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エクイニクスが、 増大するハイパースケーラーの需要に応えるxScaleデータセンターを日本でも拡大

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 エクイニクスは12月15日、xScaleデータセンターの国内2拠点目となるOS2xの開設、ならびに今年3月1日に開設したTY12xの第2フェーズが完了したことを発表した。
 同社は「xScaleデータセンターは、Alibaba Cloud、Amazon Web Services、Google Cloud、IBM Cloud、Microsoft Azure、Oracle Cloud Infrastructureといった世界の大手クラウドサービスプロバイダー(ハイパースケーラー)からの需要増大に応えるデータセンタだ」と説明している。

 市場調査などを手掛ける独Statista(スタティスタ)によると、2020年の国内クラウドプラットフォームサービス市場(IaaS/PaaS)は、約8,500億円と推定されている。
 背景としてリモートワークの増加やDXに伴う柔軟なシステム環境の導入を挙げており、2024年まで2桁の年平均成長率(CAGR)で推移し、同年までに約1.74兆円に達すると予想している。大企業のDXに関する継続的な需要増に加え、公共部門による採用増も寄与すると考えられる。
 一方政府においても、さらなる経済成長や生産性の向上実現に向けたSociety5.02を提唱しており、社会全体のデジタル化を促進すべく今年9月にはその司令塔としてデジタル庁が創設された。
 エクイニクスは「このような官民のDX推進がハイブリッドマルチクラウドへの移行需要を促進し、インターコネクション(相互接続)帯域をさらに急増させ、その中心的な役割をハイパースケーラーが担うと確信している」との見解を示している。

 エクイニクスは2021年6月に、シンガポールの政府系ファンドであるGICとリミテッド・ライアビリティ・パートナーシップ(LLP:有限責任事業組合)形態によるジョイントベンチャーの追加投資を合意したことを発表した。
 今年10月にオーストラリアで発表された別のxScaleデータセンタ向けジョイントベンチャー事業を加えると、xScaleデータセンタのポートフォリオは世界の34拠点に対して総額で約75億USドル超の規模となり、最終フェーズ完成時には675メガワット(MW)を超えるIT電力を供給する予定だ。
 エクイニクスは「OS2xおよびTY12xはこれらのxScaleデータセンタのポートフォリオに含まれ、高速、低遅延かつ堅牢といったハイパースケーラーからの高い要求と増大する需要に応えると同時に、約1万社以上の顧客企業で構成されるエクイニクスのエコシステム内でもハイパースケーラーへのより迅速で快適なアクセスを実現する」としている。

OS2xの外観。西日本初(国内2拠点目)で大阪に開設されたハイパースケーラー向けデータセンターであるOS2xは2021年12月24日に開設し、第1フェーズは約3,200平方メートル(34,500平方フィート)以上のコロケーションスペースを提供し、10メガワット(MW)以上のIT電力を供給する予定だ。最終フェーズ完成時には約4,900平方メートル(52,700平方フィート)のコロケーションスペースを提供し、14メガワット(MW)のIT電力を供給する予定。

 エクイニクスが毎年発表している最新の年次市場調査「グローバル インターコネクション インデックス」(Global Interconnection Index、以下 「GXI」)の2021年版(GXI Vol. 5)によると、大阪圏のインターコネクション帯域は2020年から2024年にまでに50%のCAGRで増加することが見込まれている。ハイパースケーラーはクラウド導入に伴う高性能、一貫性、セキュリティ、耐障害性、ローカルデータレジリエンシに対するニーズの高まりに対応するため、大阪圏への投資を拡大していくものと予測されている。

 エクイニクス日本法人 代表取締役社長の小川久仁子氏は「国内2拠点目となるハイパースケーラー向けxScaleデータセンターOS2xの大阪開設と、アジア最初のxScaleデータセンターTY12xの第2フェーズ完了、それぞれが滞りなく進んだことを大変嬉しく思っている。ハイブリッドマルチクラウド化は全ての産業のみならず、行政においても事実上の標準になると考えられている。エクイニクスはPlatform Equinix上でハイパースケーラーのニーズに合わせ世界規模で投資と技術革新を継続し、高いレベルでの信頼性、グローバルリーチ、そして豊かなエコシステムへの相互接続性を提供している。わたしたちはハイパースケーラーが求める高水準な技術および仕様レベルにお応えできるxScaleデータセンターの国内体制を引き続き積極的に展開していく」とコメントを出している。

TY12x
 アジア初のハイパースケーラー向けxScaleデータセンターであるTY12xの第2フェーズは2021年12月24日に完了する予定で、約3,200平方メートル(34,500平方フィート)以上のコロケーションスペースを提供し、10メガワット(MW)のIT電力を供給する予定だ。なお、最終フェーズ完成時には約17,300平方メートル(186,140平方フィート)以上のコロケーションスペースを提供し、54メガワット(MW)のIT電力を供給する予定だ。GXIによると東京圏のインターコネクション帯域は2020年から2024年にまでに42%のCAGRで増加することが見込まれ、製造業や金融業などの業界が積極的に活用すると予測されている。

 エクイニクスは「デジタル経済の急速な発展とともにグローバルな接続性とハイブリッドマルチクラウドソリューションに対する需要は高まっており、エクイニクスは長年ハイパースケーラーに世界235を超えるIBXデータセンターにおいてエンドユーザや戦略的パートナーと直接接続できる環境を提供し、今後も継続的に発展させていく」とコメントを出している。