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Broadcom Wi-Fi 7チップセットの自動テスト・ソリューションが利用可能に【ローデ・シュワルツ、Broadcom】

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 ローデ・シュワルツとBroadcomは12月23日、 BroadcomのWi-Fi 7用チップセットにおけるR&S CMP180無線通信テスタの有用性検証に成功したと発表した。
 両社は「これにより、ワイヤレス機器のOEMやODM企業の皆様には、それぞれのWi-Fi 7対応製品を市場投入する準備に取り掛かっていただけるようになった」としている。

 Broadcom Wi-Fi 7チップセットは、モバイル・ハンドセットのために最適化された業界初のWi-Fi 7用チップセットであり、IEEE 802.11be準拠の同時デュアルバンド2×2動作もサポートしている。
 ローデ・シュワルツは、ワイヤレス・アプリケーションのための試験・計測機器のサプライヤとしてBroadcomと協力し、研究開発や生産に対応した次世代のワイヤレス機器テスト・プラットフォームであるR&S CMP180の有効性を確認した。

R&S CMP180

 IEEE 802.11be修正案では、2.4 GHz・5 GHz・6 GHz各バンドでのWi-Fi 7の動作をカバーしている。さらにこの修正案は、モバイル・ハンドセットの高度なアプリケーション実現に必要となる極めて高いWLANスループットを規定することにもなる。そうしたモバイル・ハンドセットの非常に高いスループット実現のカギとなる要素が、最新の4096-QAM変調方式のほか、6 GHz帯で使える320 MHzという広いWLANチャネルやMLO(multi-link operation)機能だ。

 そのためIEEE 802.11beにともない、試験・計測機器にも多くの課題が課される。たとえば4096-QAM変調には、必要な解析帯域幅に加えて、最大320 MHzという帯域幅にわたって非常に低歪みのリファレンス・シグナルを送信できる信号生成能力が求められる。またMIMOやMLO方式には、高性能かつスケーラブルなテスト・ソリューションが必要となる。
 こうした課題に応えるのがローデ・シュワルツのR&S CMP 180だ。このテスト・プラットフォームは、RFレベルにおけるBroadcom Wi-Fi 7チップセットの特性評価に有効であり、エラーベクトル振幅(EVM)やタイミング測定、放射周波数の適合性をテストできる。また、ローデ・シュワルツのWMTソフトウェア・サービスは、Pythonベースのモジュール式テスト自動化フレームワークとなっており、最新のBroadcom Wi-Fi 7チップセットもサポートしている。

 ローデ・シュワルツでモバイル無線テスタを担当する上級副社長のChristoph Pointner氏は「Broadcomのユーザによる次世代Wi-Fi 7製品の市場投入をお手伝いできることを大変光栄に感じている。この集積チップセットを当社WMTテスト自動化プラットフォームがサポートしたことで、OEMやODM企業の皆様は、Wi-Fi 7対応機器のテストが行える確実で安全な自動テスト環境を素早く構築いただけるようになった」とコメントを出している。

 Broadcomのワイヤレス通信/接続部門 マーケティング・ディレクタであるGabriel Desjardins氏は「6 GHzに対応したWi-Fiテストシステムの開発でローデ・シュワルツと協力を続けてきた。その成果として、当社Broadcomのユーザやパートナー企業による最新Wi-Fi技術の展開をいっそう加速させることが可能になった」とコメントを出している。

 R&S CMP180無線通信テスタは、ワイヤレス機器の研究開発や検証から生産にまで対応できる将来性豊かなノンシグナリング・テスト・ソリューションだ。最新の周波数や帯域幅に対応するともに高いRF能力を兼ね備えていることから、Wi-Fi 6EやWi-Fi 7を始めとする多くの新しいワイヤレス技術のテストが可能だ。さらに、アナライザ(2×VSA)、信号発生器(2×VSG)、RFポート(2×8)とそれぞれ2倍に増えたことで、1台のVSA/VSGテスタで通信技術やデバイスを同時に測定できるようになっている。