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AI技術による異常予兆検知ソリューション「@DeAnoS」を販売開始【NTT-AT】

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異常予兆を捉えてトラブルを回避。稼働率向上、オペレーションの効率化、低コスト化を実現

 NTTアドバンステクノロジ(以下、NTT-AT)は6月16日、NTTネットワーク基盤技術研究所が開発した「ディープラーニングに基づく、異常検知・要因推定を実現するソリューションDeAnoS®(Deep Anomaly Surveillance;ディアノス)」を商品化し、「@DeAnoS」(アットディアノス)として2020年秋に販売を開始すると発表した。

背景

 企業活動の生産性向上・稼働率向上のためには、運用中の設備・機器を止めないことが重要となる。例えば通信サービス業では、データセンタ・クラウドサービスなどのサーバやネットワーク装置、製造業では生産設備、建設業では建設機械、運輸業では運行管理システムといった、それぞれの事業を支える設備・機器の故障・障害が、大変な事業損失につながるからだ。
 NTT-ATは「お客様からは『異常が起きたらすぐに発見できるのは必須条件としても、そこからさらに進んで、異常の予兆をできるだけ早い段階で把握し、故障や異常そのものを未然に防ぐことはできないだろうか』といった声があり、本ソリューションではこれらの課題をAI技術により解決する」としている。

ソリューションの概要

 @DeAnoSは、NTT研究所で開発した「ディープラーニングに基づく、異常検知・要因推定技術DeAnoS®」を搭載した異常予兆検知ソリューション。閾値やルールなど、保守者の経験や設計に基づく従来の異常検知方式では対応の難しかった「異常要因の推定」、「潜在的な未知の障害の発見」を、ディープラーニングにより解決へ導く。
 多様な機器から収集される大量のデータそれぞれに閾値やルールを設定する膨大な時間と手間を最小化し、見極めの難しい異常判断を容易にする。
 サーバやネットワークの監視はもちろん、IoTデバイスの監視や工場の生産ライン、プラント、IoT家電などの異常予兆検知に幅広く利用できる。
 また、導入企業数5,000社を突破し、企業現場の業務効率化、働き方改革に活用されているRPAツール「WinActor」との組み合わせにより、装置ログ等の収集、異常予兆検知後のアクションなど、オペレーションの自動化が実現できる。

 同ソリューション提供にあたり、NTT-ATでは「お客様環境への適用に向けた導入コンサルティングとして事前検証・PoCを実施し、提供形態の提案、カスタマイズ開発などの導入支援、導入後のコンサルティングサービスも提供するので、AIソリューションの導入を初めて検討いただくお客様にも安心して導入いただける」としている。
 同ソリューションの主な特長は次のとおり。

多様化、複雑化するICT・IoTシステム等の効率的、効果的な異常検知の低コスト化を実現

 ICT・IoTシステムが多様化・複雑さを増している中、大量のログから異常を早期に発見することが求められている。従来手法では、予め監視する項目を決め、項目ごとに設定した閾値やルールに基づく異常検知を行っている。同ソリューションでは、ディープラーニングを用い、膨大な監視項目の相関関係を一度に学習することができるので、事前に対象とする異常ごとに必要なデータを絞り込む必要がなく、監視設計が容易にできる。
 また、監視対象となる装置やシステムの構成、利用状況等が変化した場合、モデルの更新やパラメーターチューニングが必要となる。同ソリューションでは、モデル自動更新機能、パラメータ自動チューニング機能を備えているので、迅速な導入とともに、効率的、効果的な異常検知が可能だ。

発見が困難であった障害や異常予兆検知、要因推定が可能

 異常の予兆を捉え障害を未然に防止すること、未知の、あるいは極めて稀にしか起きない障害の発見や見極めの難しい異常を迅速に判定することは重要な課題だ。同ソリューションでは、従来手法では対応の難しかった「異常予兆検知」や、「潜在的な未知の障害の発見」が可能となり、検知の見逃しを防ぐことができる。また、要因推定機能により、異常の主要因の推定ができます。これにより異常個所の切り分けにかかる時間を大幅に短縮し、異常の影響を小さくすることが可能だ。

BIツールとの連携ソリューションによるユーザーフレンドリーな解析機能を提供

 BIツールとの連携により、マウス1つで異常箇所の確認、絞り込み、推定された要因の確認が容易にできる。これらの機能により、異常の早期発見、障害からの早期復旧などが可能だ。

利用イメージ。

今後の展開についてNTT-ATは「オンプレミス版に加え、クラウド版を提供予定だ。また、データ収集基盤との連携により、トータル監視ソリューションを提供する予定だ」としている。

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