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世界初の超高速「モード選択」光源を実現【九州大学】

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AI・ビッグデータ解析のさらなる進展へ期待

 九州大学大学院総合理工学研究院の浜本貴一教授の研究グループは3月12日、戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)の「レーザーダイオード及び、光学部材の高精度実装技術開発」の一環として、超高速「モード選択」光源を世界で初めて実現したと発表した。スーパーコンピュータ内の配線速度は近い将来、毎秒1テラビット超級となることが予想されており、半導体レーザー光を用いた光配線技術が注目を浴びている。今回実現したモード選択光源は、テラビット級の高速動作を1素子で実現できる新しい半導体レーザー(従来性能比10倍以上に相当)で、IT機器内の信号伝送速度(配線速度)の飛躍的向上実現が可能となり、スーパーコンピュータ内配線への適用にとどまらず、将来のパソコンやスマートフォンなどの小型IT機器内への波及・適用が期待される。
 この研究成果はOFC 2018で発表された。
 同研究グループは「異なる空間モードのレーザー発振を初めて見たときは、とても嬉しかった。この成果が、将来の社会の発展に役立つことを期待している」とし、「パソコンやスマートフォンなどの小型IT機器は年々進化しているが、将来の更なる発展のためには配線速度の向上が欠かせない。例えば将来は、8Kテレビなどの高解像度動画の送受信だけでなく、その場の状況や体調に合わせた食事メニューの提案、体調・病気診断、運転中の事故・アクシデント等回避、天気や花粉、黄砂の現地詳細予測など、複雑な事象のその場解析・予測等が実現できるようになると期待される」としている。