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NEC、提供中のサービスを停止せずにICTシステムを更新できる「システム自動更新AI技術」を開発

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 NECは5月13日、通信サービスや金融サービスなど、社会的に重要で止められないサービスを提供するシステムにおいて、セキュリティリスクへの対応や、利便性・機能向上のために、迅速なシステム更新を実現する「システム自動更新AI技術」を開発したと発表した。
 現在、提供中のサービスを止めずにシステムを更新するには、熟練した管理者、システムを構成する機能同士の依存関係や機能の冗長性を考慮した、複雑な更新手順を作成する必要があり、システム更新に長い時間を要する。
 今回発表された技術は、システム管理者が目的とするシステム構成を入力するだけで、膨大な更新手順の候補の中からサービス停止を起こさない手順を自動生成する。この技術により、現在はシステム管理者が人手で1週間程度要している更新手順の作成を数分で完了できる。これによって、セキュリティリスクへの即座の対応や、顧客ニーズに応じた新サービスの迅速な導入が可能となる。
 NECは「本技術はICTシステムの運用管理ソフトウェアとして、2017年度の実用化を目指す」としている。

背景

 社会的に重要なサービスを提供しているICTシステムは、停止することが出来ない一方で、セキュリティリスクへの対応や、利便性と機能向上のために、頻繁かつ迅速な更新が求められている。
 しかし、サービスを止めずにシステム更新するには、システム運用者は、システム構成を深く理解し、細心の注意を払って、更新手順を作成しなければならない。サービスの停止や機能障害を引き起こさないためには、再起動の順番や、サーバ上の機能に依存している他の機器との関係を慎重に考慮して手順を作成する必要があるため、更新手順作成に時間を要する。
 今回開発され技術は、AI技術を用いて、システム管理者が目的とするシステム構成を入力するだけで、サービス停止を起こさない更新手順(無停止更新手順)を自動で生成する。これにより、人手で一週間要したシステム更新を数分に短縮することが可能だという。

AI技術を用いて目的のシステム構成へ無停止更新する手順を探索・生成

 「現在のシステム構成」から「目的のシステム構成」へ移行する更新手順の候補は膨大にある。その中で、アプリケーション、ミドルウェア、仮想マシン、ネットワークなど各システムの部品の動作に必要な条件(機能間の依存関係や機能を保つための動作の優先順位など)およびサービスを停止させない条件といった、複雑な要件を同時に満たす更新手順を、AIプランニング技術によって探索し、自動で生成する方式を開発したという。これにより、サービスを停止させず、安全かつ迅速なシステム更新を実現できる。

抽象化技術により、システム構成を更新手順生成に必要な情報へ変換

 「現在のシステム構成」から「目的のシステム構成」への更新手順を生成するには、システム構成の情報(構成部品の組み合わせ)だけでなく、実行可能な操作や、操作上の制約(依存関係、禁止作業)といった条件の情報も必要となる。そこで今回、各構成部品にこれら条件に関する情報の紐付けを可能にし、複雑な条件をもつ部品同士の組み合わせを、更新手順生成に必要な情報へと変換・合成できる独自の抽象化技術を開発したという。
 この技術により、システム運用者は GUI 等を用いてICTシステムを構成する部品を組み合わせるだけで、「目的とするシステム構成」を簡単に定義することが可能だ。これにより、複雑な条件下でもシステムを停止させない更新手順を探索するAIプランニング技術に適応させることが可能となった。