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さくらインターネットが、ガバメントクラウドサービス提供事業者に選定。国内事業者サービスの初参入により、デジタル貿易赤字の改善に期待

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 さくらインターネットは11月28日、同社が提供するIaaS型クラウドの「さくらのクラウド」が、2023年度にデジタル庁が募集した「ガバメントクラウド整備のためのクラウドサービス」(以下「ガバメントクラウド」)に認定されたと発表した。
 さくらインターネットは「本認定は、2025年度末までに技術要件をすべて満たすことを前提とした条件付きの認定だ」としている。

 今回の選定により、デジタル庁が進める「ガバメントクラウド整備事業に係る検証作業等」において「さくらのクラウド」が対象となった。
 今後は、主たるクラウド環境として「さくらのクラウド」の開発強化に加え、周辺機能の一部はマイクロソフトの製品等のサードパーティ製品を用いて開発を行い、2025年度中にガバメントクラウドとしての提供をめざす。
 さくらインターネットは「すべてのお客さまが安心してクラウドサービスを運営および提供できるよう、迅速、柔軟、かつセキュアなクラウドインフラを提供していく」との方針を示している。

 さくらインターネットの代表取締役社長である田中邦裕氏は「クラウドシフトの流れにより、民間だけでなく公的セクターにおいてもクラウド利用の流れが加速している。そのような中、日本においてもガバメントクラウドとして、パブリッククラウドの活用が進められてきたが、これまでは国内事業者の参入がなく、4.7兆円とされるデジタル貿易赤字の更なる拡大が懸念されていた。もっとも、国内事業者が参入できるようにハードルを下げるべきではなく、国内外問わず最適なパブリッククラウドの利用が望ましいと考えている。その中で当社は、2025年度末までに機能を充足させる計画を提出し、それを完遂させる覚悟を持って取り組む。また、一部の機能においてはマイクロソフト様とのパートナーシップにより、グローバルで利活用されるテクノロジーにて充足させる事となった。日本のデジタルインフラを支える企業として、これからも期待に応えていく」とコメントを出している。

 日本マイクロソフトの執行役員 常務 パブリックセクター事業本部長である佐藤 亮太氏は「かねてより、さくらインターネット様にはIoT事業領域の協業やクラウドにおける衛星データ活用に関する共同マーケティング施策などを進め、パートナーとして連携を行ってきた。今後もガバメント領域に限らず、民間へのクラウドインフラ提供や社内のAI活用など様々な分野で引き続きパートナーシップを強化し、日本のクラウドビジネスを加速させていきたいと考えている。今後、さくらインターネット様とさらに緊密に連携し、日本のデジタルトランスフォーメーションに貢献していく」とコメントを出している。

ガバメントクラウド
 ガバメントクラウドはデジタル庁が行っている政策の一つで、政府共通のクラウドサービスの利用環境だ。クラウドサービスの利点を最大限に活用することで、迅速、柔軟、かつセキュアでコスト効率の高いシステムを構築可能とすることを目的としている。利用者にとって利便性の高いサービスをいち早く提供し改善していくことをめざしており、地方公共団体でも同様の利点を享受できるようにデジタル庁が検討を進めている。