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IPルーティングシリコン「Nokia FP5」の魅力を探る

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 「Nokia Connected Future 2021」では、Nokiaが9月21日に発表したばかりのIPルーティングシリコン「Nokia FP5」(以下、FP5)ネットワークプロセッサの詳細も語られた。FP5はNokiaのIPサービスルーティング・プラットフォームの新たな中心部として、800GEおよび1.6Tbps IPインタフェースもサポートした14.4Tbpsラインカードを実現(Nokiaのインテリジェント・アグリゲーション機能を搭載した場合は19.2Tbps)しながら、消費電力は1Gbpsあたり0.1Wに抑えている。

 ネットワーク高速化に伴う機器の熱問題対策として、ラインカードの上下にエアインテークを設けたエアフロー冷却構造を採用している。これにより、例えば現世代のモジュールでイメージすると、複数のZRやZR+を実装する場合に熱の観点で数量を制限するといった課題が改善される。
 
 セキュリティ機能では、前世代で提供されたDDoSフィルタリングのミティゲーション機能に加え、ネットワークのフル区間の防御としてラインレートによる暗号化が備わっている。
 
 FP5は自社開発のネットワークプロセッサであり、ノキアソリューションズ&ネットワークス IP/Optical ネットワークス IP ルーティング本部長の鹿志村康生氏は「性能、機能、セキュリティ対応、そして電力効率を含む環境対応に一切の妥協はせず、全て100%満たせるプロセッサという形で開発した。我々が自社開発にこだわる一番の理由として、様々な変化を続けるネットワークの要求事項に対して柔軟に対応するためのプログラマビリティがある。これにより、今後どのように変わっていくか分からないネットワークサービスに対応できる、つまり長くお使いいただけるということで、非常に投資効果が高いプラットフォームをご提供できる」と話している。

(OPTCOM編集部 柿沼毅郎)

3Dホログラム映像で紹介されたFP5の外観。製品名が記されている中央部分がプロセッサで、その周囲にある4つの四角が3Dメモリだ。このプロセッサとメモリをシリコンベースで接続することにより、従来のプロセッサで一番のボトルネックになりやすかったメモリへのアクセススピードを劇的に改善している。

FP5によるネットワークセキュリティ

「ANYsec」機能によりルータ間を暗号化

ノキアソリューションズ&ネットワークス
IP/Optical ネットワークス
IP ルーティング本部長
鹿志村康生氏

 新たなセキュリティ機能として追加されたラインレート、フローベースの暗号化機能「ANYsec」は、ルータ間における暗号化を実現し、データ盗難/操作からの保護を可能とする。IP、MPLS、セグメントルーティング、イーサネット/VPNと、あらゆるトランスポートが対象で、必要に応じてON/OFFが可能だ。鹿志村氏は「400Gさらには800Gと高速化していく中で、パフォーマンスや電力効率を落とさずに、ラインレートで全てのトラフィックを暗号化してネットワークの脅威から守る」と話している。
 前世代「Nokia FP4」(以下、FP4)で提供されたDDoSフィルタリングのミティゲーション機能も受け継いでおり、14.4Tという大容量のラインレートでも性能に影響を与えることのないDDoS保護のための正確な攻撃検知とミティゲーションを実現している。フィルタリング/ミラーリングは、5tupleおよびデータパターンベース。

熱対策も施された最大14.4Tbpsのラインカード

FP5を使った装置のフロント写真と、ラインカードにおけるエアフローのイメージ図。

 FP5によるルータのラインカードは最大14.4Tbps。様々なプラガブル モジュールに対応しており、例えば100Gからスタートして400Gにアップグレード、さらに800Gといったサービス拡張がモジュール交換で可能だ。
 鹿志村氏は「従来の10Gや100Gモジュールの消費電力は大きくても数Wほどだったが、400Gの長距離になると20W台となるので発熱量も高い。そうしたモジュールを複数実装する時、ハードウェア側もきちんとした冷却構造を備えていないと、ラインカードあたりのインタフェースの数が限られてしまう。そこで我々はハードウェアの構造上で適切に冷却できる効率的なクーリング構造で設計した」と説明している。

前世代との互換性と小型シャーシの追加

FP5搭載ルータのポートフォリオ

 画像はFP5搭載ルータ。右にある6スロットと12スロットは、FP4で発表されたシャーシであり、FP5にも対応する。FP5はFP4と後方互換性があり、ノキアのサービスルータ・オペレーティングシステム(SR OS)の最新バージョンと完全に統合されているので、既存機能は全て初期からサポートされる。鹿志村氏は「FP4とFP5のラインカードは同じシャーシに混在して使用できるので、FP4の時にこのシャーシ(SR-7s、SR-14s)を導入いただいたお客様も、その資産をお使いいただきながら拡張ができる」と説明している。
 画像左の小型モデルはFP5専用となる。

電力効率に新たなベンチマーク

 FP5の消費電力は1Gbpsあたり0.1Wに抑えている。これはFP4と比べて75%の消費電力削減であり、同じ電力レベルで3倍の性能を提供していることになる。

同じシャーシにおける各種比較。

 鹿志村氏は「FP5が出たからと言ってFP4プラットフォームがすぐに終売になるわけでなく、必要な容量に応じて選択できるプラットフォームとして今回のFP5製品群が新たに加わる」と話している。

レポート目次

Nokiaが描く、5Gによる経済やイノベーションの発展と持続可能性

5G時代におけるNokiaの製品展開

IPルーティングシリコン「Nokia FP5」の魅力を探る

以下、後日更新

セルラーネットワークにおけるカーボンニュートラルに向けたNokiaの取り組み

Nokiaの5G固定アクセスネットワーク

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