富士通は、国内初となる商用のローカル5Gの無線局（基地局、陸上移動局）免許を総務省関東総合通信局（以下、関東総合通信局）から3月27日に取得し、富士通新川崎テクノロジースクエア（所在地：神奈川県川崎市）でのローカル5Gシステムの運用を開始した。

　まずは、同社の同拠点内において多地点カメラで収集した高精細映像のデータ伝送にローカル5Gを活用し、AIによる人の様々な動作解析で、不審行動などを早期に検知するセキュリティシステムを実現し、建物内の防犯対策を強化する。また、ユーザやパートナー企業とのローカル5Gの実証の場である「FUJITSU コラボレーションラボ」で、業務革新や地域課題の解決に向けたローカル5Gの様々なユースケースを創出し、具現化させるとともに、ユーザの現場への導入支援なども行う。
　さらに、今後、スマートファクトリーの実現に向けて、同社のネットワーク機器の製造拠点である小山工場（所在地：栃木県小山市）においても、ローカル5Gの免許を取得し、同工場でネットワーク機器の製造を手がける富士通テレコムネットワークスと共同で、ローカル5Gの有用性を検証していくという。

背景

　富士通は、2月18日に国内で初めて関東総合通信局より付与されたローカル5Gの無線局予備免許の下、電波法に基づく基地局および陸上移動局（データ通信端末）の登録点検や接続確認、カバーエリアの確認など、商用の免許取得に向けた検証を進めた。その結果、同社のローカル5Gの無線局が電波法で定められた基準に適合していることを認められ、国内初となる商用免許を取得した。

運用開始したローカル5Gシステムについて

システム構成
5G-NSA：データ伝送に5G、基地局と陸上移動局との接続制御にLTEの電波を利用

周波数
5G：28.2GHz～28.3GHz、LTE：2575MHz～2595MHz

カバーエリア
富士通新川崎テクノロジースクエア敷地内 約28,000平方メートル