫管理サービスが利用されている場合、自動運転サービスに多くのネットワークリソースを自動で割り当てる。

 同社は「これらにより、各IoTサービスに合わせたネットワークの効率的な運用を実現し、低遅延や高速通信が必要なサービスの実現と共に、ネットワークの運用コストや設備投資の効率化、次世代通信規格5Gの実現に貢献する」としている。