「Cisco Cloud Control」に見る、統合プラットフォームの重要性【2】
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ポストMythos時代のセキュリティ
続いて登壇したシスコのSVP グローバル ネットワーキング セールスであるBrink Sanders氏からは、エンタープライズネットワークを取り巻く状況について、より具体的な解説がされた。
変化の速いAI時代におけるセキュリティの重要性
AIは、ここ数年で人々の体感を変化させるほどの進化を見せた。これによりデータセンタ側ではAIフロンティアモデルが導入され、通信インフラも拡張する時代になった。その一方で、ユーザ側の運用は従来通りシンプルなまま現行のAIを利用でき、通信インフラであるキャンパスブランチのネットワークにも大きな影響はなかった。Sanders氏は「これに変化を与えるのがエージェント型AIの時代だ。現在、多くの企業エージェントが立ち上げられており、様々なトライアルが進んでいる。その用途と一つとして想定されているエージェントとエージェント間のやり取りでは、トラフィックのパターンが従来とは変わってくる。エージェントがどう展開・配備されるのか。そしてAIの能力がどう生産性を上げてセキュリティを強化するのか。これらはお客様が成果を上げるために重要だ」と話す。
ビジネス上のAIリスクに関する調査結果
今後は、デジタル世界の中でAIエージェントが様々なインフラの中で運用されていく。さらにはPhysical AIも見据えられている。Sanders氏は「そこで必要とされるのは、セイフティとセキュリティの面で新しい要件・検討だ」とし、シスコとファンドリーリサーチが過去およそ二年間で調査したAIリスクに関する調査結果について、数字を含めて提示した。

AIリスクは、すでにビジネスに影響を与えている。
・フロンティアモデルAIの能力は高まる一方で、サイバー攻撃者もこのモデルを悪用している。そうした中、調査回答者の「86%」がAI関連のセキュリティ インシデントを12ヶ月の間に経験したことがあるとしている。
・AIの進化は、ネットワーク上のトラフィックも増やしている。この過去12カ月におけるAIのワークロードに関するトラフィックの増加率を調査したところ、平均増加率は「34%」となった。
・今後三年のトラフィック増加予測は209%となった。Sanders氏は「トラフィックが今のレベルの3倍になると、お客様はAIによるセキュリティという観点だけではなく、様々なユースケース、あるいは自分たちの組織で提供するケイパビリティも考え、ネットワークのモタナイゼーションが必要になる」と指摘している。
Mythosが変えた、セキュリティの今後
セキュリティの領域で、世の中に大きな影響を与えているのが「Claude Mythos Preview」(以下、Mythos)が示した機能・性能の水準だ。Anthropicが開発したセキュリティ特化型のフロンティアAIであるMythosは、古いソフトウェアの脆弱性を自律的に発見する強力なモデルであり、Ciscoはその開発初期からAnthropicと協力し、AIがもたらす脅威への対策を進めている。Mythosは、これまで人間が見つけられなかった脆弱性を短時間で特定できるだけではなく、ペネトレーションテスト(実際にシステムが突破されてしまうかの検証)をするためのエクスプロイト(攻撃コード)を僅か数時間で自動生成し、その検証を基に原因を把握して具体的な修正パッチを提示・作成することができる。
Sanders氏は「これには、セキュリティや運用において、すべての組織に関係してくる非常に大きな示唆がある。ほとんどのお客様は、サイクルでパッチを当てている。例えば一年に1回か2回、よくて四半期に1回だと思うが、それによってセキュアな環境を組織でなんとか保とうとしている。だが今後、フロンティアAIモデルならば、数時間でエクスプロイトができるとになると、お客様の従来のサイクルでは間に合わない。また、我々のインフラ、コンペのインフラを問わず、サポートが切れていてパッチを当てることができない状態であることが、非常に大きなリスクになっている」と警鐘を鳴らす。
そうした中、シスコはその対策として企業のセキュリティ運用(SOC)を効率化するためのPlaybook(自動化された防御手順)を公開しており、日本語にも翻訳されている。パッチ未適用のまま放置されている機器が攻撃を受け、不審な動きをした瞬間に、製品側であらかじめ設定されたPlaybookに基づいて自動でネットワークから隔離する、といった仕組みだ。高度なフロンティアAIが、システムのコードやネットワークの隙間を一瞬でスキャンし、人間が気づいていない脆弱性(ゼロデイ)や、サポート切れ機器の弱点を自律的に見つけ出すことが分ったポストMythosの時代は、サイバーセキュリティが「人間 vs 人間」ではなく「AI vs AI」というマシンスピードへと移行した時代とも言われている。脅威を検知して数秒で自動隔離するPlaybookという仕組みをあらかじめ用意しておくことの重要性は、今後高まっていくだろう。
Sanders氏は「お客様が自分たちの環境をどう評価し、どんなアクションを取り、どう最適化するのかについて、Playbookの中で示している。我々はフロンティアAIモデルの今後の方向性を把握、予測しているので、そこにフォーカスしてネットワークセキュリティのイノベーションに取り組んでいる。これはポストMythosの時代に対応するものとなる」と話している。
レポート目次
・【1】AI時代に最適化された統合プラットフォーム「Cisco Cloud Control」
・【2】ポストMythos時代のセキュリティ






