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ISGが、エンタープライズ向けマネージドネットワーク サービスプロバイダに関する調査を開始

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 Information Services Group(ISG)は7月27日(コネチカット州スタンフォード)、組織のネットワーク レジリエンス強化、業務の近代化、AIを活用したビジネスニーズに対応するためのインフラ整備を支援するサービスプロバイダに関する調査を開始したと発表した。

 この調査結果は、2026年12月に発行予定の包括的なISG Provider Lensレポートシリーズ「Enterprise Managed Network Services」に掲載される。レポートでは、ネットワークトランスフォーメーション、マネージドネットワーク運用、NaaS(Network as a Service)、マネージドエンタープライズ接続サービスなどのサービスを提供する企業を取り上げる。

 ISGは「企業の購買担当者は、このレポートから得られる知見を活用して、現在のベンダとの関係を評価し、新たな契約の可能性を特定し、利用可能なサービスを比較検討することができる。ISGのアドバイザーは、この調査結果に基づき、顧客がますます複雑化する変革やプラットフォーム投資の意思決定を支援する」と説明している。

 アプリケーション、ユーザ、データ、ワークロードが複数の物理拠点とクラウド環境に分散されるにつれ、エンタープライズ ネットワークはデジタルビジネスの基盤となっている。こうした状況下で進化するビジネス要件に対応するため、企業は自動化、AI支援運用、クラウド接続、エクスペリエンス保証を組み合わせた、より柔軟な運用モデルを採用している。レガシーネットワークの近代化、セキュリティ、回復力、可視性、運用俊敏性の向上を支援するマネージドサービスへのニーズが高まっている。

 ISGのディレクター 兼 主席アナリストであるHeiko Henkes氏は「エンタープライズネットワークは、接続プラットフォームから、変化するビジネス、アプリケーション、セキュリティ要件に適応しなければならない戦略的なビジネス インフラストラクチャへと進化した。技術の急速な進歩の中で競争力を維持するためには、企業はAI対応ワークロードをサポートしつつ、運用上の複雑さを軽減するネットワークサービスを必要としている」とコメントを出している。

 ISGは、75社以上のエンタープライズ向けマネージドネットワークサービスプロバイダにアンケート調査を実施した。ISGのグローバルアドバイザーと協力し、調査チームは、ISGが顧客と協働してきた経験に基づき、一般的な企業が購入しているエンタープライズ向けマネージドネットワークサービスを表す、下記の4つのマトリクスを作成する。

ネットワーク トランスフォーメーション サービス:コンサルティング主導のネットワーク トランスフォーメーション サービスを提供し、企業の複雑性を軽減し、エコシステムを連携させ、ビジネス、セキュリティ、アプリケーション、クラウドの要件を変革ロードマップに落とし込むプロバイダを評価する。

マネージドネットワークサービスの進化:AIを活用した運用、自動化、予測分析、運用変革を通じて、企業ネットワーク環境のエンド・ツー・エンドの責任を負う、フルマネージドのエンタープライズグレードのネットワークサービスを提供するプロバイダを評価する。

NaaS(Network as a Service):マルチクラウドおよびマルチベンダ環境において、集中管理、自動プロビジョニング、エンド・ツー・エンドのオーケストレーションを通じてネットワークとセキュリティを統合する、クラウドネイティブの従量課金制サービスを提供するプロバイダを対象とする。

マネージドエンタープライズ接続ソリューション:エンド・ツー・エンドの責任、堅牢なラストマイル配信、クラウド接続、サービス保証を備えた、インドにおけるマネージドエンタープライズ接続サービスを提供するプロバイダを評価する。

 本調査の地域別レポートでは、世界のエンタープライズ マネージドネットワークサービス市場を対象とし、米国、欧州、アジア太平洋地域で利用可能な製品とサービスを検証する。 ISGのKenn Walters氏(欧州・米国担当)とYash Jethani Pradeep氏(アジア太平洋担当)がレポートの執筆を担当する。

 2026年版ISGプロバイダーレンズ評価レポートはすべて、ISGの継続的な顧客体験(CX)調査に基づき、特定のプロバイダのサービスおよびソリューションに関する実際の企業からのフィードバックを収集した、拡張された顧客体験データを採用している。

編集部備考

■今回の調査で注目すべきなのは、評価対象がネットワーク接続サービスだけではなく、SD-WANやSASE、クラウド接続、ネットワーク自動化、さらにはAIを活用した運用まで含む「マネージドネットワークサービス」全体へ広がっている点だ。

 これは、企業が通信サービスに求める価値が変化していることを示している。従来は、高品質な回線や広域ネットワークを提供すること自体が競争力となっていた。しかし、クラウドの普及やマルチクラウド環境の一般化、ゼロトラストへの対応などにより、企業ネットワークはかつてないほど複雑化している。ネットワークは一度構築して終わりではなく、継続的な監視や最適化、セキュリティ対策、構成変更への迅速な対応が不可欠なインフラとなった。

 このような環境では、「どの回線を提供するか」よりも、「複雑なネットワーク全体をどれだけ効率的かつ安定的に運用できるか」が企業にとって重要な選定基準となる。つまり、ネットワークそのものではなく、「ネットワークを運用する能力」がサービスとして評価される時代へ移行していると言える。

 この変化は、通信事業者にとっても事業モデルの転換を意味する。ネットワークインフラへの投資だけで差別化を図ることは難しくなり、運用自動化やAIを活用した障害予兆検知、クラウドやセキュリティを含めた統合運用など、継続的な運用品質そのものが競争力となる。今回のISGの調査対象は、その競争軸が既に「回線品質」から「運用品質」へ移り始めていることを示す一つのシグナルとして捉えることができるだろう。

■AIの普及は、ネットワークトラフィックを増加させるだけでなく、企業ネットワークそのものの在り方も変えつつある。生成AIやAIエージェントを業務に組み込む企業が増える中、ネットワークはAIデータセンタ、複数のクラウド、SaaS、エッジ拠点を横断して接続する基盤となり、その構成はさらに複雑化していく。

 このような環境では、ネットワークを設計・構築するだけでは十分ではない。AIワークロードの増減に応じた帯域制御、アプリケーションごとの通信品質の最適化、障害発生時の迅速な切り分け、セキュリティポリシーの継続的な更新など、日々変化する環境に合わせて運用を最適化し続ける能力が求められる。AIの導入が進むほど、「構築」よりも「運用」の価値が高まる構造になる。

 その結果、通信事業者が競争する相手も変化する。従来は他の通信事業者との回線品質や料金が主な比較対象だったが、今後はグローバルSIerやクラウド事業者、マネージドサービスプロバイダなど、企業のIT運用全体を支援するプレイヤーとも競争する場面が増えていくだろう。企業から見れば、「誰が回線を持っているか」よりも、「誰が自社のネットワークを最も安定して運用し、AI時代の業務を支えられるか」が重要になるためだ。

 近年、通信事業者各社はAI運用、自動化、AIOps、セキュリティ、クラウド連携などへの投資を加速させているが、その背景にはこうした市場構造の変化がある。今回のISGの調査は、個々のベンダを評価するだけでなく、通信業界における競争の中心が「ネットワークの所有」から「ネットワークを継続的に最適化する能力」へ移りつつあることを映し出すものとしても興味深い。AI時代の通信事業者には、ネットワークを提供するだけではなく、企業活動を支える運用プラットフォームの担い手としての役割が、これまで以上に求められていくのではないだろうか。