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ホワイトボックス型光伝送装置向けオープンソースOS「Goldstone」に貢献【NEL】

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 NTTエレクトロニクスは11月13日、ホワイトボックス型光伝送装置に大容量のコヒーレント光トランシーバを柔軟に実装可能とする、装置組み込みソフトウェア(OS)「Goldstone」の構築プログラムをオープンソースとしてTelecom Infra Project (以下、TIP)に提供すると発表した。
 GoldstoneはOpen Compute Project (OCP) やTIPなどのオープンソースプロジェクトの成果を組み合わせた装置組み込みソフトウェア(ネットワークOS)で、同ソフトウェアを含まないハードウェアのみのホワイトボックスにインストールすることで、大容量のコヒーレント光トランシーバとの組み合わせによる光伝送システムを柔軟にインテグレーションすることが可能となる。TIPが提唱している、ハードウェアとソフトウェアを分離することで、個別に最適な最新技術の適用や継続的な性能改善を迅速に行うことのできる環境が実現できる。
 Goldstoneは、OCPで開発されたOpen Network Linux(ONL)をベースOSとすることで、多様なホワイトボックスプラットフォームのサポートを可能にしました。その上でKubernetesによるコンテナベースのアプリケーションマネジメントを採用し、ソフトウェア構成の柔軟性を実現している。EthernetスイッチASICの制御にはSONiC/SAI、コヒーレント光トランシーバの制御にはNTTが開発をリードするTAIを利用する。Goldstoneのモジュール型アーキテクチャにより、将来的にはEthernetスイッチASICを含まない従来型トランスポンダやROADM、光ファイバアンプなどのラインシステムのOSとしての利用も可能だ。
 GoldstoneはEdgecore社のホワイトボックスプラットフォームCassini向けプロトタイプネットワークOSとして開発が開始された。現在では五つ以上の組織でCassiniの評価のために利用され、ミクシィは商用ネットワークで利用している。またWistron社のプラットフォームGalileoにも対応しており、今後も対応プラットフォームの拡大を計画している。

今後の予定

 同ネットワークOSはTIPのOpen Optical Packet Transport(OOPT)プロジェクトのもとでオープンソース化され、さまざまな組織とのコラボレーションを通して開発が進められる予定だ。また2019年11月13日~15日にアムステルダムで開催されるTIP summit 2019にてGoldstoneの動態展示を行う。

各社からのコメント

 ミクシィ 取締役執行役員 CTOの村瀬龍馬氏は「Goldstoneの採用は、我々のサービス提供に不可欠なデータセンタ間ネットワークに大きな柔軟性をもたらしてくれた。Goldstoneを商用ネットワークに導入した最初のオペレータとして、今回のオープンソース化により、オープンコミュニティでのコラボレーションを通した更なる機能拡充、堅牢化が行われることを期待している」とコメントを出している。

 Edgecore Networks President and CEOのGeorge Tchaparian氏は「Edgecoreは、ネットワークオペレータに幅広い光伝送技術の選択肢が提供できるホワイトボックス型伝送装置のソリューションを、NTTエレクトロニクスを含むパートナーとの協業により実現できたことを喜ばしく思う」とコメントを出している。

 Wistron シニアテクニカルディレクターのArthur Chang氏は「Goldstoneのオープンソース化はハードウェアとソフトウェアが分離されたホワイトボックス型ネットワーク装置の利用促進に大きな役割を果たすだろう。Goldstoneと当社Galileoの組み合わせがネットワークオペレータにとって、魅力的なソリューションになることを確信している」とコメントを出している。