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IBMから5Gで用いられるミリ波RF-IC技術のライセンスを受け、次世代のミリ波RF-ICを開発推進【フジクラ】

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 フジクラは8月7日、米国IBMから5G関連のミリ波RF-IC(Radio Frequency Integrated Circuit、高周波IC)技術のライセンスを受けることで合意し、これに基づいて次世代のミリ波RF-ICを日本で初めて製品開発すると発表した。

図1: RFモジュールの製品イメージ

 今回の合意により、フジクラはIBMのチップ及びパッケージ設計とフジクラの基板技術・アンテナ技術を組み合わせ、次世代の28GHz帯RF-ICを開発する。フジクラは「自前のRF-IC製品を確立することにより、高性能な5G向けミリ波無線通信デバイスの開発を加速していく。また、弊社はIBMが保有するRF-ICに関する特許の実施権を得て、RF-IC・RFモジュール(図1)を携帯基地局ベンダや顧客構内端末設備(Customer Premises Equipment:CPE)ベンダ向けに提供していく」としている。
 5Gは、従来の移動通信システムを発展させた「超高速」だけでなく、「多数接続」、「超低遅延」といった新たな機能を持つ次世代の移動通信システムであり、IoT時代のICT基盤としての発展が期待されている。高精細映像の伝送、多数のセンサの活用など、様々な分野でのサービス提供が期待され、自動車分野も5Gの有力な応用分野と考えられている。この5Gを実現するために、新しい周波数として高速大容量通信が可能な28GHz帯等のミリ波の利用が各国で計画されている。

図2:ミリ波無線装置とRFモジュール

 米国では既に大手携帯通信会社によるミリ波での商用サービスが開始されており、日本でもミリ波を含む周波数帯の割当が決まり、来年から商用サービスが開始される予定だ。今後、携帯基地局向けやCPE向けに、重要な構成要素であるミリ波RF-IC・RFモジュール(図2)の需要の飛躍的な拡大が見込まれる。日本における5G用周波数割当に関する総務省発表資料(2019年4月)によれば、2024年度末までに国内の5G基地局等の投資額は合計1.6兆円を超える規模となることが見込まれ、また28GHzの基地局の面積あたりの数は、現在の数100倍になるとの試算もある。
 IBMはミリ波RF-ICの研究開発を14年以上にわたり行い、同分野における設計関連で数々の賞を得ている。一方、フジクラは、高性能なミリ波無線通信デバイス実現に向け、光ファイバで蓄積した高周波領域の電磁波応用技術や、光ファイバやフレキシブルプリント基板で培った材料・実装技術をベースに、これらの技術を総合して、アンテナ、RF回路設計及び基板実装に関する技術開発を進めてきた。フジクラは「IBMの技術サポートを受けてチップ開発を進め、同じ周波数帯域でより多くのモバイル利用者を収容し、かつ今日よりもはるかに高速で、有線ブロードバンド並の通信速度を提供できる携帯基地局実現に向け、キーデバイスの提供を目指す」としている。