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世界初 0.14dB/km極低損失光ファイバの量産化に成功、新製品を発売【住友電工】

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 住友電気工業(以下、住友電工)は12月18日、伝送損失が0.14dB/km台と極めて低い光ファイバの量産化に世界で初めて成功したと発表した。2021年1月より販売を開始する。

 光ファイバは今日の情報通信時代の根幹をなす基盤インフラ。クラウドサービスの爆発的拡大や5G移動通信の商業導入など増加を続ける通信トラフィック需要に対応するため、通信システムの大容量化が必要であり、光ファイバには伝送損失の低減など高性能化が強く期待されている。
 同社は、1988年に伝送損失0.17dB/kmの光ファイバの量産化に世界で初めて成功、低損失純石英コア光ファイバ「Z Fiber」として販売を開始した。そして以降も、継続的に低損失ファイバ技術・新製品の開発を行ってきた。
 2017年には、今日でも世界記録である伝送損失0.1419dB/kmを研究開発で実現。そして今回、同社が培ってきた光ファイバの量産技術を組み合わせ、0.14dB/km台の極低損失光ファイバの量産化に世界で初めて成功した。2021年1月より「Z-PLUS Fiber 150」の伝送損失を現行の0.150dB/km(典型値、波長1550nm)から0.144dB/kmに大幅に低減した新製品の販売を開始する。製品の用途としては以下が挙げられる。

Z-PLUS Fiber 150、伝送損失0.144 dB/kmの用途例

  • 大洋横断などの海底光ケーブルシステム
  • 大陸横断などの陸上幹線光ケーブルネットワーク
  • 量子暗号通信用の伝送路
  • 地震検知や火災検知などのセンサ応用
  • その他、極低損失特性が要求される、様々な光通信技術

 住友電工は「今後も当社は、光通信システムの基盤インフラである光ファイバの研究開発、および量産化技術のさらなる向上に取り組み、情報通信社会に貢献していく」との考えを示している。

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