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コマツとNVIDIA、建設現場におけるAIの導入で協業 建設現場の安全と生産性の向上を目指す

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 コマツとNVIDIAは、12月13日に開催されたNVIDIA主催のGPUテクノロジイベント「GTC Japan 2017」での基調講演において、AIを導入することで建設現場の安全と生産性を高めていくパートナーとして協業していくことを発表した。

建設業界が抱える課題

 日本の建設業界は、高齢化や熟練工の減少などによる深刻な労働力不足が課題となっており、技能労働者約340万人(2014 年時点)のうち、1/3にあたる約110万人が今後10年間で離職する可能性が高いことが想定されている。
 これらの課題に対処するためコマツは、2015 年以降「スマートコンストラクション」事業を展開し、建設現場に携わる人・モノ (機械、土など) についてのさまざまな情報をICTでつなぎ、建設現場の安全、生産性を向上させている。同事業は累計で、国内の 4,000以上の建設現場に導入されており、世界への展開も視野に、これからも増え続ける予定るだという。

AI によるコマツのスマートコントラクション事業の拡大

 コマツは今後、スマートコンストラクションの現場にNVIDIAのGPUを導入していくとしている。同社のGPUはコマツのパートナーでもあるSkyCatch社のドローンと通信し、3D画像を収集して地形データを作成、可視化する。また、IoT管理ソフトウェア企業のOPTiM社は、現場の地形情報に紐付けて、GPUで認識した人や建機を可視化するためのアプリケーションを提供する。
 この協業の中心となるのは、エッジでAIコンピューティングを提供するNVIDIAのプラットフォーム、NVIDIA Jetsonだ。同社のクラウドテクノロジーと連携するJetsonは、コマツの建機に搭載されることで、建機の周りにいる人や機械を直ちに認識できる360°映像が提供可能となり、接触や衝突などの事故を防ぐ。
 さらにJetsonは、建機の運転席に設置されているステレオカメラにも使用され、刻一刻と変化する状況をリアルタイムに認識し、建機のオペレーターに的確な指示を与えることを可能にする。
 また、将来的には、機器の自動制御に加えて、建設現場や採掘現場の高解像度レンダリングや仮想シミュレーションなどに利用される予定だという。
 コマツは「今後、NVIDIAが持つ画像処理や仮想化、AIに関する技術やノウハウを活用することでスマートコンストラクション事業をさらに推進し、“未来の現場”の実現を加速させていく」とコメントを出している。