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シスコが、データセンタ向けSDNソリューションで、IIJの仮想化基盤構築を支援

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高可用性を備えた先進の機能により、新サービス「Smart HUB」用ネットワーク基盤を強化

 シスコシステムズ(以下、シスコ)は6月15日、インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)が2022年6月から開始する法人向けサービス「IIJプライベートバックボーンサービス/Smart HUB(以下Smart HUB)」用の仮想化ネットワーク基盤に、データセンタ向けSDNソリューション「Cisco ACI (Application Centric Infrastructure)」を採用したことを発表した。
 IIJでは、長期化するコロナ禍において加速する、オンプレミスからクラウドへの移行や自社のサービス拡大によるデータセンタ間のトラフィックの増大から、柔軟性を備え、市場の要求にスピーディに対応できるソフトウェアベースの仮想化ネットワークへの需要が高まっていた。こうした中、安定したサービスの迅速な展開を求め、東京と大阪を中心とする新サービス用の大規模なデータセンタ向けに、高可用性を備え安定したワイヤレート転送を実現するキャリアグレードの「Cisco ACI」の採用を決定した。

 今回採用された「Cisco ACI」は、「Cisco Nexus 9300スイッチ」をベースにIPファブリックを構築し、APIC(Application Policy Infrastructure Controller)によりネットワーク全体を制御する。「Cisco Nexus 9300」は、400Gイーサネットポートを備え、将来的なネットワークの拡張にも低コストかつ速やかで、省電力・省スペースであることから、環境負荷低減を実現する。また、今回導入されたデータセンタ向け運用・管理アプリケーションの「Cisco Nexus Dashboard Insights」によって、ネットワークの稼働状況をリアルタイムで可視化できるようになり、障害の事前検知や障害発生時の原因解明が可能となった。国内の通信事業者として初採用となる、「Cisco ACI」のMulti-podやRemote Leaf機能、APIC Standalone構成により、異なるロケーションを網羅する一元的な運用管理性を、Smart HUBのプラットフォーム上に実現する。
 今後は、MPLSコアネットワークや仮想化ソフトウェア自動管理プラットフォームのKubernetesとの連携も視野に入れ、大容量への対応や効率化、柔軟性を強化する予定だという。
 シスコは「IIJの国内複数拠点に配備した『Cisco Nexus 9300』100台と『APIC20』台に加え、導入拠点を順次拡大するデジタルワークスペースの推進を支援していく」としている。

 インターネットイニシアティブの執行役員である城之内肇氏は「近年、急速にお客様のワークスタイルの多様化が進み、信頼性や安定性を保ちながらより柔軟かつ大容量のクラウド閉域ネットワーク接続のニーズが高まっている。こうした中、お客様のデジタルワークプレイス環境を支援する当社は、6月に新たな IIJ プライベートバックボーンサービス/Smart HUB をリリースし、この新たなネットワーク基盤に必要な先進の機能や高い性能、さらに将来性を見込んで、今回シスコのソリューションを採用した。IIJでは、今後も安定したクラウド接続サービスをお客様にご提供するために、シスコとの連携を図る」とコメントを出している。

 シスコシステムズの専務執行役員 情報通信産業事業統括である濱田義之氏は「この度、IIJ様が新たに企業向けに提供されるプライベートバックボーンサービス『Smart HUB』のネットワーク基盤に、先進のCisco ACI を採用いただいたことを大変光栄に思っている。IIJ様の多彩なサービスと、クラウド対応やソフトウェア化を進めるシスコのソリューションが、IIJ様が推進されるデジタルワークプレイスの支援と、シスコがめざすハイブリッドワークの実現を加速するものと大きな期待を寄せている」とコメントを出している。