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ソニーとドコモ、2,500キロ離れた日本とグアム間で5Gを活用したエンタテインメント車両の遠隔操作に成功

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 ソニーとNTTドコモ(以下、ドコモ)は3月22日、グアム島にあるエンタテインメント車両Sociable Cart(ソーシャブルカート)「SC-1」を約2,500キロ離れた東京から、5Gを活用して遠隔操作する実証実験に成功したと発表した。
 5Gの低遅延、大容量、高速の特長を活かし、リアルタイムで車両の周囲の映像を都内にあるソニーの開発拠点に伝送して操作した。この通信には、ドコモの100%子会社であるドコモパシフィック社の5Gを利用した。

SC-1は、ソニーが開発したエンタテインメント車両。実証実験では、SC-1から車両の周辺映像を東京に送り、東京にいるドライバーが映像を見ながら運転した。この実験はグアムの検証用屋外施設において、乗客を載せた状態で行った。

 SC-1は、車両前後左右に人の視覚能力を超えるイメージセンサーを搭載している。360 度全ての方向にフォーカスが合わせられた映像を車内のディスプレイに映し出すことで、車両周囲の環境を一度に把握できる。また、搭載したイメージセンサーの超高感度な特性と内部に設置されたディスプレイの高い解像度により、昼夜を問わずライトなしに車両周囲を認識しながら運転できる。自動運転時代の到来により遠隔運転や監視の重要性がより高まっている。国境を超えた遠隔運転により、時差を利用したグローバルなオペレーションが可能となる。

 ソニーはリアリティ(Reality)、リアルタイム(Real-time)、リモート(Remote)を追求する「3Rテクノロジー」によって、人々にエンタテインメントの感動とそれを支える安心を届けることで新たな価値創出をめざしている。ソニーは「SC-1 を利用した各種クルージングサービスを国内で展開しており、今後3Rテクノロジーも活用することで“移動を楽しくする”サービスを拡充し、ヒトとクルマの新たな楽しみをさまざまな領域へ提供していく」との考えを示している。

 ドコモは「本実証実験で得られた成果を活かし、海外での新たな旅行体験や移動体験の創出などエンタテインメント分野での価値創出、および働き方改革をはじめとする社会課題解決をめざしていく」との考えを示している。