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AirTrunkが、「エネルギートランジションへの推進力 :24/7 クリーンエネルギー」を発表

データセンタ/LAN 無料

APJ地域のクリーンエネルギーへの移行を進展させるための業界協力も提唱

 AirTrunkは8月17日(オーストラリア)、レポート「エネルギートランジションへの推進力:24/7 クリーンエネルギー」を公表した。(本抄訳は8月23日に日本法人が発表したもの)

 このレポートは、APJ地域でのクリーンエネルギー常時使用(24/7 CE)への移行の鍵としてハイパースケールデータセンタを位置づけている。

 ハイパースケールデータセンタは、電力需要の規模が大きいこと、電力消費量が安定していること、イノベーションの取り込みに積極的であること、再生可能エネルギー調達における実績が豊富であることなどにより、エネルギートランジションを推進することに適したプレーヤーであることを強調している。

 また、電源構成などのモデリングを通して、24/7 CEの達成に効果的な技術と、必要コストを包括的に分析している。

 AirTrunkのエネルギー・気候部門責任者シュミツ・ヨシャ氏は「24/7 CEは、電力系統の完全な脱炭素化を実現するのに重要だ。AirTrunkは、APJ地域の主要ハイパースケールデータセンタ プロバイダとして、本地域にて24/7 CEの実現を促進させるためこのレポートを発表した」とし、「欧州と北米では、豊富な再生可能エネルギー資源とマーケットの成熟度により、24/7 CEが進んでいる。APJ地域は、成長が著しい半面、エネルギートランジションに最も苦戦している地域でもあり、このレポートでは、本地域でクリーンエネルギー技術の展開を実現させるための必要事項について述べている」とコメントを出している。

 レポートでは、APJ地域で24/7 CEを完全に実現させるためには業界を跨いだ協力が不可欠であると指摘しており、各業界の主要プレーヤーと政府が実施すべき項目として以下の6つを挙げている。

  • 市場間の電力系統を連携すること
  • エネルギー貯蔵技術の開発・利活用を加速させること
  • 各地域の再生可能エネルギーの多様化、エネルギー貯蔵技術を用いた出力安定化を図ること
  • オンサイトのインフラを活用して地元の電力系統と電力市場の安定化に寄与すること
  • レイテンシー要求が高くない演算負荷を電力コストが低い市場に移転すること
  • 24/7 CE達成に最も経済的な手法を議論すること

 AirTrunkの最高技術責任者であるダミアン・スピレイン氏は「APJ地域の主要企業や政府は温室効果ガスの排出を大幅に削減するコミットメントを掲げているが、現在の状況では、これを達成することは困難だ。そのため、私達はエネルギー プロバイダ、サステナビリティ グループ、企業、政府に協力を呼びかけ、共にクリーンエネルギーの未来を開拓したいと考えている」とし、「AirTrunkは、エネルギートランジションを可能にするキープレーヤーとしての責任を真摯に受け止め、2030年までにネットゼロを達成するという目標に向けて、脱炭素化の努力を続けていく」とコメントを出している。